一 昭和五十一年の理産審報告

 昭和四十年代末から五十年代にかけて、我が国の産業経済は、急速な技術開発の進展などにより著しい発展を遂げ、世界経済の一翼を担うほどの経済力を有するようになった。このような状況の中で、理科教育及び産業教育審議会は、高等学校の職業教育の在り方について審議を行い、五十一年に最終報告をまとめた。この報告は、1)基礎教育の重視、2)教育課程の弾力化、専門教科・科目の最低必要単位数の引下げ、3)学科構成の過度の専門分化傾向を是正し、総合的ないし基幹的なものに改善、4)勤労にかかわる体験的学習の強化、という四事項にかかわるものであった。五十三年の高等学校学習指導要領の改訂はこれらの趣旨を踏まえて行われた。

お問合せ先

学制百二十年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --