三 道徳教育についての国民の期待

 このように学校教育において道徳教育の充実のため種々の施策を採ってきたが、子供たちの規範意識の低下や基本的生活習慣の不足等がしばしば指摘され、学校教育における徳育の重視への要請は一層強まってきた。このことは、例えば、昭和五十年代後半に行われた新聞社等の世論調査においても、学校教育に期待するものとして、道徳教育が常に上位を占めているのを見ても分かる。

 こうした状況の中で臨時教育審議会においても徳育の充実が重要な課題となり、六十二年の第四次答申(最終答申)の中では「基本的な生活習慣のしつけ、自己抑制力、日常の社会規範を守る態度の育成、人間としての『生き方』の教育を重視する。また、自然体験学習の促進、特設『道徳』の内容の見直し・重点化、適切な道徳教育用補助教材の使用の奨励、教員養成・現職研修の改善などを通じて徳育の充実を図る。」との提言がなされた。

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