二 昭和五十年代の道徳教育の施策

 昭和五十二年の小・中学校の学習指導要領の改訂に当たって、道徳教育についても一層の充実を図ることとした。この時の改訂では、小・中学校間の関連を密にし、内容についても小学校から中学校へと発展するように一層の配慮がされている。具体的には、1)「目標」について小・中学校の一貫性を従前以上に明確にし、道徳的実践力の育成を重視した。2)内容について項目を再構成し、自然愛護や郷土愛などの内容を示すなど一層の充実を図るとともに、小・中学校間の内容上の関連を密にした。3)「指導計画の作成と内容の取扱い」について小・中学校とも基本的に同一の内容にするよう統一を図るとともに、家庭や地域社会との相互理解、連携を図るべきことを明示した。

 また、五十八年に道徳教育の実施状況について初めて全国的な調査を行った。この調査によりおおむね各学校とも道徳教育に力を尽くしていることが分かったが、必ずしもまだ十分でないところがあることも明らかとなった。そこで調査結果を踏まえて、五十八年八月五日付け初等中等教育局長の通知により、1)全体計画・年間指導計画を作成すること、2)道徳の授業時数の確保に努めること、3)道徳の時間の指導資料を一層整備・充実して活用に努めること、4)研修の機会(特に校内研修)などを通じて校内の全教師の共通理解を更に深めること、5)家庭や地域社会との連携に学校全体で積極的に取り組むこと、6)週の時間割に道徳の時間を明確に位置付けること、などの諸点について指導を行った。

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