三 教育の研究開発

 新しい時代に対応する教育課程の改善・充実を図るためには、教育内容や教育方法等の研究開発を行う必要がある。昭和四十三年の教育課程の基準の改訂の折、学校教育法施行規則の改正により、教育課程の改善に資する研究のため必要とされ文部大臣が認める場合には、国の定める教育課程の基準によらないことができる制度を設けていたが、これは実践上の問題点も多くなかなか実施には至らなかった。

 一方、四十六年の中央教育審議会の答申は、教育の専門的な水準の向上と実践的な教育方法の開発のための研究推進措置を提言し、これを実施するため四十七年、文部省の初等中等教育局に教育研究開発室が設置され、学校体系の在り方、子供の発達課題、教育方法等について主として理論的な研究を行ってきた。

 こうした状況の中で、教育方法等の実践的研究や教育課程の研究開発のため、五十一年から研究開発学校制度を実施に移すこととした。この制度は、主として学校における教育上の課題や急激な社会の変化・発展に伴って生じた学校教育に対する多様な要請に対応し、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教育課程の改善に資する実証的資料を得るため、文部大臣が定める課題について研究開発を行うものである。

 研究開発のテーマとしては、幼稚園から高等学校までのそれぞれの学校間の連携を深める教育課程の研究開発、高等学校の生徒の能力・適性・進路等に弾力的に対応する教育課程、職業教育の改善充実を図る教育課程等の研究開発などが取り上げられ、毎年二〇数校が文部大臣の指定を受けて、研究を継続してきた。

 また、このほか文部省は毎年多くの教育課程研究指定校をはじめ各教科等の指導に関する研究推進校を設けて、学校における教育方法の改善充実に努めてきた。

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