工業学校規程（抄）（明治三十二年二月二十五日文部省令第八号）

　明治三十二年勅令第二十九号実業学校令第八条及第十三条ニ基キ工業学校規程ヲ定ムルコト左ノ如シ

　工業学校規程

　第一条　工業学校ノ修業年限ハ三箇年トス但一箇年以内延長スルコトヲ得

　第二条　工業学校ノ授業時数ハ実習ヲ除キ毎週二十七時以内トス但実習時数ハ学科ノ種類ニ依リ適宜之ヲ定ムヘシ

　第三条　工業学校ノ学科目ハ修身、読書、作文、数学、物理、化学、図画、体操並ニ実業ニ関スル各学科ノ科目及実習トス但本項科目ノ外地理、歴史、博物、外国語、経済、法規、簿記及其他ノ科目ヲ便宜加設スルコトヲ得

　実業ニ関スル各学科ノ科目ハ左ニ掲クル事項ヨリ選択シ又ハ便宜分合シテ之ヲ定ムヘシ

　十項略

　前項ノ外特種工業ノ為ニハ便宜学科ヲ設クルコトヲ得

　第四条　工業学校ニ入学スル者ノ資格ハ年齢十四年以上学力修業年限四箇年ノ高等小学校卒業又ハ之ト同等以上トス但外国語ヲ試験科目ニ加フルコトヲ得

　第五条　工業学校ニハ予科ヲ附設スルコトヲ得

　第六条　予科ノ修業年限ハ二箇年以内トス

　第七条　予科ノ授業時数ハ毎週三十時以内トス

　第八条　予科ノ学科目ハ修身、読書、習字、作文、算術、地理、歴史、理科、図画、体操トス但外国語ヲ加フルコトヲ得

　第九条　予科ニ入学スル者ノ資格ハ年齢十二年以上学力高等小学校第二学年修了以上ニ於テ之ヲ定ムヘシ

　第十条　工業学校ニハ簡易ノ方法ニ依リ工業ニ必要ナル事項ヲ教授スル為別科ヲ設クルコトヲ得策十一条　工業学校ニ於テ卒業ノ後特ニ工業ニ関スルー科目若クハ数科目ヲ専攻セントスル者ノ為ニ専攻科ヲ置クコトヲ得

　第十二条　専攻科ノ修業年限ハ二箇年以内トス

　第十三条　工業学校ノ学科及徒弟学校ノ学科ヲ一校内ニ併置スルコトヲ得

　第十四条　土地ノ情況ニ依リ本令規定ノ工業学校ノ程度ヨリ更ニ高等ナル工業学校ヲ設置スルコトヲ得

　第十五条－第十九条　略

附則

　第二十条　本令ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス