中学校令施行規則中改正（抄）（昭和六年一月十日文部省令第二号）

　中学校令施行規則左ノ通改正ス

　中学校令施行規則第一章　生徒教養ノ要旨

　第二章　学科及其ノ程度

　第三章　学年、教授日数及式日

　第四章　編制

　第五章　設備

　第六章　設置及廃止

　第七章　入学、休学、退学及懲戒

　第八章　雑則

中学校令施行規則

第一章　生徒教養ノ要旨

　第一条　中学校ニ於テハ中学校令ノ旨趣ニ基キ小学校教育ノ基礎ニ拠リ一層高等ノ程度ニ於テ道徳教育及国民教育ヲ施シ生活上有用ナル普通ノ知能ヲ養ヒ且体育ヲ行フヲ以テ旨トシ特ニ左ノ事項ニ留意シテ其ノ生徒ヲ教養スベシ

　一　教育ニ関スル勅語ノ旨趣ニ基キ学校教育ノ全般ヨリ道徳教育ヲ行ハンコトヲ期シ常ニ生徒ヲ実践躬行ニ導キ殊ニ国民道徳ノ養成ニ意ヲ用ヒ我ガ建国ノ本義ト国体ノ尊厳ナル所以トヲ会得セシメ忠孝ノ大義ヲ明ニシ其ノ信念ヲ鞏固ナラシメンコトヲ期スベシ

　二　独立自主ノ精神ヲ養ヒ勤労ヲ愛好スル習慣ヲ育成シ且協同ヲ尚ビ責任ヲ重ンズルノ観念ヲ涵養センコトニ力ムベシ

　三　専ラ心力ノ啓発ヲ旨トシ徒ニ専門的学術ノ体系ニ泥ムコトナク杜会生活上適切有用ナル知能ヲ養ハンコトヲ期スベシ

　四　生徒ノ身体ヲ強健ナラシムルト共ニ精神ヲ鍛錬シ青年ノ闊達ナル気風ヲ養ハンコトヲ旨トスベシ

第二章　学科及其ノ程度

　第二条　中学校ノ学科目ハ修身、公民科、国語漢文、歴史、地理、外国語、数学、理科、実業、図画、音楽、作業科、体操トス

　第四学年以上ニ在リテハ第一種及第二種ノ課程ヲ編制シ生徒ヲシテ其ノ一課程ヲ選修セシム第一種及第二種ノ課程ハ修身、公民科、国語漢文、歴史、地理、理科、作業科、体操ヲ基本科目トシ第一種課程ニハ基本科目ニ国語漢文、外国語、数学、理科、図画、音楽ノ中適宜ノ数科目及実業ヲ増課シ第二種課程ニハ基本科目ニ国語漢文、数学、理科、図画、音楽ノ中適宜其ノ数科目及外国語ヲ増課シ之ヲ編制スベシ

　前項ノ規定ハ第三学年ヨリ之ヲ適用スルコトヲ得但シ第一種及第二種ノ課程ハ修身、公民科、国語漢文、歴史、地理、数学、理科、作業科、体操ヲ基本科目トシ第一種課程ニハ基本科目ニ国語漢文、外国語、数学、理科、図画、音楽ノ中適宜其ノ数科目及実業ヲ増課シ第二種課程ニハ基本科目ニ国語漢文、数学、理科、図画、音楽ノ中適宜其ノ数科目及外国語ヲ増課シ之ヲ編制スベシ

　特別ノ事情アルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ第一種課程及第二種課程ノ中其ノ一ヲ欠クコトヲ得

　実業ニ於テ農業又ハ工業ヲ課スル場合ニ在リテハ作業科ヲ欠クコトヲ得

　外国語ハ英語、独語、仏語又ハ支那語トス

　第三条　各学年ニ於ケル各学科目ノ毎週教授時数ハ第四学年以上ニ於テ第一種及第二種ノ課程ヲ編制スル場合ニ在リテハ甲号表、第三学年以上ニ於テ第一種及第三種ノ課程ヲ編成スル場合ニ在リテハ乙号表ニ依ルベシ

　学校長ハ必要アルトキハ甲号表又ハ乙号表ノ毎週教授時数ノ合計及各学科目ノ一学年間ニ於ケル教授時数ノ総計ヲ増減セザル範囲内ニ於テ甲号表又ハ乙号表ノ教授時数ヲ変更スルコトヲ得

　甲号表ノ第三学年ニ於ケル音楽ハ之ヲ欠クコトヲ得

　前条第五項ノ規定ニ依リ作業科ヲ欠キタルトキハ其ノ教授時数ハ便宜之ヲ他ノ学科目ニ配当スルコトヲ得

　実業、作業科、図画、音楽等ノ実習及体操ハ甲号表又ハ乙号表ノ教授時数外ニ於テ之ヲ課スルコトヲ得

　甲号表又ハ乙号表ノ教授時数ノ外毎週二時以内ヲ課程外ノ指導ニ充ツルコトヲ得

　(表別掲)

　甲号表

　乙号表

　第四条－第二十一条略

第三章　学年、教授日数及式日

　第二十二条－第二十五条　略

第四章　編制

　第二十六条－第三十条略

第五章　設備

　第三十一条－第三十四条略

第六章　設置及廃止

　第三十五条－第三十七条　略

第七章　入学、休学、退学及懲戒

　第三十八条-第五十一条　略

第八章　雑則

　第五十二条－第五十四条　略

附則

　本令ハ昭和六年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

　以下略