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2部   文教施策の動向と展開
第11章   新たな時代の文教施設を目指して
第2節   教育・研究環境の高度化・多様化の推進
1   新たな教育・研究環境の創造


国立学校施設は、次代を担う豊かな人材を育て、高度化・多様化している教育・研究活動の展開を図っていく上で極めて重要であり、文部省においては、次のような観点により、国立学校施設の整備・充実に努めている(2-11-3 )。


(1) 老朽・狭隘施設の改善整備

我が国の国立学校施設の建物面積は、平成9年5月現在約2,168万uとなっている。これらの建物のうち、改修等が必要とされる建築後20年以上を経過した面積が全体の約52%を占めており(図2-11-4)、老朽化や機能の劣化が進行している。

また、高等教育の進展に伴う大学院生や留学生の増加、各種研究設備の増加・大型化等に伴う施設の狭隘化が進行している。

平成8年7月に閣議決定された科学技術基本計画においては、国立大学等の老朽・狭隘(きょうあい)化した施設を計画的に改善していく必要があると述べられている。

文部省では、施設の老朽・狭隘(きょうあい)化を解消し、高度化・多様化する教育研究にふさわしい機能を備え、人間性、文化性にも配慮したゆとりと潤いのある施設に再生するため、キャンパスの再開発、移転統合、建物の改築・改修等を進めるとともに、施設の耐震点検、耐震補強等を行い、耐震性の確保に努めている。

平成4年度からは 「特別施設整備事業」 【用語解説】の制度を設け、特別施設整備資金の活用も併せて、積極的に教育・研究環境の整備充実を進めている。

また、高度化・多様化する教育・研究に必要なスペースを確保するため 「施設基準面積」の改定 【用語解説】を行っている。


<特別施設整備事業>

特別施設整備事業は、国立学校の土地等の処分により一時的に生じる多額の収入を特別の資金として積み立て、施設の老朽化・狭隘化が特に著しい国立大学の校舎等について、緊急かつ計画的に教育・研究環境の改善充実を図るための事業である。


<「施設基準面積」の改定>

国立学校の施設基準面積は、教育・研究環境の一定の水準を確保するために定められた。この施設基準面積について社会の要請や教育・研究の進展に対応するため、平成6年度より全面的な改定を行っている。

平成6年度:大学(学部・大学院)校舎

7年度:大学附置研究所、附属研究施設 等

8年度:大学(一般教養・共通教育)校舎、高等専門学校校舎 等

9年度:大学(学部・大学院)校舎(留学生対応)、研究者交流施設 等

2-11-3 国立学校施設の整備・充実

2-11-4 国立学校施設経年別保有面積

キャンパスの再開発整備、歴史的施設の保存改修と先端的施設の増築の融合(東京大学工学部一号館)


(2) 大学改革への対応整備

大学を取り巻く環境の変化に対応しつつ、個性豊かで活力にあふれる大学づくりを進めていくため、現在、各大学においては大学改革が進められている。

これらの改革に対応し、大学院の充実、教養部の改組、工科系学部の設置、新構想大学等機構・組織設置に応じた施設整備及び学内lan等の整備を進め、高度な教育・研究活動を積極的に展開するための施設づくりを進めている。

また、高等専門学校については、技術の進歩、産業構造の変化を背景とした社会的要請を受け、専攻科の設置や学科の新設・改組が進められており、これらに伴う施設整備を進めている。

大学院の充実のための整備(京都大学文学研究科・文学部棟)

新構想大学の整備(奈良先端科学技術大学院大学)


(3) 先端医療に対応した大学病院の整備

国立大学の附属病院は、先進医療のパイオニアであるとともに、臨床医学の教育・研究の場、地域における医療の中核としての役割を果たしてきた。

しかしながら、近年の医学の進歩に伴う医療の専門化・高度化及び医用機器の増大、医療制度・社会の変化に伴う患者数の増加によりその施設は狭隘(きょうあい)となり、教育・研究、医療活動、病院の管理運営に支障をきたしている。

また、戦前若しくは昭和30〜40年代に建築された施設が多く、老朽化や機能の劣化が進行している。 これらの老朽・狭隘(きょうあい)化した大学病院を、最新の教育・研究・医療の実態及び進展を踏まえ、21世紀を見通した先進医療を行うことができる病院であるとともに、患者にとって快適な病院に再生するため、16大学において再開発整備を進めている。

附属病院の再開発整備(名古屋大学・新病棟)

附属病院の再開発整備(大阪大学・ホスピタルパーク)


(4) 独創的・先端的な学術研究の基盤整備等
(ア) 学術研究の基盤整備

我が国が世界に貢献し、国際的な責任を果たしていくためには、国際的評価に耐え得るような基礎的研究を推進するとともに、学術研究の新たな展開及び発展に積極的に貢献していくことが強く期待されている。

これらの基盤となる施設として、基礎研究推進のための施設、最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点(COE)施設及び一定期間集中的に共同研究を行うための施設について整備を進めている。 また、ベンチャー・ビジネスの萌芽(ほうが)となる独創的な研究開発の推進や、地場産業など地域の産業界との緊密な連携が求められている。

これらの基盤施設として、研究開発の推進と創造的な人材養成を目的としたベンチャー・ビジネス・ラボラトリー、地域産業界との共同研究を進めるための地域共同研究センターの整備を進めている。

学術研究の基盤整備(東北大学ベンチャービジネスラボラトリー)

国際交流関係施設の整備(北海道大学留学生センター)


(イ) 国際交流関係施設の整備

我が国の国際交流促進の観点から、外国人留学生や外国人研究者の増加に対応できるよう、国際交流会館等の整備を着実に進めている。


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