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2部   文教施策の動向と展開
第10章   情報化の進展と教育・学術・文化・スポーツ
第2節   マルチメディア時代に向けた教育分野での取組
2   マルチメディアの高等教育への活用と専門的人材の育成



(1) マルチメディアの高等教育への活用

高等教育においては、教育内容・方法の改善・充実をはじめとする様々な改革を進めているが( 第4章第2節参照)、その一環として、各種のメディアを活用する取組が始められている。


(ア) 各高等教育機関における取組

通信衛星や光ファイバー等により、テレビ会議の形式による遠隔教育が可能になってきた。その仕組みを利用して、複数の大学の間でシンポジウムや合同授業を行ったり、分散キャンパスの間で、学部を超えて共通科目の授業を行うなどの取組が見られる。また、インターネットにより、情報を収集したり、電子メールによる情報のやり取りを行うところが増えている。さらに、各種のメディアを語学教育等において活用したり、コンピューター・シミュレーション等を取り入れるところも増えている。


(イ) マルチメディアを活用した21世紀の高等教育の在り方について

こうした状況を踏まえ、平成8年1月、「マルチメディアを活用した21世紀の高等教育の在り方に関する懇談会」を開催し、マルチメディアの活用に関して、

1) 基盤となるハードの整備、
2) 活用への取組を支援する環境の整備、
3) 中核的機関の整備、
4) 制度の見直し、

について、同年7月に報告を取りまとめた。


(ウ) 活用を促進するための取組

文部省では、大学や高等専門学校等を通信衛星で結ぶことにより、交換授業等の遠隔教育を行う「スペース・コラボレーション・システム事業(衛星通信大学間ネットワーク構築事業)」を平成8年10月から実施している(2-10-1 )。

また、1)今後のマルチメディア時代における新しい高等教育システム・教育方法の開発、2)マルチメディア分野の研究者や技術者の養成、3)マルチメディアの先端的研究等、についてパイロット的な役割を果たすことを目的として、モデル大学を設定し、多様なマルチメディア設備を集中的に導入したパイロット事業を始めている(2-10-2 )。

このほかにも、私学助成において、学内LANの整備の推進をはじめ、私立大学における高度情報化への各種の取組に対する支援を行っている(2-10-3 )。

また、平成9年4月に、スペース・コラボレーション・システム事業の回線制御などのシステムの管理を行うほか、各種メディアを利用した教材の開発を行うなど、メディアの教育利用に関するノウハウやデータを蓄積してきた放送教育開発センターを、高等教育機関におけるマルチメディアの活用を促進する中核的機関であるメディア教育開発センターに改組した。

さらに、(イ)の懇談会報告を踏まえ、大学審議会においては、マルチメディアを活用した遠隔授業の単位認定を可能とする制度の整備について審議を行い、平成9年9月、「マルチメディア教育部会における審議の概要」を報告した。


(2) 情報技術者の養成

情報化の進展の中で高等教育が果たすべき役割は、情報化社会を支える高度の情報技術者・研究者の養成である。高度の情報技術者に対するニーズは年々高まっており、今後のマルチメディア社会の到来に備えるためにも、高度の技術者の養成、情報処理教育の質的充実を積極的に進めていくことが必要である。特に、情報通信関係の分野は、技術革新が急速であることから、リフレッシュ教育に対するニーズが高く、大学院等における現職技術者の受入れを推進することが重要となっている。

また、現代社会では、あらゆる職業において情報活用能力が要求されるようになってきていることから、すべての学生が情報を処理・活用できる能力を身に付けることを目指して、一般情報処理教育の充実を図っている。


(ア) 大学・高等専門学校の整備

今後必要とされる高度の専門的知識を有した技術者や研究者を育成するためには、特に大学院に重点を置いた整備が重要である。平成9年度においては、北見工業大学工学研究科等の整備を行った。 大学・高等専門学校の情報関連の学科等の整備に関しては、平成9年度では、15大学21学部において学科の改組を行うほか、津山、宇部、佐世保の3高等専門学校において専攻科を設置するなど積極的に取り組んでいる。

また、高等専門学校においては、教育研究情報の迅速な流通と、情報社会を担う人材養成環境を整備するという観点から、平成7年度中に、すべての国立高等専門学校に校内lanを整備した。 さらに、情報関係のリフレッシュ教育に関しても、先端科学技術大学院大学(北陸、奈良)等で、社会人の受入れを行っている。


(イ) カリキュラムの開発及び教員の資質能力の向上

文部省では、平成6年度までに、情報システム学等における標準カリキュラム開発のための調査研究を進めてきたが、7、8年度においては、工学系学部の専門基礎としての情報処理教育について、標準カリキュラム開発のための調査研究を実施した。

また、一般情報処理教育の担当教員を対象とした情報処理教育研究集会や高等専門学校の教員を対象とした講習会を開催するとともに、内地研究員の派遣(平成4年度より、民間企業への派遣も可能)を行うなど、教員の資質向上に努めている。

2-10-1 スペース・コラボレーション・システム事業(イメージ図)

2-10-2 マルチメディア・ユニバーシティ・パイロット事業(イメージ図)

2-10-3 私立大学等における高度情報化への支援


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