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2部   文教施策の動向と展開
第10章   情報化の進展と教育・学術・文化・スポーツ
第2節   マルチメディア時代に向けた教育分野での取組
1   初等中等教育における情報化への対応


今後一層の進展が予想される社会の情報化への対応は、これからの学校教育の重要な課題である。高度に情報化した社会に生きる児童生徒に必要な資質を養成するとともに、情報手段の活用により学校教育の活性化を図るという観点に立ち、情報化への対応を進めていく必要がある。

平成8年7月の中央教育審議会第一次答申においては、

1) 情報教育の体系的な実施、
2) 情報機器、情報通信ネットワークの活用による学校教育の質的改善、
3) 高度情報通信社会に対応する「新しい学校」の構築、
4) 情報化の「影」の部分への対応等、

情報化の進展に対応した教育について様々な提言がなされている。これを受けて、同年10月に「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」を開催し、各学校段階を通じた系統的・体系的な情報教育の在り方等について専門家による検討を開始した。このうち、情報教育の内容に関する検討成果は、次期の教育課程の基準の改訂に向けた教育課程審議会の審議に生かされることになる。

初等中等教育における情報活用能力の育成について、現行の学習指導要領においては、次のとおり充実を図っている。

1) 中学校で、数学、理科においてコンピュータに関する内容の充実を図るとともに、技術・家庭に「情報基礎」領域を設けた。
2) 高等学校で、数学、理科においてコンピュータに関する内容の充実を図るとともに、普通科においても「情報」などの教科・科目を設けられるようにした。また、職業学科においては商業、工業において情報処理教育を充実するとともに、家庭、農業、水産、看護においても情報に関する科目を取り入れた。
3) 小・中・高等学校を通じて、各教科等の学習指導に当たって、コンピュータ等の適切な活用を図ることとした。

文部省ではこのような学習指導要領の円滑な実施をはじめ、情報化に対応した教育の一層の充実を図るため、次のような施策を進めている。


(1) 教育用コンピュータ及びソフトウエアの整備・充実

平成6年度からおおむね6年間で、公立学校における教育用コンピュータの整備目標を、小学校で22台(児童2人に1台)、中学校で42台(生徒1人に1台)、普通科高等学校で42台(生徒1人に1台)、特殊教育諸学校で8台(児童生徒1人に1台)としてその整備を図ることとし、これに必要な経費について地方交付税により措置されている(2-10-1 )。

また、学校におけるソフトウエアの整備に要する経費についても平成2年度から地方交付税により措置されているが、文部省としても、より実際の教育に即した学習用ソフトウエアを開発し、コンピュータ活用の促進に資するため、6年度から、情報処理技術者等が参画する教育委員会や、民間の研究開発グループに「学習用ソフトウエア研究開発事業」を委託している(9年度は20グループに委託)。

さらに、国立教育会館において、平成7年度から地方公共団体が設置する教育用ソフトウェアライブラリセンターの中核的機能を果たすため、「ソフトウェアライブラリ総合センター」を開設し、教育用ソフトウェアの収集展示及び試用に供するとともに、教育用ソフトウェア関係データベースの構築、教育情報アドバイザーによる相談体制を整備している。

2-10-1 公立学校へのコンピュータの設置状況


(2) 教員研修の充実

情報化の進展に対応した教育を推進するためには教員の指導力の向上が不可欠であるが、コンピュータを学習指導等に活用できる教員は全教員のわずか19.7%である(平成9年3月現在、文部省調べ)。このため地方公共団体の取組とともに、文部省としても研修等を行い教員の指導力の向上に努めている(2-10-2 )。

2-10-2 情報教育に関する研修等


(3) 高等学校における情報技術者の養成

高等学校における情報技術者の養成は、主として工業の情報技術科、商業の情報処理科等の学科において行われ、産業社会における急速な情報化の進展に対応した特色ある学科の設置が進められている(2-10-3 )。

2-10-3 高等学校における情報関連学科数及び生徒数


(4) 情報通信ネットワーク環境の整備と実践研究

平成9年度から、教育センター等を、広域的に学校をつなぐ情報通信ネットワークの拠点として整備し、学校が教育センターを通じてインターネットに接続できるよう環境を整えるとともに、こうしたインターネットの教育利用に関して、その効果的な活用や様々な課題について実践的な研究を行う事業を実施している。

また、平成7年度から、近年の情報通信基盤の急速な進展に対応して、へき地や離島等の学校と都市部の学校等とを、光ファイバーや通信衛星によって接続し、双方が一体となった授業等を行うために必要な設備の導入と効果的な活用方法の研究開発を実施している。9年度においては、新たに病院内の学級とその学級を設置している学校とを接続する事業を実施している。

国立教育会館においては、平成7年度から、総合的な教育関係情報提供システムの構築を図るための検討を行っている。また、都道府県等で実施する教員研修事業に高度情報通信ネットワークを活用することは、極めて有効な手段と考えられることから、衛星通信を活用した研修支援の実践研究を行っている。

このほか、(財)コンピュータ教育開発センター(文部省と通産省の共管法人)が実施しているネットワークを利用した教育実践事業(通称:100校プロジェクト)やNTTを中心とする民間企業による推進協議会が、約1,000校の小・中・高等学校等にインターネット接続の支援を行う「こねっと・プラン」の中で取り組まれているインターネット利用に関する様々な実践研究に協力している。

コンピュータを使って学ぶ児童たち


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