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2部   文教施策の動向と展開
第8章   文化立国を目指して
第4節   文化財を後世に伝えるために
4   文化財登録制度の推進


近年、近代の多様かつ大量の文化財について、その歴史的重要性の認識が定まりつつあり、他方では開発の進展、生活様式の変化等により、これら貴重な国民的財産である文化財が社会的評価を受ける間もなく、消滅の危機にさらされているという状況にある。

このため、平成8年6月に、文化財の保護手法の多様化を図るため、文化財保護法の一部を改正し、従来の指定制度を補完するものとして、より緩やかな保護措置を内容とする文化財登録制度を有形文化財のうち建造物について導入し、同年10月から施行した。

登録制度は、建造物のうち国及び地方公共団体の指定文化財以外のものを対象とし、その文化財としての価値に鑑み、保存及び活用のための措置が特に必要とされるものについて、文化財保護審議会の答申を得て、文部大臣が文化財登録原簿に登録する制度である。登録された建造物の所有者には、滅失・毀損した場合や現状変更をしようとする場合等の届出が必要となる。文化庁長官は、現状変更の届出があった場合に、必要な指導又は勧告をすることができる。このように、文化財登録制度は、所有者の協力を得ながら適切な保存と活用を図ろうとするものである。

登録された建造物を今までどおり使用したり、事業資産や観光資源に利用することもでき、外観を大きく変更しなければ、内部改装し、例えばホテルやレストラン、資料館などとして活用することができる。地域の活性化のために積極的に活用しながら、文化財を緩やかに守ってゆくという制度である。

また、支援措置に関しては、税制面において、登録された建造物については市町村の実情に応じ固定資産税の軽減がなされる場合があり、登録された建造物の敷地については地価税が軽減される。

金融面の支援措置においては、登録された建造物の活用と整備を行うための必要な資金について日本開発銀行等から低利で融資を受けることが可能となっている。

補助金については、登録された建造物について、保存修理事業を行う所有者に対し、その設計監理費の一部を補助することとしている。

平成8年12月に、「小岩井農場本部事務所」(岩手県雫石町)、「東京大学大講堂(安田講堂)」(東京都文京区)、「神奈川県庁本庁舎」(神奈川県横浜市)、「南座(みなみざ)」(京都府京都市)など、118件の建造物が初めて文化財登録原簿に登録され、9年8月現在、計298件の建造物が登録されている。


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