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2部   文教施策の動向と展開
第8章   文化立国を目指して
第4節   文化財を後世に伝えるために
3   史跡・名勝・天然記念物の保護・整備



(1) 指定

文化財保護法上、貝塚・古墳・城跡等の遺跡、庭園・渓谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質鉱物等のうち、歴史上、学術上、芸術上又は観賞上価値の高いものを総称して記念物という。国は、記念物のうち重要なものをそれぞれ史跡、名勝、天然記念物に指定し、そのうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物に指定し、その保護を図っている。

現在、史跡は新発見の遺跡、中世の城郭及び産業・交通関係の遺跡を中心に、名勝は庭園を中心に、天然記念物は動植物及び地質鉱物の全国実態調査により保存すべきであるとされたものなどを中心に指定を進めている。また、明治以降の近代の遺跡については、平成7年1月の「近代の文化遺産の保存・活用に関する調査研究協力者会議」の報告を受けて、近代遺跡の全国的な所在調査を8年度から実施している。同調査の結果に基づいて、史跡に指定して保存する必要があるものについて、指定を行っていくこととしている。


(2) 史跡等の保存

史跡等に指定された地域等については、現状を変更し、あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合、文化財保護法により、文化庁長官の許可を要することとされている。文化財保護と開発事業等との調整が困難である場合には、国庫補助により対象の土地等を公有化することによって、史跡等の保護を図るとともに、所有者の経済的損失の実質的な補(ほ填てん)に配慮している。


(3) 史跡等の整備・公開

国は、史跡等を将来にわたって保存するとともに広く活用を図るため、国庫補助によりその整備を行っている。文化庁では、新たな観点からの史跡の活用整備を図るため、ふるさとの歴史や文化と触れ合う場として歴史的建造物等の復元、ガイダンス施設等の建設を行う「ふるさと歴史の広場(史跡等活用特別事業)」を実施している。平成9年度からは、地方の拠点となる遺跡等を概観できるように、復元的整備、学習施設等の総合的、複合的な整備を行う「歴史ロマン再生事業」(地方拠点史跡等総合整備事業)を実施している。

また、我が国の歴史を理解する上で重要な道や水路等のいわゆる「歴史の道」については、毎年5月を中心に全国各地で、歴史の道を歩き周辺の史跡等の文化財に親しむ「歩き・み・ふれる歴史の道事業」を文化庁の主唱で行っており、平成7年度からは中央大会も実施している(9年度は静岡県で実施)。8年度からは、「歴史の道」を、地域の文化財をつなぐネットワークとして交通関連遺跡等と一体的に整備・活用する「歴史の道整備活用推進事業」を実施している。

天然記念物については、野外観察施設や学習施設を設置し、その有効活用を図る「天然記念物整備活用事業」を実施している。平成9年度には天然記念物「杉沢の沢スギ」(富山県入善町)について整備が完了し、活用が始まったほか、「長走風穴高山植物群落(ながばしりふうけっこうざんしょくぶつぐんらく)」(秋田県大館市)等5件の整備が進んでいる。

天然記念物三春滝(みはるたき)ザクラ(福島県)


(4) 埋蔵文化財の保護

近年、開発事業等に伴う埋蔵文化財の発掘件数が急増していることを背景として、平成6年度から文化庁において調査研究委員会を開催し、発掘調査体制の整備充実に関する調査研究を行っている。7年12月には、国・都道府県・市町村の適切な役割分担とその連携強化等による体制整備を内容とする「埋蔵文化財保護体制の整備充実について」の報告を取りまとめた。文化庁ではこれを受け、8年10月に都道府県教育委員会に対し、「埋蔵文化財保護と発掘調査の円滑化等について」の通知を行った。また、同委員会は、9年2月に「出土品の取扱いについて」の報告を取りまとめた。

なお、埋蔵文化財の保護に関する新たな事業として、新たに発掘された出土文化財を全国で巡回展示する「発見された日本列島(新発見考古速報展)」を平成7年度から実施している。また、埋蔵文化財の調査及び出土文化財等の整理・収蔵・展示等を行う「埋蔵文化財センター」の建設に対する国庫補助事業を実施している。

史跡ナガレ山古墳(奈良県)


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