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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第4節   高等教育の高度化・個性化・活性化のために
8   医療人の育成



(1) 21世紀医学・医療懇談会

文部省では、21世紀における我が国の医学・医療の姿を見据え、新しい時代に対応した教育・研究・診療の進展を図る上で必要な諸方策について検討するため、平成7年11月より「21世紀医学・医療懇談会」を開催し、8年6月には第一次報告「21世紀の命と健康を守る医療人の育成を目指して」が取りまとめられた。第一次報告においては、これからの医療人育成の理想像を示しながら、当面、現行制度内で実施可能な様々な改善方策について触れており、この報告を踏まえて、現在各大学においては、入学者選抜や学部教育の改善を検討している。

また、平成9年2月には第二次報告「21世紀に向けた介護関係人材育成の在り方について」が公表され、今後の高齢化社会に対応した、円滑な介護サービスが提供されるために必要となる人材の育成方針について示している。第二次報告の概略は以下のとおりである。


(ア) 介護関係人材育成の視点
1) 専門的知識・技術と豊かな人間性を兼ね備えた資質の高い人材の育成
2) 福祉、医療、保健が連携した総合的なチームケアの推進
3) 介護・福祉についての認識の高揚

(イ) 介護関係人材育成の在り方-専門教育の充実と連携の強化-
1) 専門教育の充実
2) 福祉・医療・保健に関する職種間の連携の強化
3) 地域の実情に即した介護関係人材育成にかかわる調査研究の実施

(ウ) 福祉に関する教育、ボランティア活動、健康教育の推進

文部省としては、本報告を受けて、関係者とも連携を取りつつ、介護関係人材育成に積極的に取り組むとともに、各大学等における、具体的改善方策の実施が期待されている。

さらに、平成9年7月には第三次報告「21世紀に向けた大学病院の在り方について」が公表され、大学病院における医療提供、臨床医学研究、医療従事者について時代の変化に対応した在り方について提言している。第三次報告の概略は以下のとおりである。

1) 大学病院を「教育病院」として位置付け、これに対応した条件の整備
2) 医師、歯科医師の卒前教育や卒後臨床研修はもとより、看護婦(士)、保健婦(士)、薬剤師、臨床放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士などのコ・メディカル・スタッフの研修・実習の充実
3) 患者本位の医療の一層の推進

同懇談会では、引き続き、医療系大学院の在り方や将来の医師の需給関係なども踏まえながら、広く医療・福祉関係の人材育成の在り方についても検討することとしている。


(2) 医療人育成施策の現状と方向性

急激な高齢化や医学・医療の高度化が進む中、資質の高い医療関係職種の育成・確保が社会的に求められている。こうした社会的要請にこたえるため、政府においては、学校教育での育成を所掌する文部省と、国家試験及び生涯研修等を所掌する厚生省とが連携して医療人育成施策を推進していく体制を整えている。

1) 医師の卒後臨床研修について

文部省、厚生省、関係者による協議会を平成9年3月に設置した。学部教育から生涯学習まで医師の育成課程全体の中での在るべき卒後臨床研修の姿を考え、今後卒後臨床研修の充実に向けて取り組むべき方向などについて定期的に検討している。

2) 歯科医師の卒後臨床研修について

平成9年4月の国家試験合格者から免許取得後1年以上の臨床研修が努力義務化された。卒後臨床研修の円滑な実施等について関係者と連携して推進している。

3)薬学教育の改善について

文部省、厚生省、関係者による協議会を平成8年8月に設置し、病院等における実務実習体制の整備方策や生涯研修の充実方策など薬剤師の育成過程全体を見通した改善・充実の在り方について定期的に検討している。

4) 看護婦(士)の育成について

看護婦(士)の育成においては、今後の高齢化の進展、在宅医療の拡大等における看護需要増を考慮した量的確保とともに、高度化するニーズにこたえられる質的向上が重要である。

文部省においては、看護系大学、大学院の設置、整備を推進し、質的にも量的にも看護婦(士)の育成充実を図っている。

今後、これらの連携を更に進めるとともに、広く少子高齢化社会に対応していくため、医療・福祉職全般の育成方策について連携して推進していく体制を整えることとしている。


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