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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第4節   高等教育の高度化・個性化・活性化のために
7   理工系人材の養成



(1) 創造的な理工系人材の育成に向けて

我が国が今後とも活力ある社会を維持し、世界に積極的に貢献していくためには、欧米へのキャッチアップ型社会から脱却し、先導性や独創性を一層発揮する方向へ転換を図ることが必要であり、これからの科学技術を支える、創造性豊かな理工系人材の育成が求められている。

このため文部省では、平成6年7月に大学の理工系分野の魅力向上と情報発信に関する報告書を、また、8年3月には、大学の理工系分野における創造的人材育成に関する報告書をとりまとめた。

文部省ではこれらの報告を受けて、平成9年度においては、

1) 大学・高等専門学校における学生の創造性を育成するための様々な試み(創造教育プログラム)の開発・実施の支援、
2) 大学及び高等専門学校の工学系分野における創造教育の実践事例集の作成・配付
3) 教育設備のハイテク化・高度化

等の施策を8年度に引き続き進めている。

また、近年のいわゆる「理工系離れ」に対応し、大学の理工系分野の魅力を、青少年をはじめとする社会の各方面に対して積極的に情報発信していくため、大学・高等専門学校において、青少年が科学実験やもの作り、セミナーを通して理工系の魅力に触れることができるイベントを開催する、いわゆる「体験入学授業」の推進や大学教員等の希望者が、博物館等の依頼に応じ講演や解説を行う「サイエンス・ボランティア」の登録名簿の作成・提供事業等を実施している。


(2) 大学院に重点を置いた人材の育成

近年の急速な技術革新、産業構造の変化に伴い、これまで以上に先端科学技術の分野を中心に、独創的で高度な教育研究の推進が求められており、今後は、特に、大学院に重点を置いて人材の養成に努めていくことが重要である。理工系の大学院については、特に国立大学が大きな役割を果たしており、平成9年度においても1大学で1研究科を、また19大学で29専攻を新たに設置した。

大学院における理工系教育に関しては、修士課程では入学者数が入学定員を上回っているのに対し、博士課程では定員に満たない状況が続いているが、定員充足率は特に国立大学を中心に年々改善されつつある。そのほか、大学の教育研究環境の飛躍的な整備充実、大学院学生の処遇の一層の改善にも努めていくこととしている。


(3) 理工系教育の改善・充実

現在進行中の大学改革においても、理工系の学部について一般教育と専門教育を有機的に関連させた教育課程を編成したり、総合的な判断力、ものの見方を養う学際的、総合的科目を開設するなどの改善が行われている。

また文部省では、科学技術の高度化、学際化に対応した教育研究体制を整備するため、国立大学の学部・学科の整備を進めており、平成9年度においては、弘前大学に理工学部及び農学生命科学部、香川大学に工学部を設置したほか、16大学において学科の改組を行った。今後も、社会のニーズを的確に把握し、それに対応した人材の養成に努めることとしている。


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