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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第4節   高等教育の高度化・個性化・活性化のために
1   国立大学の整備充実



(1) 教育研究環境の改善

国立大学における教育研究は、今日の我が国の繁栄の基礎であり、教育研究費や設備等の教育研究条件の改善充実は緊急かつ重要な課題である。文部省としては、その整備充実に重点を置いて予算の措置に努めている。平成9年度は以下のような措置をした。


(ア) 教育研究費関係
1) 基幹的教育研究経費である学生当たり・教官当たり積算校費について単価改定を含む増額
2) 教育研究の活性化を図るため、教員の流動性を高め、優秀な人材を確保・養成するために研究費等を重点的に支援する「教育研究活性化推進経費」の新規措置
3) 大学改革の推進等を支援するための「大学改革推進等経費」及び「教育改善推進費(学長裁量経費)」の充実
4) ベンチャー・ビジネスの萌芽(ほうが)ともなるべき独創的な研究開発等を推進するとともに、優れた教育研究実績を上げている大学院の教育研究条件の整備やティーチング・アシスタント制度に必要な経費である「大学院創造性開発推進経費」の増額

(イ) 設備費関係
1) 技術革新の著しい学部実験実習教育設備を重点的に整備するための「学部教育ハイテク設備費」の増額
2) 優れた教育研究実績を上げている大学院研究科に対する「大学院最先端設備費」の増額

(2) 教育研究組織の整備充実

文部省では、教育研究組織の整備充実を図っているが、平成9年度は以下のような措置をした。


(ア) 学部の改組等

学部については、教養教育と専門教育との有機的関連性に配慮した教育を全学的に実施するために教養部等の改組を実施し、弘前大学に理工学部及び農学生命科学部(理学部及び農学部を改組)、横浜国立大学に教育人間科学部(教育学部を改組)、長崎大学に環境科学部を設置した(以上平成9年10月)ほか、熊本大学、鹿児島大学及び琉球大学については、学部の改組・充実を図った。また、帯広畜産大学ほか7大学では、一般教育の改革に伴う整備を行った。

学部の学科については、社会的要請の強い分野における教育研究体制の充実を図るため、看護学科、保健学科等を新設した。

また、学問の進展や時代の変化に対応し、工学等の分野を中心に、22大学で135学科の改組を図ったほか、教員養成の分野についても、引き続き教員以外の職業分野への進出を想定した課程への転換を行った。

このほか、生涯学習社会への対応等の観点から、第3年次編入学定員を325人増員した。


(イ) 短期大学部の転換

近年の教育需要の高度化等社会状況の変化に伴い、長崎大学商科短期大学部を経済学部の主として夜間に授業を行う履修コースへ発展的に転換した。また、名古屋大学及び三重大学医療技術短期大学部を、それぞれ医学部保健学科及び看護学科へ発展的に転換した(以上平成9年10月)。


(ウ) 附属病院の整備充実

大学附属病院の整備については、看護婦等の増員を重点的に図るとともに、病理部などの社会的要請の強い分野について診療組織の整備等を行った。


(3) 大学院の充実

今日、我が国に対して、学術研究の推進を通じて国際的に貢献することや、これを支える優れた研究者を養成することが強く求められるようになっている。また、急速な技術革新や社会・経済の高度化・複雑化等に伴い、高度な専門的知識・能力を持つ人材の養成、社会人の再教育等の需要も大きくなってきている。これらのニーズにこたえる上で、大学院の重要性が増大しており、その整備充実は大きな政策課題となっている。

このような観点から、文部省では、平成3年に大学院制度面で弾力化を図るなど必要な改正を行うとともに、予算面においても大学院の充実と教育研究の一層の高度化を図っている。

国立大学の大学院については、学術研究の動向や社会的要請に対応して、先端的・学際的分野等の教育研究を推進するため、学部とは独立の組織としての大学院の整備をはじめ、留学生の受入体制の整備、活発な研究を行っている学外の研究所等との組織的連携の推進等を図っている。

平成9年度は、政策研究大学院大学を創設するほか、社会文化システム研究科、総合人間科学研究科、先導科学研究科など6大学に6研究科を設置する。また、スポーツ健康科学専攻、エネルギー環境科学専攻、複合領域科学専攻、分子生命機能科学専攻など29大学に42専攻を設置する。さらに、東北大学、神戸大学などの大学院では、理工系分野の教育研究を中心にして、民間の研究所等との連携体制の一層の整備を図る。


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