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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第2節   進む高等教育改革
5   教育・研究組織の活性化



(1) 選択的任期制の導入

大学において、異なる経験や発想を持つ多様な教員が交流し、相互に学問的刺激を与え合うことは、教員の能力を向上させ、教育研究の活性化を図る上で有効である。このため、各大学においては、教員の流動性を高めるため、採用方法の改善などの取組が行われている。

こうした流動性を高める方策の一つとして、大学審議会は、平成8年10月の答申「大学教員の任期制について」において、各大学の判断により教員に任期を定めることができることとする選択的任期制の導入を提言した。これを踏まえて、9年6月に「大学の教員等の任期に関する法律」が成立した。

各大学においては、任期制の導入を含めて、教員の流動性向上に向けた一層の取組が期待される。


(2) 教員採用の改善

従来、大学における教員人事については、同一大学出身者が多いこと、大学間あるいは社会と大学との人事交流が乏しいことなどからその閉鎖性が指摘されていた。これを受けて、大学審議会において、教員の採用の在り方に関し検討が行われ、平成6年6月に「教員採用の改善について」の答申を得、各大学において教員採用の改善が図られている。

教員の採用方法について、他大学等への推薦の依頼や、学会誌や新聞への掲載により広く人材を募ることで、人事の流動性を高め、優れた教員を確保するため、公募制をとる大学が増えている。また、多様な経歴・経験を持つ優れた人材を確保するため、社会人や外国人の採用を促進し、国立試験研究機関、民間企業の研究者をはじめとする大学外の人材が積極的に登用されている。


(3) 点検・評価の実施

各大学における改革を実効あるものとして推進していくためには、教育研究の現状を不断に点検・評価し、その結果を新たな改革へとつなげていく努力が不可欠である。このため、平成3年の大学設置基準の改正に際しては、教育課程編成等に関する基準の大綱化と併せて、自己点検・評価に関する努力義務規定を盛り込んだ。

各大学においては、自己点検・評価の取組が急速に進み、既に8割以上の大学で点検・評価がなされるとともに、結果を公表する大学も半数以上に上っている(1-3-7参照 )。その内容も、教育研究活動全般について包括的な点検・評価を行ったものだけでなく、教員の業績を中心に点検・評価を行ったもの、カリキュラム改革、学生生活、リフレッシュ教育等の個別のテーマごとに点検・評価を実施したものなど、多様な内容が見られるようになっている。

また、外部の第三者による評価を導入する大学も着実に増加し、平成8年10月までに45大学で実施され、そのうち27大学で結果が公表されている。

各大学においては、点検・評価の必要性が認識され、その実施体制も定着してきている。今後は、点検・評価の結果の十分な活用、すなわち、点検・評価を通じて明らかになった点はもちろんのこと、公表した結果に対する学外からの反響等も考慮して、更なる改善の方策について積極的な検討を行い、新たな改革に向けた取組を推進していくことが求められている。


(4) 組織運営の円滑化

平成7年9月の大学審議会答申「大学運営の円滑化について」においては、大学の組織運営を円滑化・活性化するため、

1) 学長・学部長等のリーダーシップの発揮と教授会の円滑な運営のための条件整備、
2) 事務組織の機能の強化、
3) 大学情報の積極的な発信・提供、
4) 地域の学外者等の意見の大学運営への反映

等について提言がなされている。

この答申を受け、文部省では、平成7年12月に学校教育法施行規則を改正し、教授会の審議を円滑化する観点から、各大学の判断により、教授会の委任に基づき審議・議決を行う「代議員会」等を置くことができることを明確化した。今後、各大学において、答申の内容に基づき、代議員会等を積極的に活用しつつ、組織運営の活性化に向けた主体的な取組が進められることが期待される。


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