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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第2節   進む高等教育改革
3   大学院の充実と改革



(1) 大学院の現状

大学院は、基礎研究を中心として学術研究を推進するとともに、研究者及び高度の専門的能力を有する人材を養成するという役割を担っている。

我が国の大学院の状況としては、国公私全体では586大学のうち約7割の420大学(平成9年度現在)に大学院が置かれており、学生数については、国公私全体で17万1,547人(9年5月現在)が大学院に在籍している。今後更に大学院学生は増える傾向にある。

大学院に対する期待は、近年の学術研究の進展や、急速な技術革新、社会・経済の高度化・複雑化の変化に伴い、ますます大きなものとなっている。これらの時代の要請にこたえ学術研究の新しい流れに対応するためには、大学院の質・量両面にわたる飛躍的な整備充実が最大の課題となっている。

このため、各大学院がそれぞれの目的に即し、多様な形で教育研究の一層の高度化・活性化が図られるよう、課程の目的、組織編成、教育方法・形態等について大学院制度の弾力化が図られるとともに、時代の要請にこたえ得る大学院として、先端的、学際的分野を中心とした研究科等が新設されてきている。


(2) 進む制度の弾力化

大学院制度については、これまでに課程の目的、入学資格、修業年限、教育方法等の諸点にわたって弾力化が図られてきている。

このうち、入学資格や修業年限の弾力化について、その適用状況を見ると、大学院を修業年限(修士2年、博士5年)未満で修了した者は、平成7年度において博士223人、修士67人、学部3年次修了後、大学院に進学した者は、8年度において224人である。また、学部卒業後、2年以上の研究歴によって修士課程を経ずに博士後期課程に入学した者は、8年度において196人となっている。なお、6年度における大学院の学位授与総数は、修士が4万2,015件、博士が1万3,044件となっている。


(3) 多様な形態の大学院

大学院の組織形態については、

1) 学部の教育研究組織を母体とする一般研究科・専攻、
2) 学部横断的な、あるいは学際的な教育研究を行う研究科(独立研究科・専攻)、
3) 学部を置かない大学院のみの大学(独立大学院)、
4) 複数の大学が連携して組織する研究科(連合大学院)、
5) 学外の研究所等と連携する研究科(連携大学院)

などがあり、多様化している。


(4) 大学院及び学生に対する支援

文部省では、大学院に対する支援として、教育研究の高度化を重点的に推進するための高度化推進特別経費や、教育研究条件の飛躍的充実を図るための大学院最先端設備費などの予算措置の充実を図っている。また、学生に対する支援については、優れた大学院学生が安心して進学できる環境の整備のため、研究奨励金を支給する日本学術振興会特別研究員制度や、日本育英会育英奨学事業、ティーチング・アシスタント(ta)経費、リサーチ・アシスタント(ra)経費の充実などに努めている。


(5) 留学生の受入れの促進

平成8年5月現在1万9,779人の留学生が大学院で学んでいるが、大学院における留学生受入れ体制の整備は、我が国の国際社会への貢献として、教育の国際交流を一層促進するためにも、重要課題となっている。

このため、日本語教育の充実、外国語による指導などの留学生に対する教育・研究指導の充実や、国立大学において、留学生を多く受け入れている研究科等への教官配置など、留学生受入れ体制の整備を促進している。


(6) 社会人の受入れの促進

平成8年度における社会人の大学院への入学者数は、修士課程が3,742人、博士課程が1,575人であり、増加する傾向にある。

各大学院では、社会人の受入れを促進するために、

1) 社会人を対象とした特別選抜制度の導入、
2) 科目等履修生の制度の活用、
3) 昼夜開講制の採用や夜間大学院の設置、

などの弾力化された大学院制度の活用を図りつつ、いろいろな試みが実施されている。


(7) 大学院修了者の進路

大学院修了者の進路状況(平成8年3月)を見ると、修士課程の主な就職先では、製造業50.4%、サービス業(教育分野を含む)24.8%、公務6.5%などであり、博士課程の主な就職先は、サービス業73.7%、製造業14.4%、公務5.0%などとなっている。

修士課程修了者に対する人材需要は理工系を中心に高いが、人文系や博士課程修了者に対する人材需要は近年増えてきているものの、依然として十分とは言えない状況にある。これは、なお大学院教育を受けたことが社会的に十分評価されていないことのほか、大学院において社会的需要に適切にこたえ得る魅力ある教育内容等が必ずしも十分でないことも原因であると考えられ、各大学院には教育機能の一層の質的充実に努めることが求められている。

資源の乏しい我が国が、国際社会において、将来にわたる発展を可能にしていくためには、大学院修了者が社会の多様な分野で、適切な評価と待遇を受けつつ活躍できるよう、大学院の整備充実を推進していく必要がある。


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