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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初頭中等教育の一層の充実のために
第4節   魅力ある高等学校づくりと中高一貫教育の導入
1   高等学校教育の個性化・多様化を進めるために



(1) 改革の基本的方向

今日、高等学校への進学率は約97%に達し、生徒の能力・適性、興味・関心、進路等は極めて多様化している。このような多様な生徒の実態に対応し、各学校が生徒それぞれの個性を最大限に伸長させるため、生徒の学習の選択幅をできる限り拡大し、多様な特色ある学校づくりを行うことが大切である。

文部省においては、これまで高等学校教育の多様化・個性化を図るため、様々な施策を行ってきた。

特に、平成3年4月の中央教育審議会答申及びこの答申を受けて更に具体的な改善方策について検討を進めた「高等学校教育の改革の推進に関する会議」の報告(平成4年6月〜5年2月)に基づいて、総合学科の創設や単位制高等学校の全日制課程への拡大などを行い、新しいタイプの高等学校の設置や特色ある学校づくりを推進している。

また、現行高等学校学習指導要領などを踏まえ、多様な科目の開設などにより、生徒の選択を中心としたカリキュラムづくりを進めている。

平成8年7月の中央教育審議会第一次答申においては、高等学校教育について、教育課程の弾力化を一層図るとともに、学校外の活動について単位認定の道を開くことが提言されている。

このため、文部省においては、平成8年10月から「高等学校教育の改善充実に関する調査研究協力者会議」を開催し、教育課程審議会における審議と連携しながら、これらの提言について検討を進め、9年9月に報告がまとめられた。報告では、

1) 卒業に必要な単位数を縮減すること、
2) すべての生徒が共通に履修する内容等を必要最小限に削減すること、
3) ボランティア活動や企業実習などの学校外における体験的な活動等を単位として認めること

などについて認める具体的な提言がされている。


(2) 新しいタイプの高等学校
(ア) 総合学科

総合学科は、普通科及び専門学科と並ぶ新しい学科として、平成6年度から設置されている。

総合学科の教育の特色としては、生徒の個性を生かした主体的な学習を通して学ぶことの楽しさや成就感を体験させる学習が可能となること、将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視することが挙げられる。教育課程については、「産業社会と人間」、「情報に関する基礎的科目」、「課題研究」の三つの科目を原則履修科目としていること、多様な選択科目の開設が特徴として挙げられる。

総合学科には高等学校教育改革の中心的役割が期待されており、平成9年4月現在、国立2校、公立68校、私立4校の計74校が設置されている。なお、8年7月の中央教育審議会第一次答申においては、総合学科が通学範囲には必ず用意されているよう整備を進めることが提言されている。


(イ) 単位制高等学校

単位制高等学校は、学年による教育課程の区分を設けず、かつ学年ごとに進級認定は行わないで、卒業までに決められた単位を修得すれば卒業を認めるものであり、昭和63年度から定時制・通信制課程において導入され、平成5年度からは全日制課程においても設置が可能とされた。

単位制高等学校は、生徒の幅広いニーズにこたえる多様な履修形態を可能にするため、学期ごとの入学・卒業、転・編入学の受入れ、過去に在学した高等学校において修得した単位の累積加算などが認められており、大きな成果を上げている。平成9年4月現在、172校(うち全日制課程は91校)設置されている。


(ウ) 特色ある学校・学科・コース等

以上のほか、従来のような学科の枠組みにとらわれず、生徒の多様なニーズや社会の変化に柔軟に対応することを目的としていわゆる総合選択制高等学校(多様な自由選択科目やコース等による幅広い選択を可能としている高等学校)や、いわゆる国際高校(国際化の進展に対応するため外国語教育の充実を図り、帰国生徒の積極的な受入れを行っている高等学校)など、様々な新しいタイプの高等学校が設置されている。また、このような高等学校以外においても、学科の新設・再編やコース制の導入など特色ある学校づくりが進められている。


(3) 生徒の選択履修の機会の拡大
(ア) 高等学校学習指導要領による選択中心のカリキュラムの編成

現行学習指導要領においては、自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成や、個性を生かす教育の充実に努め、人間としての在り方生き方に関する教育を充実することなどを主なねらいとし、生徒の多様な実態や社会の変化に適切に対応できるよう内容の充実を図るとともに、各学校が創意工夫して、特色ある教育課程の編成ができるよう弾力的な措置がとられている。

特に、生徒の選択履修の機会を拡大するため、地域や学校の特色等により、学習指導要領に示す教科・科目だけでは生徒の学習ニーズに対応できないような場合には、これら以外の教科・科目を設置者の判断により設けることを、より一般的に可能としている。

各学校においては、多様な教科・科目を開設するとともに、生徒が自由に選択履修できるよう、選択中心のカリキュラムの編成を目指して着実に改善が進められている。


(イ) 自校以外での学習成果の単位認定(制度)の導入

生徒の多様な実態に対応して生徒の学習の機会を拡大するため、平成5年度から自校以外での学習成果を単位認定する制度が導入されている。

具体的には、

1) 他の高等学校における学習成果の単位認定、
2) 専修学校における学習成果の単位認定、
3) 実用英語能力検定など技能審査の成果の単位認定

が制度化されている。これらは、生徒の選択学習の機会を拡大させ、学習意欲を喚起させるなどの効果が期待されている。


(4) 改革の支援

文部省では、これらの高等学校教育の改革を一層支援するため、平成9年度から、専修学校も対象にした学校間連携等促進事業や、「総合学科」総合推進事業を実施している。


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