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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初頭中等教育の一層の充実のために
第2節   子どもたちが主体的に学び生きる力を育てる教育の推進
3   豊かな心の醸成-道徳教育・ボランティア教育の充実-



(1) 道徳教育の重要性

道徳教育は、児童生徒が人間としての在り方を自覚し、人生をより良く生きるために、その基盤となる道徳性を育成するものである。教育が人格の完成を目指して行われるものである以上、道徳教育は学校教育の基本にかかわるものと言える。

特に近年では、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化し、また、道徳性の問題を想起させるような様々な社会問題も発生しており、家庭や地域社会とも十分に連携しながら、道徳教育の一層の充実を図ることが求められている。

このため、現行学習指導要領では、児童生徒の道徳性の発達等を考慮して、内容の再編成、その重点化及び各教科・特別活動における指導の充実などが明示されている。


(2) 文部省における道徳教育関連施策

文部省では、この現行学習指導要領の趣旨の具体化を図り、道徳教育の一層の充実に努めるため、次のような様々な施策を進め、その振興を図っている。

・ 豊かな心を育(はぐく)む教育推進事業
・ 伝統文化教育推進事業
・ 都道府県における道徳教育振興会議の設置
・ 市町村道徳教育推進事業の実施
・ 教員及び教育委員会の指導主事等を対象とする講座の開催
・ 道徳教育用教材の開発

(3) 豊かな心を育む教育及び伝統文化教育の推進

今日の変化の激しい社会にあって、児童生徒一人一人が主体性を持って、よりよく生きていくためには、内面に根ざした道徳性をはぐくみ、これが日常生活の中で実践的に生かされるよう、学校、家庭、地域社会が連携しながら、児童生徒の豊かな心をはぐくむことが一層重要になっている。このため、文部省では、小・中・高等学校の教育活動に様々な体験活動を取り入れて、児童生徒の道徳性を実践的に養う「豊かな心を育(はぐく)む教育推進事業」を実施している。

また、文化と伝統に対する理解を深め、尊重し、更に継承、発展させる態度を育成することは、次代を生きる児童生徒が、個性豊かな文化の創造と社会の発展に貢献するとともに、これからの国際社会において信頼され、主体的に生きていくために重要である。このため、伝統文化推進地域及び推進校を指定し、小・中・高等学校の教育活動において、地域社会の協力の下、児童生徒が地域に伝わる伝統文化を実体験し、その心に触れる教育を推進する「伝統文化教育推進事業」を実施している。


(4) ボランティア教育
(ア) ボランティア教育の意義と現状

近年、高齢化の進展等に対応し、福祉の重要性や高齢者、障害者に対する認識と理解を深めることや、他の人々に対する思いやりの心や公共のために尽くす心を養うこと、また、都市化、少子化、核家族化が進む中で生活体験の希薄化している児童生徒が、体験を通して勤労の尊さや社会に奉仕する精神を養うことなどがこれまで以上に重要となってきている。

各学校においては、地域での清掃活動を行ったり、公共の場での花壇や花づくり、老人ホームで奉仕活動をするなど、地域の実情に応じ、様々な取組が進められているが、今後、更にその促進を図ることが求められている。


(イ) ボランティア教育推進のための施策

現行の学習指導要領においては、社会奉仕の精神を養い、公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成することを重視して、例えば、特別活動で「奉仕的な活動」を明示するなど、内容の一層の充実を図っている。また、これらの趣旨を徹底するために、文部省では、従来から、ボランティア教育研究協議会の開催、指導実践事例等を掲載した指導資料の作成等を行っている。このほか、平成8年度からは、一定地域の小・中学校の児童生徒に対し、地域の教育力を生かしつつ、ボランティア体験活動等の様々な体験活動・学習の機会を与えることについて実践的調査研究を行う「ボランティア体験モデル推進事業」を実施している( 第2章第4節参照)。


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