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2部   文教施策の動向と展開
第2章   生涯学習社会の実現に向けて
第1節   生涯学習推進体制の整備
2   文部省における取組



(1) 文部省の役割と取組

文部省は、多様な学習活動を総合的に推進し、生涯学習社会を構築するため、学校教育、社会教育、文化、スポーツの振興に関し、生涯学習に資する施策を実施するとともに、関係省庁との連携・協力に努めている。

これまでにも、昭和63年に生涯学習局を設置し、平成2年に制定された「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」(いわゆる生涯学習振興法)や同法による生涯学習審議会の答申等に基づき、通商産業省等関係省庁とも連携しつつ、生涯学習の振興のための取組を進めてきた。

生涯学習の振興に関しては、公民館や図書館など地域における学習施設の整備や学習機会の提供は地方公共団体の責任において行われており、民間においても社会通信教育やカルチャーセンターなどの民間教育事業・団体が大きな役割を果たしている。

このような、地方や民間の活動の一層の促進を図るため、文部省では生涯学習に関する制度の整備、地方や民間では実施困難な全国的規模の学習基盤の整備、及び地方や民間の取組への支援として次のような取組を行っている。

(ア) 生涯学習に関する制度の整備

生涯学習に関する行政組織等の推進体制整備、学習成果の評価や学習施設・専門的指導者に関する制度の整備充実等

(イ) 地方や民間では実施困難な全国的規模の学習基盤の整備

生涯学習振興のための中核的機関である放送大学の全国化の推進、国立青少年教育施設をはじめとする拠点施設の設置運営、高等教育機関の生涯学習機能の充実等に資する施策の実施等

(ウ) 地方や民間の支援

全国的モデルとなる学習事業など各地の先導的取組への支援、活動事例の収集・提供、全国的な集会の開催、指導者・リーダーの養成・研修、民間団体への援助、教育行政と民間教育事業者との連携の推進等を通じた地方や民間の多様な取組の支援等

2-2-1 生涯学習社会を目指す取組


(2) 生涯学習審議会の活動

生涯学習審議会は、生涯学習振興法に基づき、生涯学習に資するための施策に関する重要事項を調査審議する機関として、平成2年8月、文部大臣の諮問機関として設置されたものであり、文部省では、その答申等を踏まえ必要な施策を行ってきた。


(ア) これまでの答申等の概要

(a) 「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」(平成4年7月答申)

生涯学習振興の基本的考え方と、当面重点を置いて取り組むべき事項として、

1) 社会人を対象としたリカレント教育の推進、
2) ボランティア活動の支援・推進、
3) 青少年の学校外活動の充実、
4) 環境、情報の活用

等の現代的な学習課題に関する学習機会の提供について、それぞれ振興方策を提言している。

(b) 「地域における生涯学習機会の充実方策について」(平成8年4月答申)

地域社会の中で様々な学習機会を提供している機関や施設の生涯学習機能の充実という視点から、

1) 社会に開かれた高等教育機関、
2) 地域社会に根ざした小・中・高等学校、
3) 地域住民のニーズにこたえる社会教育・文化・スポーツ施設、
4) 生涯学習に貢献する研究・研修施設

について、充実方策を示している。

(c) 「生涯学習の成果を生かすための方策について」(平成9年3月審議の概要)

生涯学習の成果を生かすことの意義と問題点を整理し、学習成果を生かす場面に応じて、

1) 地域社会の発展、
2) ボランティア活動、
3) 個人のキャリア開発

に分け、それぞれに関し必要な支援方策が示されている。


(イ) 第4期生涯学習審議会の発足

第4期生涯学習審議会は、平成9年6月に発足し、文部大臣から、

1) 「青少年の[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について」、
2) 「社会の変化に対応した社会教育行政の在り方について」、
3) 「生涯学習の成果を生かすための方策について」

審議要請が行われ、現在審議が進められている。それぞれの審議の趣旨は以下のとおりである。

1) 青少年の[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策(諮問事項1)

社会生活を営む上での基礎的な資質を養う青少年期に[生きる力]をはぐくんでいくことは生涯学習社会にとって特に重要な課題である。しかし、子どもを取り巻く現状を見ると、ゆとりの乏しい生活実態や実体験の不足、家庭や地域社会の教育力の低下などが指摘されており、このような状況の中、地域社会の大人たちが手を携え、子どもたちの[生きる力]をはぐくんでいく環境を醸成することが必要である。また、完全学校週五日制の実施に向けての取組も進められており、より一層の体制整備も重要な課題である。

これらを踏まえ、子どもたちに[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実のための具体的方策について検討し、平成10年度中を目途に結論を得ることとしている。その際、お稽古事塾など民間教育事業者についても、子どもたちを取り巻く学習環境の一つとして、その役割や教育行政の対応の在り方を検討するとともに、これに関連して、学習塾に関し、その役割、在り方などについて議論する。

2) 社会の変化に対応した社会教育行政の在り方(諮問事項2)

社会教育法など社会教育関係法令が制定されてから50年を迎えようとしている中で、社会の変化に伴う行政ニーズの多様化、複雑化や生涯学習社会の進展等の新たな状況に対応した社会教育行政の推進が求められている。特に社会教育施設に関する制度や社会教育指導体制の在り方については、地方分権推進の観点からの指摘がなされている。

これらを踏まえ、社会教育関係法令の見直しを含め、地方公共団体の自主性を一層生かした社会教育行政の在り方について検討することとしている。

3) 生涯学習の成果を生かすための方策(第3期生涯学習審議会からの継続審議事項)

第3期生涯学習審議会では、審議の概要「生涯学習の成果を生かすための方策について」がまとめられ、学習成果を生かすことの意義やそれを促進する上での問題点を整理し、学習成果を生かす場面に応じて、「地域社会の発展」、「ボランティア活動」、「個人のキャリア開発」に分け、必要な支援方策が示された。審議の概要で示された基本的方向を踏まえつつ、特に学習成果を生かすための評価に関する具体的方策などを中心に検討する。


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