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2部   文教施策の動向と展開
第2章   生涯学習社会の実現に向けて
第1節   生涯学習推進体制の整備
1   生涯学習社会の必要性


いわゆる学歴社会の弊害を是正し、心の豊かさや生きがいのための学習意欲の増大や、社会経済の変化への対応が求められている中、「人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される」ような生涯学習社会の構築を目指していくことはきわめて重要な課題である。

生涯学習社会の構築が求められる背景と、そのための取組の一層の充実が必要な理由としては、次のような点が指摘されている。

1) 学歴社会の弊害の是正

偏差値偏重教育など、いわゆる学歴社会の弊害の是正は、現在進められている教育改革の重要課題であり、形式的な学歴によらずに、生涯の各時期の様々な「学習の成果」(実力)がきちんと評価される社会を築いていくことが求められている。

2) 社会の成熟化に伴う学習需要の拡大

自由時間の増大、高齢化等社会の成熟化に伴い、心の豊かさや生きがいのための学習需要が増大している。

これら学習需要に的確にこたえていくことは、学習者の自己実現のみならず、地域社会の活性化、高齢者の社会参加など、社会全体にとって有意義である。

3) 社会・経済の変化に対応するための学習の必要性

情報化、国際化、産業構造の変化等に伴い、社会人は絶えず新しい知識や技術の習得を迫られている。

これらの学習需要に的確に対応していくことは、学習者自身のキャリア向上のみならず、社会システムの基盤である人材育成に資するものであり、社会・経済の発展に寄与するところが大きい。

生涯学習社会の定義で用いられる学習は、学校教育や社会教育の中で、意図的・組織的な学習活動として行われるだけではなく、スポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動などの中でも行われるものである。また、これらの活動の場も、大学などの高等教育機関、小・中・高等学校、公民館、図書館、博物館、文化施設、スポーツ施設、カルチャーセンター、企業・事業所など多岐にわたっている。生涯学習は、人々の生涯を通じてこれらの場で展開される多様な学習活動を包含するマスターコンセプトということができる。

このように、生涯学習は多様な学習活動を包括する概念であり、生涯学習社会を実現するための取組は、文部省や教育委員会はもとより、例えば職業能力の開発や社会福祉等に関し生涯学習に資するための施策を行う各種行政機関や、民間の各種機関・団体等、様々な主体によって多様な形態でなされている。これらの生涯学習に関係する機関・団体間の連携・協力体制を作り上げることにより、施策の総合的な取組を進めることが重要である。


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