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2部   文教施策の動向と展開
第1章   教育改革の推進
第2節   教育改革への取組
3   行政改革、財政構造改革、経済構造改革などの改革との連携


文部省においては、教育改革の推進に当たって、行政改革、財政構造改革、経済構造改革などとの連携を図ることに留意しつつ、具体的な施策を展開している。


(1) 行政改革との連携

政府は、行政改革を計画的に推進するため、平成8年12月に「行政改革プログラム」を閣議決定し、これに沿って着実に行政改革を推進している。

行政改革の様々な課題については、総理府に設置された行政改革委員会(平成6年12月設置)、地方分権推進委員会(平成7年7月設置)、行政改革会議(平成8年11月設置)が検討を進めている。このうち、行政改革委員会は、規制緩和、情報公開などに関して調査審議を行っている。また、地方分権推進委員会では、地方分権の推進に関する基本的事項について調査審議を行っている。さらに、内閣総理大臣を会長とする行政改革会議では、21世紀における国家機能や中央省庁の再編の在り方等について調査審議を行っている。こうした中、文部省としても、文教関係の分野において行政改革の推進に関する様々な施策を講じてきている。


(ア) 規制緩和

文部省関係の規制は、様々な基準の設定等を通じ、教育の水準の維持向上に資するために行われているものであり、いわゆる社会的規制の範疇に属している。文部省においては、臨時教育審議会の答申において個性重視の原則が打ち出されて以来、教育改革の一環として、教育内容・方法や制度等について多様化や弾力化を進めるなど、規制緩和を推進してきている。

行政改革委員会は、平成8年度から、規制緩和小委員会において、教育に関する規制緩和の問題を取り上げて検討を行い、同年12月には、総理に対して学校選択の弾力化など教育分野4項目7事項を含む「規制緩和の推進に関する意見(第二次)」を提出した。この意見などを踏まえ、9年3月、政府は「規制緩和推進計画」(平成7年3月閣議決定)の再改定を行い、従来の10分野に加え、初めて教育分野を独立した分野として設けるとともに、具体的な教育関係の事項として、新たに30項目を盛り込むこととなった(従来からの項目を含めた全体としては、65項目)。

資料2-1-3 規制緩和推進計画に盛り込まれた事項の主な例
○ 学校選択の弾力化
○ 中学校卒業程度認定試験の受験資格の弾力化
○ カリキュラム編成の弾力化
○ 高等学校段階における学校外活動への単位認定の拡大
○ 社会人の教員への登用の促進
○ 高等教育におけるマルチメディアの活用(遠隔授業の単位認定や通信制大学院の設置を可能とする制度の整備)
○ 大学の校地面積基準の考え方の明確化

(イ) 情報公開

教育改革を進めるに当たっては広く国民の理解を得ていくことが必要であることから、情報公開を進め、文教行政を開かれたものにすることは重要な課題である。

このため、文部省においては、その所管の審議会等について、平成7年9月の閣議決定「審議会等の透明化、見直し等について」などを踏まえ、審議の公開等に努めており、現在、14審議会(活動中の審議会のうち、専ら処分等の案件を審議する審議会を除いたもの)すべてが会議又は議事録の公開を行っている。また、公開された議事録等については文部省の文書閲覧窓口(広報室)において自由に閲覧できるほか、インターネット上の文部省ホームページやパソコン通信(NIFTY-Serve,PC-VAN)においても広く情報提供を行っている( 第10章第1節参照 )。

なお、政府としては、行政改革委員会からの意見を受け、平成9年度内に情報公開に関する法律案を国会に提出することとしている。


(ウ) 地方分権

教育行政は、全国的な教育の機会均等とその水準の維持向上を図るため、国・都道府県・市町村が連携協力してその実施に当たるという仕組みになっている。地方公共団体は、そうした仕組みの下、それぞれの地域において、自らの実情に応じた具体的な施策を展開していく重要な役割を担っており、教育改革を進めるに当たっては、その主体性を尊重していくことが大切である。

地方分権推進委員会は、平成8年12月から9年10月までの間、4次にわたる勧告を行った。これらの勧告においては、教育長の任命承認制度の廃止等個別の権限委譲、機関委任事務の廃止、必置規制や補助金・税財源等についての見直し、市町村への権限委譲など地方分権の推進に関する広範な事項について触れられている。

これらの勧告等も踏まえつつ、文部省では、中央教育審議会において今後の地方教育行政の在り方について検討を行っている。


(エ) 特殊法人の改革

特殊法人の改革については、従来から必要な見直しに努めてきており、昭和54年度には10法人であった文部省所管特殊法人は、数次の統廃合等を経て、現在8法人となっている。今後は、平成10年1月に私立学校教職員共済組合と日本私学振興財団を統合し、日本私立学校振興・共済事業団を発足することとなった。また、9年6月に閣議決定された「特殊法人等の整理合理化について」においては、国立教育会館を廃止し、教育研修、情報収集等の業務は必要に応じて国立教育研究所等に移管することが盛り込まれている。


(2) 財政構造改革との連携

我が国の財政は、平成9年度末に国債残高が254兆円、国、地方合わせた長期債務残高が476兆円に上るなど、主要先進国中最悪の水準となり、危機的な状況にある。今後、我が国が、21世紀に向けて豊かで活力ある経済社会を実現するためには、財政構造を改革し財政再建を果たすことが喫緊の課題となっている。

このため、平成9年1月には政府・与党から成る財政構造改革会議が設置され、同年3月、同会議から「財政構造改革5原則」が示された。その中では、今世紀中の3年間を集中改革期間とすること、歳出の改革と縮減は一切の聖域なしとすること、10年度予算は政策的経費である一般歳出を対前年度比マイナスとすること、などが強く打ち出された。

その後、同会議の企画委員会を中心に集中的に審議が重ねられ、平成9年6月、最終報告が取りまとめられた。政府は、この報告に沿って、直ちに「財政構造改革の推進について」を閣議決定した。文教予算については、児童・生徒数に応じた合理化、受益者負担の徹底、国と地方の役割分担及び費用負担等の観点から、義務教育、国立学校、私学助成等について、以下の事項を含め、全般的に見直し、抑制を行うこととしている。

1) 第6次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画並びに第5次公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画について、平成10年度までの計画期間を2年延長
2) 国立学校について、集中改革期間中、国立学校特別会計繰入れを対前年度同額以下に抑制
3) 私学助成について、集中改革期間中、経常費助成を対前年度同額以下に抑制するなどにより、助成総額を厳しく抑制するとともに、特色ある教育研究プロジェクトへの助成の重点化など配分方法の見直し

政府においては、この閣議決定を受け、現在、財政構造改革の推進に関する特別措置法案を国会に提出しており、文部省としても歳出の見直しや各種施策の重点化に取り組みつつ、教育改革の着実な推進を図っていくこととしている。


(3) 経済構造改革との連携

政府は、経済構造改革に関する政策運営の基軸として、平成8年12月に「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を閣議決定し、これに従って9年度予算の編成や関係法案の国会への提出等を行った。さらに、抜本的な経済構造改革を引き続き強力かつ速やかに推進するため、このプログラムをより具体化するものとして、13年(2001年)ごろまでを念頭において、今後の経済構造改革の推進のスケジュールと具体的施策を定めた「経済構造の変革と創造のための行動計画」を9年5月に閣議決定した。

同行動計画は、新規産業15分野の創出のための総合的な施策とともに、資金、人材及び技術等についての横断的な環境整備などを内容としている。

教育改革の推進の中で特に、大学教育の改革や学術研究の推進は、人材の育成や研究開発環境の整備などを通じて新規産業の創出、経済構造の変革にも大いに資するものとして、本プログラム及び本行動計画に盛り込まれている。今後、文部省としては、これらに基づいて、インターンシップの取組に対する支援や共同研究等の推進及び研究開発成果の移転・活用の促進等に積極的に取り組むこととしている。

資料2-1-4 経済構造の変革と創造のための行動計画に盛り込まれた事項の主な例
○ インターンシップを支援する取組を総合的に推進(平成10年度より)
○ 工学教育について、工学協会による教育カリキュラムの研究開発等の取組を支援
○ ベンチャービジネスを担う人材の育成を推進するための幅広い取組について早急に検討(平成9年度中に結論)
○ 競争的資金の充実、ポストドクター等1万人支援計画の実現、大学等施設・設備の整備など研究開発環境を整備
○ 関係省庁等による連絡協議の場を創設し、国立大学等の研究成果の移転・活用等産学連携の具体的方策の検討と実現
○ 教育分野の情報化(学校におけるインターネットの有効活用等に関する実践的な研究の成果を踏まえつつ、学校におけるネットワークの計画的整備を進め、近い将来全国の学校がインターネットに接続されることを目指すなど)
○ 大学等を接続する学術情報ネットワークの高速化、広域化
○ 環境のための地球規模の学習及び観測計画(globe計画)への参加支援
○ 大学等における脳研究、ヒトゲノム解析研究等の推進と研究基盤の整備
○ 環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進
○ 語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の充実等外国語教育の充実、留学生交流の推進、外国教育施設日本語指導教員派遣事業(REXプログラム)の推進

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