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2部   文教施策の動向と展開
第1章   教育改革の推進
第2節   教育改革への取組
1   「教育改革プログラム」の策定


平成9年年頭、教育改革が、政府の「六大改革」の一つに位置付けられたことを受けて、文部省においては、第1節で述べたような基本的な考え方に立って、教育改革の具体的な課題とスケジュールを「教育改革プログラム」として取りまとめ、内閣総理大臣に報告を行った(1月)。同プログラムは、豊かな人間性の育成、教育制度の革新、完全学校週5日制の実施を目指した取組、社会の変化への機敏な対応、学校外の社会との積極的な連携、国際化の推進、教育改革の輪を広げるための経済界等との協議の場の設定などについて、具体的かつ積極的な取組を行うことを提示したものである。

その後、同プログラムに基づき、教育改革の取組が進められ、第140回国会(平成9年)において関連法案や関連予算が成立するとともに、中央教育審議会をはじめとする関係審議会において答申等が取りまとめられるなど、プログラムに盛り込まれた様々な施策が進展し、着実な成果が上げられてきた。

このため、平成9年8月、文部省では、これらの教育改革に関する取組の進展を踏まえ、教育改革に係る新たな課題への対応やそのスケジュールについて、関係省庁からの意見を取り入れながら、同プログラムの改訂を行った( 資料2-1-1)。

改訂されたプログラムの主な内容としては、例えば、

1) 幼児期からの心の教育の在り方や地方教育行政制度の在り方についての中央教育審議会における審議スケジュール、
2) 学校制度の複線化構造を進める等の観点から中高一貫教育を導入するスケジュール、
3) 教員養成課程のカリキュラムの改善についてのスケジュール、
4) 大学の管理運営システムの見直しと客観的な評価システムの確立についての大学審議会での検討、

などが盛り込まれている。

文部省では、現在、このプログラムに基づき、制度改正に向けた取組や関係施策の充実、審議会等における審議の促進などに取り組んでいる(関係審議会の動向については、 資料2-1-2参照)。

教育改革フォーラム

資料2-1-1 教育改革プログラムの概要(平成9年1月24日(同年8月5日改訂))

1 豊かな人間性の育成と教育制度の革新

(1) 豊かな人間性の育成-「心の教育」の充実

○ 幼児期からの心の教育の在り方について、中央教育審議会で検討し、1年以内を目途に取りまとめ、広く国民の意見を聴く

(2) 教育制度の改革

○ 子供や保護者の選択の機会の拡大を図るため、中高一貫教育を選択的に導入することとし、学校制度の複線化構造を進める。関係法案を次期通常国会に提出すべく準備を進め、平成11年度からの導入を目指す

(3) 教育制度の弾力化

○ 数学・物理の分野で稀有(けう)な才能を有する者の大学入学年齢制限の緩和について、関係省令等を改正し、平成10年度から大学に受け入れることを可能にしたが、今後改正の趣旨を踏まえ推進
○ 登校拒否児への対応等の観点から、中卒認定試験の受験資格を平成9年度から弾力化
○ 通学区域の弾力化に向けて、平成9年から各市町村における多様な工夫を促進
○ 専門学校修了者の大学への編入学について、大学審議会において引き続き検討し、できるだけ速やかに結論
○ ボランティア活動、企業実習等について、高校の単位として認定できるよう関係省令を改正し、平成10年度から実施を可能にする

(4) 学校の教育内容の再構築

○ 平成15年度を目途に完全学校週5日制の実施を目指し、教育内容を厳選。教育課程審議会において平成9年秋を目途に、総合的な学習の時間の設定や選択幅の拡大など基本的な枠組み等を示した中間まとめを公表し、その後1年を目途に結論その際、豊かな人間性の育成、我が国の歴史・文化と伝統の尊重、社会の変化への対応等を重視。さらに、より良い教科書づくりに取り組む

(5) 環境教育の充実等

○ 学校における環境教育を一層充実。環境に関する体験的な活動を推進するため、学校外の関係団体等と連携。GLOBE計画などを推進。教科書への再生紙使用を促進
○ 新たな地球環境科学を構築するため、研究組織体制の在り方について調査検討

(6) 教員の資質向上

○ 教員養成カリキュラムの改善について、次期通常国会に所要の法律案を提出すべく準備。ボランティア活動や福祉活動等の体験の導入を推進

(7) 地方教育行政システムの改善

○ 地方教育行政システムの改善について中央教育審議会で幅広く検討し、教育長の任命承認の廃止と教委員会の活性化方策等については平成9年度中を目途に取りまとめる

(8) 大学入試・高校入試の改善

○ 選抜方法・尺度の多様化の推進やアドミッション・オフィスについて組織の在り方の検討を含めた整備など改善の取組を促進

(9) 高等学校教育の改革の推進

○ 総合学科や単位制高校の整備、高校における転・編入学者の受入れの推進

(10) 高等教育機関の活性化

○ 若年人口の減少、産業構造の変化等に応じた大学院の充実・強化と学部再編成の推進
○ 大学教員への選択的任期制の導入について、大学に対して積極的検討を促す
○ 高等教育におけるマルチメディアの活用、専門学校の充実、放送大学の全国化、育英奨学事業の改善・充実

(11) 大学の管理・運営の在り方の見直し

○ 大学の管理運営システムの見直しについて、大学審議会において検討
○ 大学にふさわしい客観的な評価システムの確立について、大学審議会において検討

(12) 私立学校の振興

○ 日本私立学校振興・共済事業団において、私立学校に対する教育条件及び経営に関する相談や情報支援を推進
○ 私立大学の研究基盤・情報基盤の整備、マルチメディアの活用の推進

(13) 人権教育の充実

○ 人権擁護推進審議会の審議状況及び「人権教育のための国連10年」を踏まえ、すべての人が人権を尊重する意識を高めるための教育を推進

(14) 男女平等の意識を高める教育の充実

○ 男女共同参画社会の実現に向けて、男女の固定的な役割分担意識を是正し、人権意識に基づいた男女平等観の形成を促進

2 社会への要請の変化への機敏な対応

(1) 少子高齢社会への対応

○ 学校における介護体験活動への積極的取組、介護や福祉等のボランティア活動の促進など高齢社会に対応する教育について、中央教育審議会の答申を踏まえ充実
○ 国民のニーズに的確にこたえるため、地方分権推進委員会の勧告等をも踏まえ、幼稚園と保育所の在り方を厚生省と共同で検討

(2) 将来の科学技術の発展を託す人材の養成や社会の要請に応える学術研究の振興

○ 大学・高等専門学校等におけるインターンシップの推進、競争的資金の充実、卓越した研究拠点(COE)の形成、学術情報基盤の充実、中核的な情報関係研究機関の検討など情報学研究の推進、研究評価の充実・活用、産学連携による研究の推進

(3) 情報化の進展への対応

○ 体系的な情報教育の充実、ネットワークの拠点としての教育センター等の整備、インターネット利用の実践的研究の推進、学校図書館の充実、通信制の大学院の制度の創設、生涯学習情報の提供の充実

(4) 教育の基礎となる文化の振興

○ 我が国の文化振興についてのマスタープランを平成9年度中に策定
○ 子供たちが優れた芸術文化や伝統文化に触れる機会を充実

(5) 学校の内外を通じたスポーツの振興

○ ライフステージに応じたスポーツ活動のためのスポーツ・プランを平成9年秋を目途に策定
○ 21世紀初頭を目途にスポーツ医・科学を導入した競技力向上トータルシステムを構築
3 学校外の社会との積極的な連携

(1) 学校、家庭、地域社会の連携強化

○ [生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について、生涯学習審議会において検討し平成10年度中を目途に結論

(2) 家庭教育の充実

○ 家庭教育に関する学習機会や親子の共同体験の機会の充実等を通して家庭教育への支援を強化
○ 心豊かな子供たちをはぐくむための「[子供と話そう]全国キャンペーン」を実施

(3) 学校外の体験活動の推進

○ 学校外の体験活動の場や機会の充実を図るとともに、学校やpta等において、青少年団体、ボランティア団体等への参加を奨励

(4) ボランティア活動の促進

○ 学校とボランティアに関する地域の関係機関・団体等との連携を推進。大学生のボランティア活動を普及・奨励するための方策について、平成9年度中に検討を開始
○ 地域におけるボランティア活動の場の充実や情報提供・相談体制を整備

(5) 社会人や地域人材の学校への活用

○ 社会人の学校への活用を進めるため、次期通常国会に所要の法律案を提出すべく準備

(6) 青少年の非行、いじめ問題、薬物乱用問題などへの適切な対応

○ 青少年の非行等の問題に適切に対応するため、関係省庁や関係機関・団体との連携を強化

4 留学生交流等国際化の推進

(1) 留学生交流の推進

○ 留学生政策懇談会の第一次報告に沿って今後取るべき留学生政策を具体化

(2) 英語をはじめとする外国語教育の改善

○ コミュニケーション能力の一層の育成を目指した外国語教育の改善を促進

(3) 教員等の国際体験・国際貢献の充実

○ 米国人教員を招致するフルブライト・メモリアル・プログラムの定着を図る

(4) 学術国際交流の推進

○ 外国人研究者の受入及び優れた若手研究者の諸外国への派遣、国際共同研究等を推進

(5) 教育の改善充実に向けた国際交流・協力の推進

○ 日米文化教育交流会議(カルコン)での合意に基づき、日米間で教育改革に関する共同研究を推進

(6) 外国人子女教育の推進及び外国人のための日本語教育の推進

○ 急増する外国人子女の学校生活への円滑な適応に必要な学習システムの開発と受入れ体制の整備を推進
○ 新しい情報通信手段を利用した日本語教育の指導内容・方法に関する調査研究を推進
5 教育改革の輪を広げるための経済界等との協議の場などの設定

このプログラムの実現に向け、文部省において、関係省庁の協力を得るとともに、経済団体等関係者との間に定期的な協議の場などを設定。教育改革の輪が広がるよう、教育界、経済界、国や地方公共団体の代表者等によるフォーラムなどを開催

資料2-1-2 教育改革関係審議会の最近の動向(平成7年度以降の諮問及び答申)
教育改革関係審議会の最近の動向(平成7年度以降の諮問及び答申)



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