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1部   未来を拓く学術研究
第4章   学術研究をめぐる内外の動向
第2節   各研究分野の動向
6   電気工学系


極微細構造での電子の動きを解明する物性研究や半導体レーザーに代表される光デバイス(装置)や電子デバイスの高性能化への応用などの、量子効果を利用した研究が多くの成果を上げている。今後は、より顕著な量子効果を得るために、低次元量子効果の解明と高機能デバイスへの応用へと向かいつつある。また、量子構造の製作に必須の半導体微細加工技術や結晶成長技術は、単一電子デバイスや電子波デバイスの開発等の新たな平面を切り拓(ひら)く可能性がある。

光電子工学においては、我が国が世界をリードしているが、面発光レーザーダイオードの室温連続発振が達成され、光ファイバー通信や高速並列処理、光インターコネクション等への応用も進んでいる。また、大容量記録媒体として、光ディスクや磁気記録媒体の研究が活発に行われ、製品化されて、広く普及するに至っている。

一方、有機エレクトロニクスと呼ばれる新分野が確立され、薄膜形成技術を中心に、有機分子の電気的・光学的物性の制御や、センサー等の電子デバイスへの応用が進んでいる。

電力用の半導体デバイスやインバータ(周波数変換装置)回路の開発等の、電力エネルギー利用の効率化に資する研究も進んでいる。

我が国が先駆的な成果を上げている酸化物超伝導体については、デバイス化や応用機器の開発に重点が置かれ、今後、各分野に影響を及ぼすものと思われる。

加速器科学においては、Bファクトリーや大型放射光施設SPring-8におけるビーム不安定性の制御が課題であるが、将来的には、大型ハドロン衝突型加速器、線形衝突型加速器、ミュオン衝突型加速器、さらには、位相のそろったコヒーレント光源の実現に向けての研究開発が、国際協力も伴いながら進められよう。

核融合学あるいはプラズマ理工学、原子力学においては、既に臨界条件を達成したトカマク型が実用化の有力候補である一方、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)は、定常プラズマの生成・制御やトーラスプラズマについての総合的な理解の観点から有益であり、また、大阪大学レーザー核融合研究センターでは、固体密度の600倍への圧縮を達成するなどの成果を上げている。プラズマ研究は、半導体のドライプロセス(ガスを用いた微細加工工程)に利用されているほか、今後、重要になると考えられる非線形・非平衡系の学理、すなわち複雑系の科学の追究に貢献するものと思われる。


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