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1部   未来を拓く学術研究
第4章   学術研究をめぐる内外の動向
第1節   我が国の研究水準
4   着実に向上している我が国の研究水準


上記「 3 研究者の主観から見た研究水準 」において見てきたとおり、第一線の研究者の自己評価によると、全体として我が国の学術研究は世界的水準に達しているという意識を持っている人が多いことが分かる。これは、特に自然科学系の研究分野で顕著となっている。

これらの研究者の主観的評価をほぼ裏付けるように、客観的データの比較である論文数の比較では、我が国は全体として、アメリカに次いで第2位、又は第2位のイギリスとほぼ同程度の第3位の水準にある。全分野でヨーロッパ諸国の水準に達し、多くの分野でそれらを凌駕する状況となっている。また、論文数の増加率では、全分野で欧米諸国をはるかに凌いでいる。

INSPEC等の4種の論文抄録データベースは、各データベースへの採録学術雑誌の拡大が我が国にとって有利に働く面もあり得るが、我が国においては、分野によっては依然、国内発行の学術雑誌(和文誌も英文誌もあるが、これらの多くは上記データベースに採録されていない)に投稿する習慣も見られることなどを総合的に勘案すれば、我が国においては、論文数の点では、欧米諸国に比べて研究活動が活発に行われていると言える。

Science Citation Indexは、「権威ある学術雑誌」に掲載された論文によって構成され、現在、採録対象学術雑誌は約4,000誌である。このデータベースにおける採録論文数の割合の増加は、その国の研究の質の向上を意味している。我が国においては、多くの分野で採録論文数の割合を増やしており、全般的な研究の質の向上が確認できる。

論文引用回数の比較でも、1990(平成2)〜94(平成6)年の時点において、我が国は採録分野全体で、アメリカ、イギリス、ドイツに次いで第4位となっている。特に上位を占める研究分野の研究活動は質的に水準が高いと言える。

データベースの分析による研究水準の評価においては、採録対象の大部分がアメリカの学術雑誌であったり、欧米諸国のデータベースでは日本語の論文がほとんど採録されない(できない)など、我が国の論文は不利な扱いを受けざるを得ない。また、我が国では、情報発信が十分でないこともあり、外国の論文に引用されることが少ない一方、外国人の論文を引用する傾向もあり、論文引用回数は外国と比べて多くならないのが実状である。

これらを考え合わせると、我が国の研究水準は、アメリカには及ばないものの、ほとんどの分野において欧州諸国に比肩する成果を上げていると言うことができる。我が国の研究水準は、必ずしも十分ではない研究環境にもかかわらず、研究者の努力により着実に向上しており、今後さらに学術研究基盤の整備を図ることにより、研究水準の一層の向上が期待される。


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