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1部   未来を拓く学術研究
第3章   学術振興の新たな展開
第4節   学術研究に対する国民の理解と学習機会の充実のために
3   文部省における取組



(1) 学校教育における理科教育・技術教育の充実

我が国のこれまでの社会経済の発展は、科学技術に支えられてきたところが大きいが、その中で理科教育及び技術教育の果たす役割は極めて大きく、その一層の充実に努める必要がある。

理科教育については、観察・実験を通して自然に対する科学的な見方や考え方、関心・態度などを育成することを重視する観点から、内容の改善を図ってきた。現行の学習指導要領においては、観察・実験を一層重視するとともに、主体的な探求活動、問題解決的な学習が充実するよう、小・中・高等学校を通じてその改善を図った。学習指導要領の趣旨の実現を図るため、講習会の開催や指導資料の刊行に加え、理科教育設備基準を改定し、実験用機器の計画的な整備・充実を進めている。

また、技術教育についても、実践的・体験的な学習の一層の充実を図るとともに、産業教育の進展等に伴う教育内容の変化に対応した高等学校実験・学習の施設・設備の整備を図るため、産業教育施設・設備の基準を改定し、先端的で高度な情報機器、先端技術装置等を備えた産業教育共同利用施設の整備や産業教育施設・設備の計画的な整備・充実を進めている。

さらに、平成8年度から、先端的な科学技術等に触れ、理科への興味・関心を高める方策等について実践研究を行うモデル地域を新たに指定するとともに、地方において教育研修の中核となる教育センターについて、新しい理科教育設備基準に基づく理科教育設備を整備している。また、児童・生徒の科学的な体験学習を促進するための科学学習センターの整備を進めている。

また、教員免許状を必要としない特別非常勤講師を公立小・中学校に配置して、生徒が研究者や技術者等に触れる機会の拡充を図っている。


(2) 科学に親しむ多様な機会の提供

科学技術の急速な進展・高度化に伴い、人々が絶えず新しい知識・技術を習得することが必要であり、このような学習機会の拡大を図ることが重要となっている。

このため、文部省では、科学系博物館の機能の充実と有効活用の促進を図るため、博物館と学校、関係機関等が連携・協力して、様々な事業をモデル的に実施し、その成果を全国に普及させる事業を平成9年度から実施している。また、学芸員等博物館職員の資質向上を図るため、自然科学系博物館等に勤務する学芸員等を対象とした専門研修を実施するとともに、博物館や青年の家、少年自然の家等が持つ専門的機能や立地条件等を活用した、青少年に対する科学教室などの特別事業の研究開発を進めている。さらに、テレビ・ラジオを活用して科学技術に関する授業を開講している放送大学の全国化の推進を図っている。

国立科学博物館では、青少年や家族等を対象に科学教室や野外観察会を行うなど、科学技術等についての理解を深める教育普及活動を行っている。

また、青少年をはじめ、社会の各方面に対して理工系分野の魅力を積極的に情報発信していくため、大学・高等専門学校において体験入学事業を実施している。さらに、科学技術展等の各種事業の主催者等の依頼に応じ、青少年等を対象として、講演・実験等を行う講師等の協力者を「サイエンス・ボランティア」として登録するための名簿の作成及び提供を行っている。

さらに、大学等の学術研究の成果を社会に還元すると同時に、国民に身近なものとしていくため、

1) 科学研究費等による研究成果を幅広く社会の各方面に公開・発表する「大学と科学」公開シンポジウムの開催や
2) 学会や民間学術研究団体が青少年や一般社会人を対象として行う学術講演会等の開催

に必要な経費の助成を行っている( 第2章第1節4(4) 及び (5)参照 )。また、研究施設を一般市民に公開し、研究活動の紹介や講演会などを実施する大学の研究所や大学共同利用機関が多くなっている。例えば、国立天文台において、青少年を含む一般市民を対象に、「天文観望会」(毎月2回)や、全国の協賛団体・施設と共同での「スターウィーク」事業(毎年8月1-7日)を開催し、宇宙科学研究所において、市民と研究者との対話を重視した「宇宙学校」を年3回開催するなど、一般公開や展示等に各機関が工夫を凝らし、社会に開かれた大学・研究所づくりを推進している。なお、国立科学博物館においては、平成9年1月に40周年を迎えた南極地域観測事業について「ふしぎ大陸南極展」を開催し、長年にわたる研究成果を広く国民に公開している。

国立天文台の「スターウィーク」のポスター


(3) 学術審議会における対応

学術に関する重要事項について調査審議する学術審議会の運営の透明性を確保するため、平成9年3月から、原則として議事録を公開するなどの措置をとっている。

一方、上記1に述べたクローン羊の誕生による国内外の反響を踏まえ、大学等のクローン研究における新たな倫理的問題等について、科学的・専門的な見地から調査審議を行うため、同審議会にワーキンググループを設置し、平成9年6月から検討を行っている。なお、科学技術会議においては、同年7月に行われた答申「ライフサイエンスに関する研究開発基本計画について」に、ヒトのクローン個体の作製を実施しないこととすること等が盛り込まれるとともに、答申を受けての内閣総理大臣発言に基づき、同会議に「生命倫理委員会」が設置されることとなった。


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