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1部   未来を拓く学術研究
第3章   学術振興の新たな展開
第3節   学術研究に対する評価を充実させるために
4   研究評価の一層の充実に向けて



(1) 評価に関する大綱的指針の策定

平成8年7月に閣議決定された科学技術基本計画において、新たな研究開発システム構築の一環として、「厳正な評価の実施」が明記されるとともに、「評価の実施の円滑化を図るため、国民各般の意見が反映されるよう配慮しつつ、国の研究開発全般に共通する評価の在り方に関する大綱的な指針を策定する」こととされている。同指針の原案を策定するため、科学技術会議の政策委員会の下に評価指針策定小委員会が設置されて審議が行われ、同指針の原案が取りまとめられた。その後、9年7月の科学技術会議から内閣総理大臣への意見具申を経て、「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」が策定(内閣総理大臣決定)され、評価を実施する上でのガイドラインとしての役割を果たしている。

同指針においては、各省庁の研究開発実施・推進主体又は各国立試験研究機関・国立大学・特殊法人等の研究開発機関が国費によって実施する研究開発全般が対象とされているが、人文・社会科学のみに係る研究は対象とされていない一方、学術研究の評価について、その特性に配慮した取扱いなどが盛り込まれている。


(2) 学術審議会における検討

評価は、学術研究を一層活性化し、創造性豊かなものとしていく上で不可欠な活動であるため、学術審議会において、従来から、広く学術研究全般にわたる評価の在り方について審議が行われている。

平成4年7月の学術審議会答申「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」において、「研究組織に属する研究者が活発な研究活動を展開し、研究組織自体が常に活性化した状態を維持するためにも、各研究組織において定期的に自己点検・評価を行い、不断に改善への努力を行っていくことが重要である」こと、また、「研究費の重点的な配分のためには、諸外国の例も参考としつつ、我が国独自の評価のシステムを整備する必要がある」ことが指摘されている。

この答申以降、同審議会の学術研究体制特別委員会において引き続き審議が行われ、上記(1)に述べた科学技術会議における審議の状況も踏まえつつ、平成9年7月に 「学術研究における評価の在り方について(中間まとめ)」を取りまとめた後、関係各方面からの意見を求め、建議の取りまとめに向けて審議が行われている。

「学術研究における評価の在り方について(中間まとめ)」の概要

I 評価の基本的考え方

○学問的意義についての評価を中心としつつ、研究の分野、目的等に応じて、社会・経済への貢献という視点を考慮することが適当。

○学問的意義という視点からの基準として、研究水準、独創性、今後の発展の可能性、他の分野への貢献など、社会・経済への貢献という視点からの基準として、新技術の創出、特許等の知的財産の形成、新産業基盤の構築、生活基盤の強化、政策形成への寄与、人類・文化の発展への貢献などを考慮するほか、教育・人材養成への貢献の観点も必要。

○人文・社会科学については、文化や伝統とのかかわりが密接で、価値観の多様性を反映して評価の尺度も単純・一義的ではないという特性による、数値的指標の有効性や評価の普遍性の限界について、十分な配慮が必要。

○評価指標として活用し得る客観的データ、国際的研究動向、評価結果に関する情報、研究資源の配分状況その他の、我が国全体の情報の収集・整理・分析・提供を行い得る体制が必要で、学術情報センターのデータベースのデータの種類及び質・量の一層の整備・充実、並びにこれを活用するシステムの充実が必要。

○評価結果を社会へ積極的に発信していくことが重要。

II 研究課題の評価の在り方

1)経常的な研究資金による研究の評価

○専門研究者間における相互評価の一層の洗練や、自主的な評価への取組の展開が必要。

○所属大学等における自己点検・評価の一環としての展開も望まれる。

2)一般的な公募型研究の評価

○不採択理由の開示の一層の拡大や、優れた研究成果を社会へ発信していくシステムの整備等について検討していくことが必要。

○研究種目の目的・性格に応じた配分審査や、中間・事後評価の在り方等についても、充実のための検討を行っていくことが必要。

3) 学術政策上の見地から推進される研究の評価

○創成的基礎研究費(新プログラム方式による研究)について、評価結果の社会への発信や、プロジェクトの選定自体も含めた評価等に一層努めることが必要。

○日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業について、中間評価・事後評価の在り方を十分検討し、適切なシステムを整備することが必要。

(大型研究プロジェクトの評価)

○外国人研究者や外部有識者の意見を求めるなどによる評価の充実、評価結果等の社会への発信に一層努めることが必要。

○国際共同研究について、関係国間等の連携・協力による、効果的・効率的な評価を行うことが必要。

III 研究面における大学等の評価の在り方

1)自己点検・評価

○各大学等の実情に応じた実施体制の整備、外部の研究者や有識者の参加の促進、評価基準や方法の改善・充実等の取組の一層の推進等に努め、定期的な自己点検・評価の一層の定着を図るとともに、各大学等のこのような取組を支援していくことが必要。

○更に分かりやすい形での自己点検・評価の結果の社会への発信に努めることが必要。

2)大学共同利用機関についての評価

○利用者を含む、外部の研究者の参加を得た自己点検・評価を組織的・体系的に行うための、全機関的な組織の整備を図ることが必要。

○評議員会及び運営協議員会が有する評価機能の活用に一層努めるとともに、評価結果の社会への積極的な発信を行うことが必要。

○大学共同利用機関及び全国共同利用の国立大学附置研究所等について、自主的に行う外部評価を支援する措置の充実、及び研究活動・成果・評価結果等の国内外への公開活動を積極的に支援する措置の導入が必要。


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