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1部   未来を拓く学術研究
第3章   学術振興の新たな展開
第2節   新しい産学連携・協力を目指して
2   現状及び実績



(1) 文部省における諸制度の整備

ここでは、国立大学等に関する産学連携・協力の諸制度を中心に説明することとするが、私立大学等に対しても、例えば、学術フロンティア推進事業による共同研究推進センターの整備に対する助成や、私立学校を設置する学校法人への寄附金に対する税制上の優遇措置など、各般の措置を講じており、国公私立大学それぞれの特色に応じた産学の連携・協力の推進が期待される。

国立大学等については、次のような諸制度を設けており、産業界との研究協力に伴って導入される資金を公的資金として受け入れることにより、国立大学等と産業界等との研究協力を積極的に進めている。学術研究の一層豊かな展開を図るためには、研究財源の多様化の促進が求められるが、民間等外部からの資金は、科学研究費と並んで、学術研究の担い手である国立大学等の重要かつ貴重な研究資源の一つとなっている(1-3-3 )。


(ア) 民間等との共同研究

国立大学等の研究者と民間企業等の研究者が共通の課題について共同して研究を行う「民間等との共同研究制度」は、国立大学等の持っている研究能力と民間企業等が持っている技術力などを結集することにより、優れた研究成果が期待でき、幅広い分野で実施されている。この民間等との共同研究に対する期待は大きく、その件数は年々増加しているが、後に述べるように、制度の改善を図ったこともあり、今後さらに増加することが見込まれる(1-3-3 )。


(イ) 受託研究

民間企業や各省庁機関等が、研究開発の途上において、国立大学等の基礎的な研究の蓄積を活用し、より有効な研究開発等を行おうとする場合に、国立大学等に対して研究を委託する場合がある。この「受託研究制度」は、委託を受けた国立大学等の研究者が、民間企業等が負担する必要な経費をもって研究を進めるものであり、その成果を民間企業等に対して報告することにより、民間企業等の研究開発などに協力している。受託研究の受入れ実績は、昭和60年度に比べ、10年間でおよそ4倍になっている(1-3-4 )。

なお、平成7年度において、特殊法人等への出資金を活用した新たな基礎研究推進制度が開始され、そのうち、約70億円(152件)を受託研究として国立大学が受け入れている。


(ウ) 受託研究員

国立大学及び大学共同利用機関において、民間企業等に在職している技術者や研究者が、最新の研究動向などに応じた大学院レベルの研究指導を受けることができる「受託研究員制度」があり、技術者等が一層の資質や能力の向上を図り、その後の民間企業等での研究活動にその成果を生かしている。


(エ) 奨学寄附金

国立大学等は、民間企業や個人などから学術研究や奨学を目的とした寄附金を「奨学寄附金委任経理金制度」により受け入れている。

この寄附金は、国立大学が民間企業等から受け入れる資金の大部分を占め、その寄附金を使用する場合も、寄附を受け入れた国立大学等において柔軟な使用が可能であり、国立大学等の研究活動や国際交流などのための経費や学生の奨学のための資金として有効に使われている。

なお、国立大学等に対する寄附金には、国等に対する寄附金として、税制上の優遇措置が講じられている。


(オ) 寄附講座・寄附研究部門

国立大学及び大学共同利用機関においては、奨学寄附金により、寄附者が希望する講座や研究部門を寄附講座・寄附研究部門として開設することができる。寄附講座等は経済学や理工学、医学等の幅広い分野で開設されており、大学の教育研究活動の豊富化・活発化が図られている(1-3-4 )。


(カ) 共同研究センターの設置

文部省では、国立大学と社会との連携・協力を積極的に推進するため、これまでに42都道府県で49の国立大学に「共同研究センター」を設置している。このセンターは、産業界との連携・協力の国立大学の窓口として、民間等との共同研究、受託研究等を実施する場となるほか、民間企業等の技術者に対する高度技術研修や研究開発に関する技術相談等を行い、地域産業との連携・協力やその活性化に貢献している(1-3-5 )。

このほか、国立大学等において、社会との連携・協力の窓口となる事務組織として、「研究協力部・研究協力課」の整備を順次行っている。

1-3-2 産学の連携・協力に係る閣議決定等

1-3-3 国立大学等の産学の連携・協力関連制度の実績等(10年間の伸び)

1-3-3 民間等との共同研究の実施状況

民間企業との共同研究(半導体電子素子)

1-3-4 受託研究の受け入れ状況

1-3-4 寄附講座・寄附研究部門の設置状況

1-3-5 共同研究センターの設置状況


(2) 外部組織による産学の連携・協力体制
(ア) 日本学術振興会の産学協力事業

日本学術振興会では、学界と産業界の第一線の研究者により、「総合研究連絡会議」、「研究開発専門委員会」、「産学協力研究委員会」を設けて、研究分野、研究課題や技術開発上重要な主題を選定し、研究協議、情報交換等を行うなど、産学協力の新しい分野を開拓する場を提供している。総合研究連絡会議等において重要とされた研究課題の一部については、平成8年度から開始された「未来開拓学術研究推進事業」で取り上げて、研究を推進している。

また、日本学術振興会では、産学協力研究委員会が中心となって実施する国際シンポジウムに対する援助を行っている。


(イ) 研究助成法人等の活動

産業界等からの寄附金などにより、研究者に対する学術研究費の助成、褒賞の授与など、学術研究に関する研究助成を主な事業とする公益法人等が多数設立されており、学術の振興に大きな役割を果たしている。平成9年5月現在、132の財団法人と32の公益信託が学術研究に関する研究助成を行っている。


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