ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
1部   未来を拓く学術研究
第2章   学術振興の基本施策
第3節   国際的な学術交流・協力を推進するために
3   学術国際交流の動向



(1) 研究者交流の推進

研究者交流は、研究者個人間の信頼関係を築き、将来の共同研究につながる、学術国際交流に関し最も重視されるべき基本施策の一つである。特に若手研究者の交流は、研究者の独創性・国際性を養い、また、日本及び海外の研究環境を活性化させる観点から、極めて重要である。文部省では、既に述べた「ポストドクター等1万人支援計画」( 第2章第1節1(4)参照 )の一環として、日本学術振興会による以下の事業を行っている。

1) 海外特別研究員制度:我が国の若手研究者を海外の大学等学術研究機関に長期間派遣(平成8年度100人→9年度125人)
2) 外国人特別研究員制度:海外の若手研究者を日本の大学等学術研究機関に受入れ(平成8年度420人→9年度680人)

日本学術振興会では、このほかにも外国人研究者招致事業(短期・長期)などを実施しているが、今後もこれらの研究者交流事業の一層の充実を図ることが必要である。

さらに、文部省では、若手外国人研究者を国立大学又は大学共同利用機関に受け入れて、夏期2か月間、共同研究等に参加する機会を提供する「若手外国人研究者短期研究プログラム」(平成8年度20人→9年度80人)を実施している。


(2) 学術情報の国際交流の推進

学術情報の交流は、我が国の研究者に刺激を与えるとともに、我が国からの学術情報の発信につながる良い機会を提供する。このような観点から、文部省では、海外で開催される国際研究集会への研究者の派遣や、国立大学等が開催する国際シンポジウムに対する経費の援助などを実施している。


(3) 国際共同研究事業の推進

高度化・大型化・多様化した学術研究における国際協力・国際貢献や、日本がリーダーシップをとる国際共同研究の実施は、ますます重要になっている。文部省では、科学研究費「国際学術研究」により、大学等の研究者グループが実施する共同研究や学術調査を支援している(1-2-17 )。

また、日本学術振興会の行うアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを対象とするアドバンスト・リサーチ(先端研究)国際協力事業、イギリス、ドイツ、フランスを除くヨーロッパ諸国を対象とする日欧科学協力事業により、共同研究・セミナーが実施されている。

特に、巨額の資金を必要とし、また、多数の国の参加を必要とするような国際的研究事業については、諸外国と協調することはもとより、計画の段階から積極的に参画し、優れた研究テーマを提唱していく姿勢が重要である。

例えば、我が国は、欧州原子核研究機関(CERN)の大型陽子・陽子衝突型加速器(LHC)の建設に対して、拠出金を支出するなど財政面で協力すると同時に、CERNの理事会にオブザーバーとして参加し、実験に使用される測定器の開発に当たっても、設計段階から、我が国の学術的な関心や技術水準に応じて、その重要部分を責任を持って製作することとしている。これは、開発段階から日本の主体性を維持しつつ国際貢献を行っている国際共同研究の一例である。

さらに、現在ハワイのマウナケア山頂に建設中の大型光学赤外線望遠鏡「すばる」( 第2章第2節2(オ) 参照)に平成9年度から教職員が赴任した。今後、このような海外研究拠点を中心とした国際交流支援事業等の在り方について検討する必要がある。

1-2-17 科学研究費(国際学術研究)申請研究、採択件数及び予算額の推移


(4) アジア諸国等との学術交流の推進

アジア諸国等との学術交流の推進は、相手国の学術研究基盤の向上のみならず、アジア地域に共通する課題の解決に我が国の学術研究が貢献するという重要な意義を有している。また、日本学術振興会では、各国のニーズに合った特定の研究分野ごとに、相手国側と日本側にそれぞれ中核となる「拠点大学」を設け、その他の大学の協力を得て、共同研究やセミナー等の大学群間の組織的な学術交流を図る「拠点大学方式による交流」事業を実施している。さらに、我が国の論文博士号取得を希望するアジア諸国の若手研究者に対し、我が国への招聘(しょうへい)、また、必要に応じ我が国の指導教官を派遣して研究指導を行う「論文博士号取得希望者への援助」事業等を実施している。

なお、アジア太平洋諸国のみならず、欧米のいわゆる学術先進国や東欧諸国等との学術国際交流・研究を進めるためには、各国の学術研究体制、研究者育成の状況やニーズの違いに適切に対応できるよう、共同研究、セミナー、人物交流等の事業を組み合わせる等のきめ細かな対応を行っていく必要がある。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ