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1部   未来を拓く学術研究
第1章   学術振興の基本的考え方
第2節   科学技術創造立国を支える学術研究
2   基礎研究の重要性


大学においては、研究者の自由な発想に基づき幅広い研究が行われるとともに、その成果が体系的に教育に活用され、社会の各方面で活躍する人材が養成されている。

研究は、人文・社会科学を含め、広範多岐にわたり、その総体を一体的にとらえることが基本であるが、知見を得ることと、その実用・利用を図ることとの対比から、これまで、 基礎研究、応用研究、開発研究といった分類が用いられてきている( 第2章第1節2(1) 【用語解説】参照)。平成7年度における我が国の大学の研究費(自然科学関係)に占める基礎研究、応用研究、開発研究の割合は、それぞれ53.0%、37.6%、9.3%となっている。これに対し、会社等については、それぞれ6.6%、22.0%、71.3%である(1-2-7参照 )。

したがって、我が国の大学は、我が国における基礎研究の中心的な担い手であり、基本的に、このような基礎研究の中心的な担い手としての役割を大学以外に期待することはできないのである。同時に、我が国の大学は、基礎研究と一体的に応用・開発研究をも推進するとともに、その成果を不断に教育・人材養成に活用・還元している。

なお、基礎研究の重要性については、科学技術基本計画や1996(平成8)年11月にドイツの学術協議会が公表した「大学における研究に関する10の提言」において、次のように述べられている。

科学技術基本計画

「物質の根源、宇宙の諸現象、生命現象の解明など、新しい法則・原理の発見、独創的な理論の構築、未知の現象の予測・発見等を目指す基礎研究の成果は、人類が共有し得る知的資産としてそれ自体価値を有するものであり、人類の文化の発展に貢献するとともに、国民に夢と誇りを与えるものである。また、そのような新たな研究成果は、時に、技術体系の革命的な変貌や全く新しい技術体系の出現をもたらし、社会に様々な波及効果を与える。さらに、自然と人間に対する深い理解は、人類が自然との調和を維持しつつ発展を続ける大前提でもある。このような重要性にかんがみ、基礎研究を積極的に振興する。」

ドイツ学術協議会「大学における研究に関する10の提言」

「基礎研究は、広範な知識の発展…の前提である。また、基礎研究は、長期的に、科学技術の革新や実用能力を確保する。このような基礎研究の意義からは、経済・産業・技術上の評価から直接導かれた基準によって、その振興を限定すべきでない。…大学は、研究者の自由意思に基づく基礎研究遂行の場として最も重要である。…大学における研究は、特定の領域における知識の発展のみに資するものではなく、あらゆる領域において、既に得られた知識・方法や理論の再生を保証する。…基礎研究は、短期的な助成によって効果を上げることは不可能であり、ある程度柔軟な時間の幅が必要であることに留意すべきで、その継続的な助成が、長期的には、効率的な資金配分にも資する。一方、大学の応用研究は、基礎研究と密接な関係にあり、両者の間に流動的な移行関係が存在する点に特色がある。応用研究を進める前提として、その成果を活用する学外の者との効果的な協力関係の確立が重要である。」

また、アメリカでは、1994(平成6)年2月に公表された「国益としての科学」において、アメリカの将来のために科学への投資を最優先課題とし、とりわけ、基礎研究への継続的投資が不可欠との認識の下に、基礎科学及び教育の目標を設定し、その達成のために連邦政府と産業界、大学・学校、州政府等との提携の強化が提言されている。さらに、1996(平成8)年4月に、大統領の諮問を受けて競争力審議会が取りまとめ、公表された「限りないフロンティア、限りある資源」においては、大学について、科学技術に係る人材養成・教育機能の強化、産業界との提携の強化などが提言されている。


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