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2部   文教施策の動向と展開
第12章   21世紀に向けた文教施設づくり
第2節   特色ある学校施設の充実に向けて
1   学習ニーズの変化に応じた特色ある学校施設づくり



(1) 学校施設整備の指針等の策定

文部省では、学校施設として必要な機能及び環境を確保するため、従来から、学校を設置する地方公共団体等に対して、建築計画及び設計の際の技術的な留意事項を示し、学校施設の質的な向上を図っている。

近年、教育内容、教育方法等の多様化や弾力化、地域住民の学習需要の高まりなど学校を取り巻く情勢は著しく変化してきており、このような状況に対応した特色ある学校施設づくりを進めるため、学校施設の多機能化、高機能化、情報化等に関するこれまでの調査研究の成果や学習指導要領の改訂等を考慮し、平成3年度から「学校施設整備指針策定に関する調査研究」を実施している。

その調査研究の成果に基づいて、平成3年度に小学校及び中学校、4年度に幼稚園、5年度に高等学校、7年度に盲学校、聾学校及び養護学校の施設整備指針を策定した。

学校施設整備指針について

学校施設整備指針は、教育環境を適切に確保し、幼児児童生徒が生き生きと学習、生活を行うことのできる施設の整備の推進をねらいとして、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校など各学校種別に応じ、校舎、屋内外の体育施設、屋外環境など学校施設全般にわたる基本的な整備の方針、計画・設計上の考え方を詳細に示したものである。

この指針では、学校施設整備の基本方針として次の点が掲げられている。

1) 高機能かつ多機能で弾力的な学習環境の整備

近年の教育内容、教育方法等の改善などに対応して、多様な学習形態、コンピュータその他の教育機器の導入等を可能とする多目的スペースやコンピュータ教室をはじめとする高機能かつ多機能な学習環境を確保し、更に、今後の学校教育の進展に、必要に応じた改修、増改築等も含めて長期にわたり対応できるような柔軟な計画とすること。

2) 健康的かつ安全で快適な施設環境の確保

児童生徒等の学習及び生活のための空間として、成長過程にある児童生徒の健康と安全を十分に確保することはもちろん、語らいや休息の場の設定など豊かな人間性をはぐくむ環境づくりなどを通じて、魅力に富み、快適で豊かな施設環境を確保すること。

3) 地域の生涯学習やまちづくりの核としての施設の整備

地域住民にとって最も身近な公共施設として地域社会の核となるように、高度化、多様化しつつある地域住民の学習需要に対応して学校開放を進めるなど生涯学習の場として積極的に活用できる施設として整備すること。

さらに、学校施設整備指針に示された基本的な留意事項に基づき、具体的な教育内容等の変化に対応した施設整備のために「生活科のための施設・環境づくり(平成6年1月)」、「外国語教育のための施設・環境づくり(平成6年5月)」を発刊した。これらは、小学校低学年の教科として新設された生活科、コミュニケーション能力育成を一層重視する観点から改善された中学校及び高等学校の外国語教育の実施に対応した、施設整備の方策や具体的な留意点等をまとめたものである。さらに平成7年10月には、地域の学習環境の向上のため、学校施設の開放に対応する施設整備上の基本的な考え方や取組事例をまとめた「学校開放のための施設・環境づくり」を発刊した。

一方、現在、児童生徒数の減少に伴い発生している余裕教室の有効利用が求められており、文部省では、平成5年4月、余裕教室の活用を図る際の計画策定及び実施についての基本的考え方、留意点等を取りまとめた「余裕教室活用指針」を策定した。その中では、余裕教室活用計画の策定及びそのための検討体制として余裕教室活用計画策定委員会の設置の必要性を指摘しており、基本的考え方として、余裕教室を活用する際には、まず学校施設として十分な活用を行い、これらの施設整備が十分図られている場合には積極的に他の用途に活用するように指導している。

余裕教室の活用について

余裕教室は、平成7年5月1日現在で、全小中学校の普通教室の約10%に当たる5万2,000教室あるが、その約83%について多目的スペースやコンピュータ教室など特別教室等としての活用又は学校施設以外への転用が計画されている。

なお、平成7年度においては、余裕教室を活用し、必要に応じて備蓄倉庫等を整備する際に大規模改造事業の補助対象とした。

さらに、余裕教室を学校教育目的以外の施設に転用する場合、原則として文部大臣の個別の承認が必要となるが、社会教育施設や文化施設等に転用する場合については、従来から報告書の提出をもって文部大臣の承認があったものとして取り扱ってきた。これを、平成7年度には、老人デイサービスセンター等利用型の老人福祉施設や地域の防災施設(防災センター、備蓄倉庫等)に転用する場合についても同様の取扱いとする、手続の簡素化を行った。


(2) 学校用家具の整備

学校用家具は、日常の学校生活において身近に使用されており、児童生徒の健康や学習能率に影響を及ぼすことから、児童生徒の体位、学習活動などに適切に対応した家具を開発し、整備する必要がある。

文部省では、従来から児童生徒の体位、学習内容等に対応した各種学校用家具の形状、寸法、機能等に関する調査研究を行い、その成果を基に日本工業規格(jis)の制定及び改正の原案を作成している。現在、19件の学校用家具のためのjisがあり、これらの規格の普及を図るための手引書を作成し、教育委員会等を指導している。

また、平成元年度から学校教育の情報化・多様化に対応した学校用家具の開発に関する調査研究を実施し、その調査研究の成果を基に、3年度には「コンピュータ学習用家具の手引」を、5年度には「多目的スペース用家具の手引」をそれぞれ作成し、各学校の実情に応じ適切なコンピュータ学習用家具及び多目的スペース用家具の整備の普及・啓発に努めている。さらに、5年度からは特別教室における、情報化・多様化に対応した家具に関する調査研究を実施し、7年度からは普通教室における同様の調査研究を実施している。

様々な活動に対応する多目的な空間(静岡県)


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