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2部   文教施策の動向と展開
第12章   21世紀に向けた文教施設づくり
第1節   新たな時代に応じた文教施設の取組
2   より良い教育環境を守るために



(1) 文教施設の維持保全

現在、学校教育施設と社会教育施設を合わせた文教施設は、全国でおよそ3億2,000万u(延べ床面積)に及ぶ膨大な量があり、この中には経年劣化が進んでいるものも相当量ある。また、近年、教育研究の多様化等に対応した施設や、地域における防災機能を考慮した施設の整備が行われている。これらの施設を安全で良好な状態に保ち、より効果的に活用し、時代の要請に即した施設水準を確保するとともに、災害時においてもその機能を十分に発揮するためには、適切な修繕、更新及び保守点検等の維持保全が必要となっている。文部省では、このような情勢の中で、適切な維持保全のために次のような施策を実施している。

第一に、適切な維持保全に関する普及・啓発である。学校施設は心身ともに成長過程にある児童生徒の生活の場であり、常に教育環境として良好で安全な状態に維持することが重要である。このため、維持保全に関し基本的な方針と具体的な留意点について、学校の設置者に対して指導している。さらに、文化施設等に対しても各地方公共団体を通じて、各施設の適切な維持保全に関する普及・啓発を行っている。また、文教施設を火災・地震及び台風等の被害から防護し、電気・ガス・給排水設備等のライフラインの被害を最小限にとどめるため、定期的な安全点検や災害が発生する恐れがある場合の緊急点検等を行い、適切な予防処置を行うことにより、文教施設の安全性の向上に努めるよう指導している。

第二に、国立文教施設における維持保全に関する基準類の作成と啓発である。国立文教施設における維持保全の充実を図るために維持保全の実態の把握に努め、保全業務の適正な執行のために必要な基準類の整備を行い、適切な維持保全に努めている。また、維持保全をより効果的に行うためには、施設利用者と管理者の一体となった取組が必要である。このため、保全の啓発用パンフレット等により、維持保全についての理解と積極的な取組を呼び掛けている。


(2) 環境を考慮した文教施設の整備

近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊等の地球的規模の環境問題が社会的に大きく取り上げられ、環境保全への対応の必要性が高まってきている。このため、文部省においては、大気汚染及び騒音等に対する学校施設の公害防止対策や環境教育の充実を図っている。

今日の文教施設には、生涯学習活動を支援するための拠点として高機能化や快適性等が求められており、使用エネルギーの増加が予測される。このため、今後の文教施設の整備に際しては、環境への負荷の低減を図る等、環境を考慮した施設づくりを推進することが重要である。

文部省では、このような状況を踏まえ、平成6年度から環境を考慮した学校施設に関する調査研究を実施し、8年3月、環境への負荷の低減を目指した学校施設整備を推進していく上での基本的な考え方や方策等についての報告書「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備について」を取りまとめた。

その中では、「エコスクール」とは施設面、運営面で環境への負荷の低減を目指したものであり、このような特徴を環境教育にも活用できる学校施設と定義している(2-12-1 )。また、整備に当たって施設面では、地球、地域、児童生徒にやさしく造ることについて、運営面では、建物、資源、エネルギーを賢く・永く使うことについて、教育面では、施設、原理、仕組みを学習に役立てることについての計画、工夫等を検討し、それぞれに関して、建設後の維持・管理、改造、解体までのライフサイクルを視野に入れた総合的な評価に基づく組合せが必要であるとしている。

2-12-1 環境を考慮した学校施設(エコスクール)のイメージ図


(3) 文教施設の防災対策

文部省では、文教施設の整備に関して、児童生徒等の安全と教育研究環境の確保及び被災した場合の被害の拡大防止の観点から、災害に対する安全性に十分配慮するよう指導している。

学校施設等は災害の発生時には地域住民の応急避難所となる場合も多いことから、地域の防災計画との連携を考慮し、その役割に応じて建物の構造等についての安全性の確保、防災機能の強化に努める必要がある。

さらに、先の阪神・淡路大震災を契機とし、地震対策の更なる充実強化が求められたことから、新たに建設する建物の構造について耐震構造設計を実施するとともに、既存施設についても耐震診断及び必要な耐震補強工事を実施するなど、その耐震化を一層推進している。また、公立学校施設について、地域の実情を考慮して備蓄倉庫の整備等防災機能の強化を推進している。

このほか、学校施設等の災害復旧事業や震災対策事業等、火山災害対策事業等に対する補助を行うなど、文教施設の防災対策を進めている。


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