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2部   文教施策の動向と展開
第11章   情報化の進展と教育・文化・スポーツ
第2節   マルチメディア時代に向けた教育分野の取組
2   高等教育におけるマルチメディアの活用と情報技術者の養成



(1) マルチメディアの高等教育への活用

高等教育においては、教育内容・方法の改善・充実をはじめとして様々な改革を進めているところであるが( 第4章第1節参照)、その一環として、各種のメディアを教育に活用する取組が始められている。


(ア) 各高等教育機関における取組

通信衛星や光ファイバー等により、テレビ会議の形式による遠隔教育が可能になってきた。その仕組みを利用して、複数の大学の間で、シンポジウムや合同授業を行ったり、分散キャンパスの間で、学部を超えて共通科目の授業を行うなどの取組が見られている。また、インターネットにより、情報を収集したり、電子メールによる情報のやりとりを行うところが増えている。さらに、各種のメディアを語学等において活用したり、コンピュータ・シミュレーション等を取り入れるところも増えている。


(イ) 文部省における取組

文部省では、大学や高等専門学校等を通信衛星で結ぶことにより、交換授業等の遠隔教育を行う「スペース・コラボレーション・システム事業(衛星通信大学間ネットワーク構築事業)」を実施することとしている(2-11-1 )。

また、

1) 今後のマルチメディア時代における新しい高等教育システム・教育方法の開発、
2) マルチメディア分野の研究者や技術者の養成、
3) マルチメディアの先端的研究等、

についてパイロット的な役割を果たすことを目的とするモデル大学を設定し、多様なマルチメディア設備を集中的に導入したパイロット事業を始めている(2-11-2 )。

このほかにも、私学助成において、学内lanの整備の推進をはじめ、私立大学における高度情報化への各種の取組に対する支援を行っている。

こうした取組が進んでいる状況を踏まえ、高等教育における今後のマルチメディアの活用に関して、平成8年7月に、「マルチメディアを活用した21世紀の高等教育の在り方に関する懇談会」の報告を取りまとめた(2-11-3 )。

2-11-1 スペース・コラボレーション・システム事業(イメージ図)

2-11-2 マルチメディア・ユニバーシティ・パイロット事業(イメージ図)

2-11-3 マルチメディアを活用した21世紀の高等教育も在り方に関する懇談会(報告)


(2) 情報技術者の養成

情報化の進展の中で高等教育が果たすべき役割は、第一に、情報化社会を支える高度の情報技術者・研究者の養成である。高度の情報技術者に対するニーズは年々高まっており、今後のマルチメディア社会の到来に備えるためにも、高度の技術者の養成、情報処理教育の質的充実を積極的に進めていくことが必要である。特に、情報通信関係の分野は、技術革新が急速であることから、リフレッシュ教育に対するニーズが高く、大学院等における現職技術者の受入れを推進することが重要となっている。

また、現代社会では、あらゆる職業において情報活用能力が要求されるようになってきていることから、すべての学生が情報を処理・活用できる能力を身に付けることを目指して、一般情報処理教育の充実を図っている。


(ア) 大学・高等専門学校等の整備

今後必要とされる高度の専門的知識を有した技術者や研究者を育成するためには、特に大学院に重点を置いた整備が重要である。平成8年度においては、九州大学システム情報科学研究科を設置したほか、3大学において三つの情報関係の専攻を設置した。

リフレッシュ教育に関しても、先端科学技術大学院大学(北陸・奈良)、電気通信大学情報システム学研究科等で、社会人の積極的な受入れを行っている。また、大学の学部についても、平成8年度には、12大学15学部において学科の改組を行うなど情報関連の学科の整備に積極的に取り組んでいる。

さらに、高等専門学校についても、教育研究情報の迅速な流通と、情報化社会を担う人材養成の環境を整備するという観点から、平成7年度中に、すべての国立高等専門学校に校内lanを整備した。


(イ) カリキュラムの開発及び教員の資質能力の向上

文部省では、平成6年度までに、情報システム学、一般情報処理教育、短期高等教育における情報処理教育についてそれぞれ標準カリキュラム開発のための調査研究を進めてきたが、7年度からは、工学系学部の専門基礎としての情報処理教育について、標準カリキュラム開発のための調査研究を実施している。

また、一般情報処理教育の担当教員を対象とした情報処理教育研究集会や高等専門学校の教員を対象とした講習会を開催するとともに、内地研究員の派遣(平成4年度から、民間企業への派遣も可能)を行うなど、教員の資質向上に努めている。


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