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2部   文教施策の動向と展開
第11章   情報化の進展と教育・文化・スポーツ
第2節   マルチメディア時代に向けた教育分野の取組
1   初等中等教育における情報化への対応


今後一層の進展が予想される社会の情報化に対応していくことは、これからの学校教育の重要な課題であり、このような社会に生きる児童生徒に必要な資質を養うとともに、情報手段の活用による学校教育の活性化を図るという観点に立って、情報化への対応を進めていく必要がある。

初等中等教育における情報活用能力の育成については、現行の学習指導要領において次のような内容を示し、充実を図っている。

1) 中学校で、数学、理科においてコンピュータに関する内容の充実を図るとともに、技術・家庭に新たに「情報基礎」領域を設けた。
2) 高等学校で、数学、理科においてコンピュータに関する内容の充実を図るとともに、普通科においても「情報」などの教科・科目を設けられるようにした。また、職業学科においては商業、工業において情報処理教育を充実するとともに、家庭、農業、水産、看護においても情報に関する科目を取り入れた。
3) 小・中・高等学校を通じて、各教科等の学習指導に当たって、コンピュータ等の適切な活用を図ることとした。

文部省ではこのような学習指導要領の円滑な実施をはじめ、情報化に対応した教育の一層の充実を図るため、次のような施策を進めている。

コンピュータを使った楽しい生活科の授業(愛知県岡崎市立藤川小学校)


(1) コンピュータの計画的整備

平成6年度からおおむね6年間で、公立学校における教育用コンピュータの整備目標を、小学校で22台(児童2人に1台)、中学校で42台(生徒1人に1台)、普通科高等学校で42台(生徒1人に1台)、特殊教育諸学校で8台(児童生徒1人に1台)としてその整備を図ることとし、これに必要な経費について地方交付税により措置されている(2-11-1 )。

2-11-1 公立学校へのコンピュータの設置状況


(2) ソフトウェアの整備・充実

多様な教育活動に適切に対応する優れた学習用ソフトウェアを学校に提供するため、平成6年度から、情報処理技術者等が参画する教育委員会及び民間団体等の開発チームに「学習用ソフトウェア研究開発事業」を委託しており、8年度は20チームに委託している。

また、平成7年度から、学校関係者に対し、学習活動等に最適な教育用ソフトウェアの選択の機会を提供する「教育用ソフトウェアライブラリセンター」を全国的に整備するため、補助事業を実施している。国立教育会館においても、7年度から地方公共団体が設置する教育用ソフトウェアライブラリセンターの中核的機能を果たすため、「ソフトウェアライブラリ総合センター」を開設している。

なお、学校におけるソフトウェアの整備に必要な経費が、平成2年度から地方交付税により措置されている。


(3) 教員研修の充実

情報活用能力育成のための教育を充実していくため、次のような研修を実施し、教員の指導力向上に努めている。


1) 情報処理教育担当教員等養成講座

高等学校の職業教科及び中学校技術の情報処理に関する教育を担当する教員等を対象に研修を実施している。


2) 情報教育指導者講座

中学校、高等学校の数学、理科の教員及び各都道府県の数学、理科担当指導主事等を対象に研修を実施している。


3) コンピュータ基礎研修

平成7年度から、各都道府県・指定都市において実施されている教職経験者研修を拡充し、10年、20年等の教職経験を持つ教員全員を対象としたコンピュータ基礎研修を実施している。


4) 情報処理技術者等の活用

教員の研修機会の確保と指導力向上を図るため、平成6年度から、教員研修やコンピュータを利用する授業において、コンピュータの専門家である情報処理技術者等を非常勤の講師として委嘱し、専門的知識の助言及び技術指導等を行っており、これに必要な経費が、地方交付税において措置されている。


(4) 高等学校における情報技術者の養成

高等学校における情報技術者の養成は、主として工業の情報技術科、商業の情報処理科等において行われ、産業社会における急速な情報化の進展に対応した特色ある学科の設置が進められている(2-11-2 )。

2-11-2 高等学校における情報関連学科数及び生徒数の推移


(5) 新しい情報手段の活用及び開発

平成4年度から、機器利用研究指定校を設け、学校におけるコンピュータ等の教育機器を活用した学習指導等に関する研究を進めており、8年度は全国で47校を指定している。新たに、8年度からは、マルチメディア国際交流推進研究指定校を15校指定し、マルチメディアやネットワークを利用した国際交流の実施等に関して実践的な調査研究を進めている。なお、6年度から通商産業省と協力して、ネットワーク利用環境提供事業(通称:100校プロジェクト)として、インターネットによる先導的な実践研究を実施している。

また、平成7年度から、近年の情報通信基盤の急速な進展に対応して、情報ネットワーク活用推進地域を指定し実践的な調査研究を実施しているほか、へき地や離島等の学校と都市部の学校等とを、光ファイバーや通信衛星によって接続し、双方が一体となった授業等を行うために必要な設備の導入と効果的な活用方法の研究開発を実施している。

このほか、国立教育会館においては、平成7年度から、総合的な教育関係情報提供システムの構築を図るための検討を行っている。また、都道府県等で実施する教員研修事業に高度情報通信ネットワークを活用することは、極めて有効な手段と考えられることから、衛星通信を活用した研修支援の実践研究を行っている。


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