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2部   文教施策の動向と展開
第10章   教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第4節   人づくり等に貢献する国際協力
2   国際機関を通じた協力



(1) ユネスコ事業への参加・協力

ユネスコは、教育・科学・文化の分野における国際協力の促進を通じて平和に貢献することを目的とする国連専門機関である。我が国は、開発途上国の識字教育への協力、国際的な共同研究や学際的なプロジェクトへの参加、世界遺産をはじめとする文化遺産の保存などを通じて、ユネスコ関係事業に積極的に参加・協力してきている(2-10-6 )。

2-10-6 我が国が協力しているユネスコの主な事業

平成7年は、昭和20年にユネスコ憲章が採択されてから50周年に当たり、これを記念する行事・事業が各国で行われた。我が国においても、10月24日の記念切手の発行、11月16日の文部省、外務省及び日本ユネスコ国内委員会の主催による記念式典の開催をはじめ各種の記念事業が実施された。

ユネスコを通じた識字教育協力

ユネスコの推計によると、1995年(平成7年)の世界成人非識字者の数は8億8,500万人で、15歳以上の人口の23%が読み書きができない。男女別に見ると同年の非識字率は成人男性16%、成人女性29%であり、女性の非識字者数は男性の非識字者数の約2倍近くになっている。また、地域別にみると非識字者の約70%はアジアに集中している。なお、世界の識字率は1990年から1995年の5年間で約2%上昇していると見られている。

非識字の問題の解決は、地球的規模で取り組むべき緊急の課題であり、1990年(平成2年)の「国際識字年」を契機として、ユネスコ等の国際機関において、識字普及のための各種の協力事業を実施してきている。

我が国は、ユネスコの教育協力事業への参加・協力、ユネスコへの識字教育信託基金の拠出、(財)ユネスコ・アジア文化センター(accu)による事業等を通じて、アジア・太平洋地域における識字の普及に積極的に協力している。

さらに、accuでは、平成6年度から新たに「女性のための識字教育モデル事業」を開始した。この事業は、accuが国内外のngo(民間援助団体)と協力して、アジア・太平洋地域の開発途上国において識字教育モデルセンターを設置し、ハード面で識字教育施設の整備を行うとともに、現地の識字教育指導者の養成や識字教材の制作・配布を通じて、識字教育のソフト面での充実にも協力するものである。平成7年度は、バングラデシュ、パプアニューギニア及びフィリピンの3か国において本事業を実施した。

また、(社)日本ユネスコ協会連盟では、開発途上国のngoが行う識字教育活動を支援する「世界寺子屋運動」を実施している。

識字教室で学習する女性たち(フィリピン)


(2) oecd(経済協力開発機構)事業への参加

oecdの事業活動の主要な目的は、先進諸国が共同して政策課題の調査・研究及び比較分析を行うことを通じて、その成果を各国の政策形成に活用することである。教育の分野においては教育委員会及び教育研究革新センター(ceri)の二つの機関を設置して、教育政策に関する各国間の連携・協力及び情報交換を推進している。現在、生涯学習の推進が大きな政策課題となっており、平成8年1月に開催された教育大臣会議では、21世紀に向けて人々の生活を豊かにし、社会・経済の発展を図る上で、すべての人々が生涯を通じて学習を行うことの重要性が確認された。文部省では、こうしたoecdの事業活動への参加を図るとともに、oecd加盟各国に共通する教育政策上の重要課題につき知見を交換するoecd/japanセミナーを、oecdとの共催で我が国において開催している。

第4回oecd/japanセミナー


(3) apec事業への協力

apec(asia-pacificeconomiccooperation:アジア・太平洋経済協力)は、アジア・太平洋の18か国・地域が参加する地域協力である。apecの活動は、貿易・投資の自由化・円滑化などの経済問題とともに、教育を主体にした人材養成や技術協力などの分野での国際的な取組をも積極的に行っている。平成6年11月にジャカルタで行われた閣僚会議では、「apec人材養成枠組み宣言」が採択され、翌年11月に大阪で行われた閣僚会議では、人材養成を含む行動指針が採択されるなど、apecにおける人材養成分野の取組の重要性が増大している。文部省は、apecの「人材養成ワーキング・グループ」の中にある「教育フォーラム」において、教員養成などのプロジェクトに参加している。

また、平成6年5月にシアトルで開催された「apec首脳教育イニシアティブ会合」では、アジア・太平洋地域における経済協力をはじめとする研究を行う「apec研究センター」構想に関する具体的な議論が行われ、各国・地域がそれぞれ取組を進めている。我が国は、国際開発援助に関する大学院研究科を設置する6つの国立大学及び2研究機関が中心となって、「apec研究センター」のコンソーシアム(緩やかな連合体)を形成した。ここでは、インターネットのホームページを開設し、apecに関する情報を世界に提供している。7年3月及び同年9月には、同コンソーシアムと文部省との共催により「apec研究センター」に関する国際会議「21世紀に向けて:apec首脳教育イニシアティブへの貢献」を東京で開催した。この会議には15か国・地域からの参加があり、「apec研究センター」構想の各国における実現に大きく貢献した。


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