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2部   文教施策の動向と展開
第9章   新しい文化立国を目指して
第7節   宗教法人と宗教行政


現在、我が国には、教派、宗派、教団といった大規模な宗教団体や神社、寺院、教会等の大小様々な宗教団体が存在し、多様な宗教活動を行っている。そのうち、18万4,000に上る宗教団体が、宗教法人法に基づく宗教法人になっている(2-9-4 )。

2-9-4 全国の宗教法人数

現在の宗教法人制度を規定する宗教法人法は、昭和26年4月3日に公布、施行された。同法の目的は、宗教団体に法人格を与え、宗教団体が自由で自主的な活動を行うための物的基礎を確保することにある。このため、憲法の保障する信教の自由、政教分離の原則に対する配慮の下に、宗教団体の責任を明確にするとともに、その公共性に配慮を払っており、自由と自主性、責任と公共性を骨子として全体系が組み立てられている。

また、宗教活動の自由を最大限に保障するため、基本的には、所轄庁の関与をできるだけ少なくし、各宗教法人の自主的、自律的な運営にゆだねている面が多い。

しかしながら、法制定以降の社会状況の変化や宗教法人の実態の変化によって、制度が実態に合わない面が生じ、宗教法人制度やその運営の在り方、宗教法人の活動の在り方について、各方面から問題点が指摘され、その見直しを図るべきとの世論が高まった。

このため、宗教法人審議会において、全国的な宗教活動を行う宗教法人の所轄の在り方、宗教法人の情報開示の在り方、設立後の活動状況の把握の在り方などについて検討が行われ、同審議会の報告(平成7年9月)を受けて、政府は宗教法人法の改正を行った。改正宗教法人法は8年9月15日に施行された。

宗教法人法改正の概要

1 宗教法人の所轄庁の一部変更

複数の都道府県内に境内建物を備える宗教法人及び当該宗教法人を包括する宗教法人の所轄庁を文部大臣とする。

2 備付け書類の見直しと所轄庁への提出

(1) 宗教法人は、新たに収支計算書を作成し、これを事務所に備え付けなければならないこととする。(収支計算書については、当分の間、収益事業を行わない場合であって、かつ、一会計年度の収入の額が8,000万円以内の法人は、その作成義務を免除する。)

(2) 宗教法人は、毎会計年度終了後4月以内に、備付け書類のうち、役員名簿、財産目録、収支計算書、貸借対照表(作成している場合に限る。)、境内建物(財産目録に記載されているものを除く。)に関する書類、事業に関する書類の写しを所轄庁に提出しなければならないこととする。

3 信者その他の利害関係人による事務所備付け書類の閲覧

宗教法人は、信者その他の利害関係人で、事務所備付け書類の閲覧につき正当な利益があり、かつ、不当な目的によるものでない者から請求があったときは、これを閲覧させなければならない。

4 宗教法人審議会の委員の増員

宗教法人審議会の委員数の上限を15人から20人に増やす。

5 所轄庁の報告徴収及び質問

宗教法人について、収益事業の停止命令、認証の取消し、解散命令の請求の事由に該当する疑いのあるときは、所轄庁は、宗教法人審議会に意見を聞いた上で宗教法人に報告を求め、質問ができることとする。なお、施設に立ち入って質問をするときは、宗教法人の関係者の同意を必要とする。

なお、改正宗教法人法の円滑な施行に向けて、平成7年12月26日付けで、都道府県知事及び文部大臣所轄宗教法人に対し、改正法の内容について通知を行った。また、同年12月に都道府県の宗教法人事務担当者に対して、8年1月に文部大臣所轄宗教法人の事務担当者に対して、改正法の内容について説明を行った。

オウム真理教については、平成7年6月30日に東京都知事及び東京地方検察庁検事正から東京地方裁判所に解散命令の請求が行われ、10月30日に東京地方裁判所からオウム真理教に対して解散命令の決定が出された。これに対して、オウム真理教は11月2日に即時抗告をしたが、12月19日、東京高等裁判所はこれを棄却する決定を行った。さらに、オウム真理教は、12月22日に特別抗告をしたが、8年1月30日、最高裁判所はこれを棄却し、オウム真理教の解散が確定した。

また、オウム真理教に対しては、国や、地下鉄サリン事件など一連の事件の被害者らが破産宣告の申立てをしていたが、平成8年3月28日、東京地方裁判所は破産宣告の決定を行い、オウム真理教の破産も確定している。現在、裁判所が任命した破産管財人の下で教団財産の整理が行われている。

文化庁では、宗務行政の円滑な推進を図るため、平成8年度には、宗教法人の適正な管理運営についての手引書や指導書を作成するほか、宗教法人の関係者等に対する実務研修会や都道府県宗教法人事務担当者等を対象とした事務研修会の機会を一層充実し、宗教法人の法人意識の定着と事務管理能力の向上が図られるよう努めている。また、文化庁内に、新たに宗教法人室を設置し、宗教法人行政の円滑な実施のための体制の整備を図った。

なお、平成8年度には、国内外における宗教事情、宗教法人などについては、最近における現状が十分把握されていないことから、宗教団体をめぐる諸状況についての調査研究、分析を実施する。また、広く一般の国民の要望にこたえ、宗教全般について、情報の収集、提供及び相談等に関する調査研究を実施する。


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