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2部   文教施策の動向と展開
第9章   新しい文化立国を目指して
第4節   文化財を後世に伝えるために
3   史跡等の保存・整備



(1) 指定

文化財保護法上、貝塚・古墳・城跡等の遺跡、庭園・峡谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質鉱物等のうち、歴史上、学術上、芸術上または観賞上価値の高いものを総称して記念物という。国は、記念物のうち重要なものをそれぞれ史跡、名勝、天然記念物に指定し、そのうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物に指定し、その保護を図っている。

現在、史跡は新発見の遺跡、中世の城郭、産業・交通関係の遺跡を中心に、名勝は庭園を中心に、天然記念物は動植物の全国実態調査により保存すべきであるとされたものなどを中心に、指定を進めている。また平成7年1月に近代の文化遺産の保存と活用に関する調査研究協力者会議の報告(記念物分科会関係)がなされ、同年3月史跡の指定基準の改正が行われたことを受けて、同年6月に旧横浜正金銀行本店(神奈川県)、及び原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)(広島県)、平成8年6月に琵琶湖疏水(京都府、滋賀県)の近代の文化遺産3件について史跡指定を行った。


(2) 史跡等の保存

史跡等に指定された地域等については、現状を変更し、あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合、文化財保護法により、文化庁長官の許可を要することとされている。文化財保護と開発事業等との調整が困難である場合には、国庫補助により対象の土地等を公有化することによって、史跡等の保護を図るとともに、所有者の経済的損失の実質的な補填に配慮している。


(3) 史跡等の整備・公開

国は、史跡等を将来にわたって保存するとともに広く活用を図るため、国庫補助によりその整備を行っている。文化庁では、新たな観点からの史跡の活用整備を図るため、「ふるさと歴史の広場(史跡等活用特別事業)」や、「地域中核史跡等整備特別事業」等を行っており、平成7年度からは、遺跡の復元的整備、学習施設等の整備を行う「古代ロマン再生事業」(大規模遺跡総合整備事業)を実施している。

また、我が国の歴史を理解する上で重要な道や水路等のいわゆる「歴史の道」については、毎年5月を中心に全国各地で、歴史の道を歩き周辺の史跡等の文化財に親しむ「歩き・み・ふれる歴史の道事業」を文化庁の主唱で行っているが、年々参加者も増え、平成7年度からは中央大会も実施している(8年度は宇都宮で開催)。8年度からは、「歴史の道」を、地域の文化財をつなぐネットワークの軸線として交通関連遺跡等と一体的に整備・活用する「歴史の道整備活用推進事業」を実施している。

このほか、天然記念物については、野外観察施設や学習施設を設置し、その有効活用を図る「天然記念物整備活用事業」を平成6年度から実施している。


(4) 埋蔵文化財の保護

近年、開発事業等に伴う埋蔵文化財の発掘件数が急増していることを背景として、平成5年11月に発掘調査の届出に関する事務処理の迅速化及び発掘調査の円滑化について都道府県教育委員会に対し通知を行った。また6年度から発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究を行っており、7年12月には、国・都道府県・市町村の役割分担と連携強化等を内容とする「埋蔵文化財保護体制の整備充実について」の報告を取りまとめた。8年度は出土遺物の取扱い等について調査研究を行うこととしている。

なお、埋蔵文化財の保護に関する新たな事業として、近年新たに発掘された貴重な出土文化財を全国で巡回展示する「新発見考古速報展」を7年度から、埋蔵文化財の調査及び出土文化財等の整理・収蔵・展示等を行う特色ある「埋蔵文化財センター」の建設に対する国庫補助事業を8年度から実施している。


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