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2部   文教施策の動向と展開
第7章   学術研究の振興
第6節   基礎研究の重点的な推進
6   生命の神秘に迫る-生命科学-


生命現象を科学的に解明しようとする生命科学研究は、組換えdna実験をはじめとする新たな技術の導入により飛躍的な発展を続けており、21世紀に向けて、医療、農業等の分野で豊かな応用成果を人類にもたらすものとして期待されている。

文部省では、学術審議会建議「大学等におけるバイオサイエンス研究の推進について」(昭和61年2月)などに基づき、大学等における研究の推進を図っている。


(1) 脳研究

医学・生物学を中心に多くの自然科学・人文科学領域にまたがる学際的領域である脳研究は、ヒトの知能と心のメカニズムの解明を通じてヒトのヒトたるゆえんを理解し、さらには老化、脳神経疾患の治療・予防、革新的なコンピュータ創造などの面でも人類に大きな恩恵をもたらすことが予想される。近年この脳研究をめぐり、欧米においては国家的なプロジェクトが推進されており、我が国においても学術的のみならず社会的にも非常に大きな期待と注目が寄せられている。大学等における脳研究の推進方策については、学術審議会バイオサイエンス部会が、推進すべき研究領域、研究推進体制の構築などについて検討を行い、平成8年7月に中間報告をまとめた。


(2) がん・エイズ研究

我が国の死亡原因の第1位を占めるがんの成因と本態を明らかにし、その予防、診断方法を確立するためには、大学等における基礎研究の推進が不可欠である。文部省では、昭和59年に開始された「対がん10か年総合戦略」等により得られた多くの成果を踏まえ、科学研究費補助金等により、引き続きがん研究の推進を図っている。

また、エイズについても、科学研究費補助金等により、エイズウイルスの構造・機能解析、エイズウイルスの感染、免疫異常、病態、予防・治療等に関する基礎的研究を重点的に推進している。


(3) ヒト・ゲノム解析研究

ヒト・ゲノムとは、人間の全遺伝情報を担う24種の染色体一組のことを指し、その構造と機能の解析は学術的な意義を有するだけでなく、重度の遺伝子病やがん・エイズなどの難治疾患の病態の解明や、新しい治療法の開発への応用が期待されており、現在世界的に研究が進め られている。

文部省では、平成3年度から5か年計画で科学研究費補助金等により研究を進めてきたが、8年度以降については、学術審議会のバイオサイエンス部会報告「大学等におけるヒト・ゲノムプログラムの推進について-第II期(展開期)の研究の推進に向けて-」(平成7年4月)により、重要な遺伝子の機能解析などの研究を推進することとしている。


(4) 遺伝子治療臨床研究

遺伝子治療とは、遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与することにより疾病の治療を行うものであり、現在有効な治療法の乏しい疾患に対する画期的な治療法として期待されている。

文部省は、学術審議会に設けられた遺伝子治療臨床研究専門委員会の報告を受けて、「大学等における遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン」(平成6年6月告示)を定め、これに基づき、7年8月から北海道大学においてada欠損症に対する遺伝子治療臨床研究が実施されている。また、現在、熊本大学におけるhiv感染症に対する遺伝子治療臨床研究実施計画について審議を行っている。


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