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2部   文教施策の動向と展開
第4章   高等教育の多様な発展のために
第1節   進む高等教育
3   大学教育の改善


社会・経済の急速な変化の中で、大学教育に対する社会の要請は一層高度化・多様化している。一方、進学率の上昇に伴い、これまで以上に多様な目的意識・資質を持った学生が大学に入学するようになっている。大学が、このような要請に的確にこたえていくためには、自らの教育理念・目的を明確にした上で、その実現に向け、特色あるカリキュラムを編成し、質の高い教育を展開していく必要がある。


(1) 進むカリキュラム改革

平成3年に大学設置基準が改正され、各大学において、それぞれの個性を生かした特色あるカリキュラムを自由に編成できるようになった。これを受けて、各大学では、カリキュラムの見直しが積極的に進められ、7年度までに既に8割を超える大学でカリキュラム改革が実施されている(2-4-1 )。

とりわけ、専門教育と教養教育の有機的な連携を目指す4年一貫のカリキュラムを編成するとともに、新入生を対象として、大学教育への導入を目的とする少人数のセミナー形式の授業や、実践的な情報処理教育や外国語教育の充実などが進められている。また、学問分野の広がりに対応するとともに、学生に幅広い視野を与えるため、複数の教員が共同して従来の学問領域を超えた学際的な内容の授業科目を開設したり、ボランティア活動をはじめとする学外での体験学習を取り入れた授業科目を開設する例も増加している。

なお、カリキュラムをより効果的に実施していくためには、その背景にある理念や目的を学生に十分理解させた上で、主体的かつ体系的な履修を促すことが重要であり、常設のカリキュラム・ガイダンス室の設置など、学生に対する指導の一層の充実が望まれる。

2-4-1 カリキュラム改革の実施状況


(2) 授業の質を高めるための様々な工夫

大学における教育機能の充実を図るためには、先に述べたカリキュラム改革に代表される教育内容の充実と並んで、教員の教授方法の改善等、授業の質を高めるための工夫が必要である。近年、各大学において、創意工夫を生かした様々な取組が進められるようになっている。


(ア) 授業(シラバス)計画の作成

学生に授業の流れやポイントを把握させるとともに、授業内容に関する教員相互の調整・協力を図るため、詳細な授業計画(シラバス)を作成し、公表する大学が増加している(2-4-2 )。


(イ) ティーチング・アシスタントの活用

大学教育の充実を図るとともに、大学院学生等に教育に関する訓練の機会を提供するため、大学院学生等を、学部学生等に対する実験・実習・実技指導等を行うティーチング・アシスタントとして活用する大学が増加している。平成6年度においては、246大学で、計2万3,688人がティーチング・アシスタントとして採用されている。


(ウ) 高等学校での履修状況等への配慮

高等学校教育の改革が進む中で、大学入学者の高等学校での履修内容が多様化している。学生によっては、大学での専攻分野の基礎となる教科科目を高等学校で履修しておらず、入学後の大学教育が円滑に実施できないケースも生じている。このため、大学においても、高等学校での履修状況を考慮した様々な配慮がなされるようになってきている。具体的な取組としては、高等学校での未修組と既修組に分けた授業の実施や、学力別のクラス編成、補習教育の実施など、大学により様々である。今後、授業の質を高め、大学の教育機能を強化していく観点から、各大学において、個々の学生の資質に配慮したきめ細かい指導を一層充実していくことが求められる。


(エ) 学生による授業評価の実施

学生に対し、授業内容・方法に関する評価を求め、授業の質の向上に役立てていく試みも盛んになってきた。平成7年度には、全体の4割を超える242大学において学生による授業評価が取り入れられているが、これは平成4年度の6倍以上に当たる。


(オ) ファカルティ・ディベロップメントの実施

授業の質の向上のためには、教員の教授能力の向上が必要であることは言うまでもない。従来、我が国の大学においては、教員の研究能力に比べ、教授能力については顧みられることが比較的少なかった。しかしながら、近年、大学の教育機能の重要性が強調される中で、新任教員のための研修会や授業方法についての研究会の開催、教員相互の授業参観の実施など、教員の授業内容・方法の改善・向上のための組織的な取組(ファカルティ・ディベロップメント)が見られるようになっている。これまでのところ、多くの大学においては、ファカルティ・ディベロップメントに着手したばかりの状況であるが、今後、例えば、学生による授業評価の結果を考慮した授業方法の改善のための研究会を開催するなど、授業の質を向上させるための様々な取組と相互に関連させながら積極的に進めることが期待される。

2-4-2 シラバスの作成状況


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