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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初等中等教育のより一層の充実のために
第5節   体育と健康教育
1   学校における体育・スポーツの充実のために



(1) 教育内容の充実

現行の学習指導要領は、体育・保健体育に関しては、小・中・高等学校を通じて生涯体育・スポーツと体力の向上を重視する観点から、児童生徒が自ら進んで運動に親しむ態度や能力を身に付け、自発的・自主的に運動を実践できるようになることを目指している。

このため、個に応じた指導の充実を図るほか、中学校及び高等学校については、生徒が自らの能力・適性、興味・関心等に応じて運動領域や運動種目を選択し自発的・自主的に学習を進める「選択制授業」を導入している。

また、「我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視する」観点から、中学校及び高等学校における従来の「格技」を「武道」に名称変更するとともに、武道及びダンスを男女とも履修できるようにするなどの改善を図っている。

文部省では、現行学習指導要領の実施に伴い、その趣旨に沿った学習指導の展開のため、指導書・指導資料の作成や教育課程運営改善講座の開催のほか、武道指導推進校など各種研究指定校の指定等を行っている。平成8年度からは、新たに、中学校、高等学校における選択制授業の推進のための指定校を設け、3年間にわたる実践研究に着手している。


(2) 指導者の資質向上

学校教育の直接の担い手である教員の指導力の向上を図るため、文部省では、学校体育実技指導者講習会、スキー指導者講習会など各種の講習会を開催するとともに、学校体育指導ビデオ等の資料を作成している。さらに、都道府県が行う武道指導者養成事業、学校体育実技指導協力者派遣事業などに対する補助を行っている。

また、人材活用の面では、教育職員免許法の一部改正により、特別免許状制度及び特別非常勤講師制度が創設され、学校体育における社会人の活用が可能となっている。


(3) 運動部活動の充実

運動部活動は、生徒の心身の健全な発達、生涯にわたるスポーツ活動の基礎づくりなど教育的な意義が極めて大きいものである。このため、運動部活動研究推進校を指定し運動部活動の在り方についての実践研究を行うほか、指導力の向上や指導者不足への対応のため都道府県が行う指導者研修事業等への補助を行うなど、その充実に努めている。


(4) 調査研究の実施

青少年が、自己の心身の発育・発達の状況に応じてそれにふさわしいスポーツを経験することは、心身の健全な発育や体力の向上を促進するだけでなく、生涯スポーツの基盤づくりや競技力の向上の観点からも極めて重要である。

しかしながら、青少年を対象とした一部のスポーツ活動では、青少年の発育・発達の程度を無視して高い技能や体力を求めて練習や試合が行われ、弊害が発生しているとの例が指摘されている現状もある。

このため、文部省では、青少年の心身の発育・発達段階にふさわしいスポーツ活動の在り方について総合的に検討しており、小学生のスポーツ活動については平成7年3月に協力者会議の報告を取りまとめ、関係機関に配布した。

この報告書では、小学校期は、多様なスポーツを経験させることが大切であり、子どもの心身の発育・発達特性を考慮した科学的トレーニングを重視し、スポーツの特性に触れさせ楽しさや喜びを味わわせることが大切であることなどが提言されている。

引き続き、7年度からは、中学生・高校生のスポーツ活動について総合的に検討することとし、協力者会議を開催し調査研究を行っている。


(5) 学校体育施設の整備

学校教育の円滑な実施を図るため、文部省では学校の設置者である地方公共団体に対し、学校体育施設を整備する事業について補助を行っている。

平成8年度においては、新たに学校における防災機能の充実・強化を図る観点から、浄水機能を有する水泳プールの整備等を行うとともに、学習指導要領の趣旨を踏まえ、引き続き武道場等の整備に努めている。


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