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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初等中等教育のより一層の充実のために
第2節   主体的に生きる力を育てる教育の推移
1   新しい学力観に立つ教育の推進



(1) 現行学習指導要領の考え方

今日、国際化、情報化、科学技術の進展など、社会の各方面で様々な変化が進んでおり、今後、それらはますます拡大し、加速化することが予想される。子どもたちは、そのような激しく変化する社会の中で生きていくことになる。

一方、教育や子どもたちの生活をめぐっては、知識の量を競うような教育に陥りがちであるといった指摘や、子どもたちの自然体験、家庭での生活体験などが不足し、豊かな心や生きるための知恵が身に付きにくいという指摘が聞かれる。

このような状況を考慮し、これからの学校教育においては、子ども一人一人がこれからの社会の中で、生涯にわたって、心豊かに主体的、創造的に生きていくことができる資質や能力を育成することが求められる。

各学校で編成・実施されている教育課程の基準である学習指導要領もこのような考え方に立って、平成元年に、

1) 心豊かな人間の育成、
2) 基礎・基本の重視と個性教育の推進、
3) 自己教育力の育成、
4) 文化と伝統の尊重と国際理解の推進、

の四つの方針の下に改訂されたものである。具体的には、例えば、次のような改善が行われている。

・ 小学校低学年の生活科の新設
・ 歴史学習の改善
・ 高等学校の社会科の地理歴史科と公民科への再編成
・ 高等学校の家庭科の男女必修化
・ 中・高等学校の選択履修の幅の拡大
・ 外国語教育におけるコミュニケーション能力の育成の重視
・ 読書指導の充実、学校図書館の機能の活用
・ 発達段階に応じた重点化など道徳教育の充実
・ 国旗及び国歌の指導の充実

(2) 新しい学力観に立つ学習指導の工夫改善

現行学習指導要領の趣旨を実現するためには、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を重視する学力観に立って、学習指導の工夫改善を図ることが重要である。学校においては、子どもたち一人一人が自らのよさや可能性を発揮して様々な対象に進んでかかわり、自分の課題を見付け、主体的に考えたり、判断したり、表現したりして解決するような学習活動を積極的に展開し、それを適切に支援していくことが求められる。

各学校においては、このような考え方に立ち、個に応じた指導の充実、体験的な学習や問題解決的な学習の工夫、ティーム・ティーチングなど協力的な指導の推進等、学校の実態等に応じた種々の工夫改善が進められている。


(3) 教育課程改善・充実のための諸施策

文部省では、学校における取組を推進するため、各学校段階ごとに、教育課程運営改善講座等の各種研修会の実施、教師用指導資料の作成、教育課程研究指定校等の各種研究指定校の指定とその研究成果の普及などの諸施策を行っている。

また、教育課程の改善充実のためには、不断の実施状況の把握や関係資料の収集、分析などが不可欠であり、本年度も引き続き、教育課程の実施状況に関する総合的調査研究や教育課程に関する基礎研究を実施している。

塩の結晶を顕微鏡で観察している理科の授業(長崎県諫早市立御館山小学校)


(4) 教育課程審議会への諮問

初等中等教育の教育課程の基準については、これまで、社会の変化や実施の経験などを踏まえて、およそ10年ごとに改訂してきている。

文部省においては、今後の教育内容の在り方について検討するため、平成8年8月27日、教育課程審議会を発足させ、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」諮問を行った。同審議会においては、中央教育審議会の答申を踏まえ、完全学校週5日制の下で、各学校がゆとりのある教育活動を展開し、一人一人の子どもたちに「生きる力」を育成するための教育内容の在り方について検討していくこととしている。


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