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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第3章   これからの生涯学習
第3節   「生きる力」をはぐくむ
1   家庭の取組と社会の支援


子どもにとって家庭は、人間形成の行われる最初の場であり、子どもの健やかな成長を図る上で、親の果たす役割は非常に大きい。親は、基本的な生活習慣等のしつけ、情操の涵養(かんよう)、社会生活に必要な能力等、多様に変化する社会の中で積極的に「生きる力」を子どもの発達段階に応じて適切に育成する役割を担っている。すなわち、家庭における教育は、乳幼児期の親子のきずなの形成に始まる家庭での触れ合いを通じて、「生きる力」の基礎的な資質や能力を育成するものであり、すべての教育の出発点であると言える。

しかしながら、近年、少子化の進行や女性の社会進出に応じた育児と仕事を両立するための条件整備の遅れ、親になるための経験・体験の不足等により、家庭の教育機能の低下が指摘されており、これがいじめや登校拒否、家庭内暴力等の問題の要因の一つとなっているとの見方もある。

文部省が関係団体に委託して行った「家庭教育に関する国際比較調査」(平成6年)においても、我が国では、

1) 父親の家庭教育への参加が低い、
2) 基本的な生活習慣や自立のためのしつけが身に付いていない、
3) 子育てにかかわる人は、親,兄弟など、親族内に限られる傾向があり、地域の子育てのネットワークが広がっていない、

等の点が明らかにされており、子どもたちが青少年期に学ぶ力と意欲を育てるために、家庭教育の充実を一層図る必要がある(1-3-9 )。

1-3-9 父親の子育てへの参加状況-日本の家庭では子育てに参加する割合が低い-

これからの家庭では、親こそが子どもの「生きる力」の基礎的な資質や能力を培っていくという認識に立って、その責任を果たすことが求められている。家庭の教育力の充実を支援するため、国,地方公共団体は更に種々の条件整備を図っていく必要があるが、同時に社会全体も「ゆとり」を確保し、父親も子どもと触れ合いを十分もてるような家庭を大切にする社会を作っていくことも重要であり、企業側の取組が期待される。

なお、第15期中央教育審議会では、青少年の健やかな成長を促すためには、家庭の教育力の活性化が重要であり、「生きる力」を家庭・学校・地域社会の全体を通してはぐくむことが今後の教育の基本的方向である旨が審議され、子どもの健やかな成長のために、家庭・学校・地域社会が一体となって取り組む体制の整備、親子の共同体験の機会の充実、家庭教育に関する相談体制の充実、家庭教育を支援するグループやサークルの育成など、子どもを育てるための環境の整備が提言されている。また、平成7年に出された経済審議会の「次代を担う人材小委員会報告」でも、人材育成の観点から、家庭の教育力の向上、家庭教育のための時間の確保、家庭・地域社会、学校の連携などの必要性が指摘されている。

【コラム】経済団体からの提言

(社)経済同友会は、学校も家庭も地域も自らの役割と責任を自覚し、知恵と力を出し合い、新しい学び育つ場を作ろうとの問題意識に立ち、平成7年4月に「学校から「合校」へ」の提言を行った。この提言では、親としての社員に配慮するという観点から、子どもを持つ親の単身赴任を極力避けるように配慮する、授業参観休暇制度を設ける、地域での教育ボランティアを奨励する、の3点を提言している。企業の側におけるこのような問題意識に基づいた取組に期待したい。


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