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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第3章   これからの生涯学習
第2節   高度で体系的・継続的な学習機会を充実する
3   高等教育機関の役割


生涯学習審議会が現代的課題として挙げたもののほか、職業上必要とされる知識・技術等の内容も現代社会においては、急激に変化しており、その習得は、極めて重要な学習課題の一つである。これらは、体系的・継続的な学習を必要とし、レベルも高度にわたるものも多いと考えられるが、このような高度で体系的・継続的な学習は、職業といった分野に限らず、趣味・教養などの広範な分野でも、今後、一層進展していくことが予想される。高等教育機関の持つ機能への期待はますます高まるものと考えられる。

1-3-3 「新しい学習課題」を多くの人々が学習するために最も必要な条件-公的な機関の積極的な関与が求められる新しい学習課題-

例えば、平成8年の文部省調査によれば、実際に、高等教育機関において社会人入学や科目等履修生・研究生等の制度を用いて学んでいる人の多くが職業に関連する知識・技能の習得に力を入れている。そして、こうした人々の多くは引き続き、高等教育機関での学習継続・レベルアップを希望している。第2章では、労働者が教育訓練や自己啓発を行う際、高等教育機関は相対的には利用されていない状況を述べたが、このような状況は、必ずしも高等教育機関に対するニーズが少ないことを示すものではないと考えられる。文部省が平成6年2月に企業の人事・教育部門の対象者に対して行った「リフレッシュ教育に関する産業界と大学等との交流状況についての実態調査」においても、今後企業から国内の大学等に派遣する技術者・研究者が「増える」と回答したのが10.4%であるが、「条件次第で増える」と回答した者は62.0%に達している(1-3-4 )。

一方、学習のレベルアップや継続のための条件として、平成8年の文部省調査においても、「大学・短大等がもっと開放される」を挙げた人が公開講座受講者では30.5%で最大であり、大学院・大学在籍者でもそれぞれ8.5%、13.9%と比較的高い数字を示している(1-3-1 参照)。実際に高等教育機関で学ぶ人の意見として大学の開放が挙げられ、また、これら高等教育機関で学ぶ人の大半が、現在の方法によって学習を継続することを希望していることを考えると、それだけ高等教育機関については、学習者の期待が高いことがうかがわれる。今後の高等教育機関の開放とともに、こうした声は一層強まろう。

このような状況の下、高等教育機関においては、既に一定の取組がなされており、第2章第1節でも述べたように、こうした取組による制度を活用して学習する人々も増えている。しかしながら、平成8年の生涯学習審議会答申も指摘しているように、例えば、社会人を受け入れるのに積極的な大学等であっても、一部の関係者の努力にとどまり、教職員全体の意識が変化しているとまでは言えないことが多い。学内の組織体制の整備とともに、関係者の意識を変革していくことも必要である。

1-3-4 国内の大学等に派遣する技術者・研究者の見込み-条件次第で増えると見られている企業から大学等への派遣者-

また、高等教育機関がより地域社会に密着し、地域社会の発展に貢献しようとする場合には、学内の組織体制の整備と併せ、地元の産業界や行政機関との連携・協力体制を作り、社会人の受入れといった取組に当たっても外部の声を積極的に取り入れる仕組みを作ることが重要である。平成3年度からのリカレント教育推進事業や、各種のリフレッシュ教育推進施策はこのような体制づくりに役立てることをねらったものであるが、これらの成果を生かし、同様の取組が各地において進められるよう努める必要がある。


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