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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第2章   いま生涯学習は
第3節   学んだことはどのように生かされているのか
1   学習成果の評価はどのように行われているか-多様な評価が存在、ただし、評価の概念自体があいまいな面あり



(1) 学習成果の評価

学習成果については、学位の授与や単位の認定といった学校教育の中での評価のほか、各種資格や免許・免状の授与、検定の合格、あるいは、資格等を取得するための試験等の受験資格の付与という形で評価がなされている。また、その一方で必ずしも厳密な評価を想定せず、どちらかと言えば学習を奨励することに主眼が置かれた評価もなされている。いわゆる修了証、認定証の交付がこれに当たる。


(2) 学校教育における評価

学校教育における評価については、当該学校以外の場での「学修」の成果を評価する取組が行われており、専修学校における学修や文部省認定の「技能検定の合格に係る学修」等を高等学校や大学の単位とするところも出てきている。

また、平成3年に学位授与機構を創設し、

1) 短期大学・高等専門学校の卒業者が、大学や、学位授与機構の認定する短期大学・高等専門学校の専攻科で一定の学修を行った場合、
2) 学位授与機構が大学・大学院に相当する教育を行うと認める大学以外の教育施設を修了した場合、

などに学位を授与する道を開くことにしたことも、学校教育における学習成果の評価の取組である。

さらに、一定の要件を満たした専門学校(専修学校専門課程)の修了者に対し、「専門士」の称号を付与できるようにしたこともこれに該当する。

また、大学入学資格検定制度は、主として中学校卒業後、高等学校に入学しなかった、ないし、入学しても卒業しなかった者に対して、大学の入学資格を与えるものである。本制度によって新たに入学資格を得た者は、平成7年度で約5,100人に達している。


(3) 社会における資格や免許等の付与を通じた評価

次に各種資格や免許・免状の授与等を通じての評価については、国が直接実施するほか、各種機関や団体が実施するものを国が認定あるいは指定するという形をとっているものもある。国が認定あるいは指定する形をとるものの種類・内容は、極めて多様であるが、文部省認定の技能審査は23職種である。この技能審査による評価を求める人々も多く、平成7年度における文部省の技能審査の志願者合計は553万3,668人、合格者合計は277万5,179人となっており、志願者数、合格者数とも年々増加している(1-2-45 )。

このような状況の下、従前能力評価が困難とされたいわゆるホワイトカラーについても、労働省が平成5年度から職業能力習得制度(ビジネス・キャリア制度)を発足させ、教育訓練等により習得した能力の確認のため修了認定試験を実施している。

なお、特に資格等の付与による評価に関しては、基本的には、各実施機関・団体の自主的な取組により行われているものであるが、学習者にとっては、正確な情報を把握することが必ずしも容易でないとの指摘がある。

1-2-45 文部省認定審査志願者・合格者の推移


(4) 学習の奨励を主たる目的とした評価

一方、実際の学習の内容のかなりの部分を占める健康・スポーツや趣味・教養といったものについては、その成果を評価する仕組みが必ずしもあるわけではない。これについては、学習すること自体が自己目的化する傾向があり、評価と必ずしも相入れない面があることも関係していよう。「生涯学習に関する世論調査」(平成4年)では、学習の成果について「評価するのがよい」とするのが67.9%であったが、「社会的に評価するべきではない」が12.1%、「わからない」も19.6%存在したことも、このことで理解し得る(1-2-46 )。

1-2-46 生涯学習の成果に対する評価について-学習の成果を評価するのがよいとしたのはおおむね7割-

ところで、同調査で評価するのがよいと答えた人に対して、学習の成果に対する評価はどのような形で行うかについて尋ねたところ、「特にすぐれた人を、地域の人々の学習やスポーツ、文化活動などの指導者、講師などとして活用する」が35.0%、「公的な資格の取得に当たって評価する」が29.2%、「修了証、認定証などを出す」が25.0%であった(1-2-47 )。

1-2-47 生涯学習の成果に対する評価はどのような形で行うのがよいか

ここで言う「指導者としての活用」を図る際においては、指導者としての資質や能力を備えているかの評価が別途必要な場合があろう。一方、修了証、認定書を出すことについては、多分に学習の奨励的な意味で行われることが多く、実際にその学習課題が達成されているかどうかはあいまいになっている。現に都道府県や市町村の実施する学級・講座等の多くにおいては、評価の基準が履修した学習時間数や報告書の提出の有無といった形式的なものにとどまっていることが多い。このような事情を考慮すると、評価すべきと回答した人の多くも、具体的な評価に対して抱いているイメージは明確でないことがうかがわれる。


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