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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第2章   いま生涯学習は
第2節   学びを支えるもの
2   学習の行われる施設の状況はどうか-施設の着実な整備と併せ、どのように利用できるかが課題に



(1) 施設の整備状況

学習の行われる施設としては、学校のほか、図書館、博物館(美術館を含む。)、公民館、文化会館、体育施設等がまず考えられるが、これ以外にも、老人福祉センター、農村環境改善センター等、様々な関連施設の整備が進められ、学習の場として活用されている。

1-2-37 社会教育施設の整備状況

これらの施設については、おおむね、着実な整備が図られている。このうち、社会教育・スポーツ・文化施設の設置状況を平成2年度と5年度で比べると、特に博物館については2,968館から3,704館(24.8%増)、文化会館は1,010館から1,261館(24.9%増)と、顕著な伸びを示している。しかしながら、図書館については1,950館から2,172館(11.4%増)と増えてはいるものの(1-2-37 )、町村単位で見た場合の設置率は、25.5%と依然低い状況にある。総理府「生涯学習に関する世論調査」(平成4年)での「生涯学習に利用するため、どんな施設があればいいと思いますか」という問いに対して図書館が25.7%で第1位になっていることも、このような状況を反映するものであろう(1-2-38 )。

1-2-38 生涯学習に利用するため、どんな施設があればいいか


(2) 施設の利用状況

これら施設の利用者数を、社会教育調査により平成元年度と4年度間で比較すると、いずれの施設においても伸びが見られるが、特に図書館の利用者の増加が7,607万人から1億50万人へと顕著である。図書館については、潜在的な需要が極めて高いことがこのことからもうかがわれる(1-2-39 )。

1-2-39 社会教育施設の利用状況

一方、「生涯学習に関する世論調査」(平成4年)によれば、公立の施設についての希望・要望については、「夜間や休日でも利用できるようにする」39.3%、「誰でも気軽に参加できるような講座や行事、イベントを増やす」34.7%が上位で、「もっと数を増やす」28.1%を上回っている。施設の整備とともに、それがどのように利用できるのかに関心が強まっていると言える(1-2-40 )。

この点につき、平成5年度の社会教育調査によれば、4年度間で公民館の88.7%が日曜日に開館しており、閉館時間も22〜23時が54.0%に達している。開館日数も年間350日以上とほぼ毎日の開館となっているところも35.1%である。ただし、その一方で図書館について見ると、18時前の閉館がなお全体の56.4%という状況も見られる。夜間や休日の利用についての要望の高さは、このような状況を反映したものと考えられる。

1-2-40 公立の施設についての希望や要望

また、学校については、地域住民のための学習の場として機能することへの期待が大きく、そのため、学校施設の地域住民への開放は、従来から行われてきている。

その活用の状況は、学校の種類や施設によって相当異なり、小・中・高等学校についての開放状況を見ると、平成5年5月1日現在で全国の公立小・中・高等学校のうち、小学校で93.5%、中学校で88.6%、高等学校で63.4%の学校が何らかの施設開放を行っている。その内訳としては、体育館(小学校88.1%、中学校82.6%、高等学校36.6%)、グラウンド(同84.6%、76.5%、49.1%)が主であり、これに対して校舎やプールの開放は必ずしも多くない(1-2-2 )。また、これらの開放を行っている学校でも、実際の開放の時間や日数等には、大きな差異があるようである。

1-2-2 学校施設の開放状況(平成5年度5月1日現在)-学校・施設で異なる開放状況-

なお、このことに関連し、近年では当初から地域住民の利用を前提に運動場やプール・校舎等の整備がなされるところが増加している。また、児童生徒の減少等により生じた余裕教室を地域の学習施設(図書館、郷土資料館等)に転用するなど、住民の利用にも供する例も増加している。

一方、大学等の高等教育機関についても、その施設を住民のために提供していく取組が進められている。その中には、エクステンションセンター等の名称で正規の学生以外の者を対象とした学習機会提供のため、特別の施設を整備するところも出てくるようになった。

一方、大学等の高等教育機関についても、その施設を住民のために提供していく取組が進められている。その中には、エクステンションセンター等の名称で正規の学生以外の者を対象とした学習機会提供のため、特別の施設を整備するところも出てくるようになった。

なお、各省庁や地方公共団体の首長部局、企業等が所管、あるいは所有する研究・研修施設の中には、直接の目的ではないものの、その人材や施設等を利用して人々に学習提供を行っていることがある。例えば、科学技術庁所管の研究所が青少年を対象に行うサイエンスキャンプ事業がそれである。

さらに、学習の行われる場所としては、従来、いわゆる「はこもの」と呼ばれる施設が意識されてきたが、人々の学習活動の多様化や学習資源概念の広がりとともに、川辺や海岸、森林等が学習の場として注目されるようになってきた。

このような状況の下、学習の行われる場としての施設の概念を広くとらえることが求められてきていると言えよう。


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