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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第2章   いま生涯学習は
第1節   だれがどこで何を学んでいるのか
9   職業に関する学習はどうなっているか-職業に関する学習も実は活発、ニーズは更に存在



(1) 職業に関する学習の実施状況

2で既述したように、生涯学習と言った場合の学習については、趣味や教養、スポーツ分野等が挙げられ、職業に関するものは、調査において必ずしも現れない傾向がある。

しかし、労働省の民間教育訓練実態調査によれば、平成6年においては労働者の50.9%が教育訓練(off-jt)( 注1 )を受講し、また、自己啓発( 注2 )については57.0%の労働者が実施している(1-2-26 )。教育訓練の目的は、調査時点は異なるが、平成4年に実施されたものにおいては、「職務に必要な基礎的な知識・技能を習得するため」43.3%、「職務に関する専門的知識・技能のより一層の高度化を図るため」41.6%、「管理・監督者として必要な能力の開発・向上のため」31.3%等となっている(1-2-27 )。また、平成6年調査で見た自己啓発の目的は、「職務内容の高度化への対応」54.0%、「基本的な職務内容の習得」42.2%、「資格の取得」36.4%である(1-2-28 )。

このように、労働者の相当数については、職業に関する学習を実施しているとも言えるところであり、むしろ職業に関する学習が「生涯学習」の一環として必ずしも意識されていないということが特色かもしれない。

ただし、職業に関する学習が相当程度行われているとはいえ、自分自身の職業能力開発への関心のある労働者の割合(平成5年2月調査時点で91.1%)、自己啓発の必要性を感じている労働者の割合(平成4年2月調査時点で90.5%)と現在の実施率とはなお隔たりがある。

1-2-24 学習方法別に見た費用の主な支払方法

1-2-25 勤務先の支援の有無と費用の負担感

1-2-26 教育訓練(off-jt)の受講率・自己啓発の実施率(平成6年)-労働者の半数以上が行っている教育訓練・自己啓発-

1-2-27 教育訓練を受講する目的(平成4年)

1-2-28 自己啓発を実施する目的(平成6年)


(注1)教育訓練(off-jt):その雇用する労働者に対して仕事場を離れて一時的に行う教育訓練(研修)


(注2)自己啓発:個々の労働者について、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動


(2) 職業に関する学習のなされる場

労働省が、いわゆるホワイトカラーを対象に実施した平成6年の調査では、自己啓発の方法として、「通信教育講座」や「テレビ・ラジオ・専門書」を挙げた人が3割あるのに対し、「専門学校等」や「大学等の講座」を挙げたのはそれぞれ2.1%、1.1%となっている。また、労働者一般については、平成3年の調査結果によれば、自己啓発を行った人のうち、「社外の勉強会・研究会等への参加」、「各種の講座・セミナー等への参加」が約4割に達しているのに対し、専修学校等については2.9%、大学等については0.8%となっている。

さらに、平成4年の間に社外の教育訓練機関に労働者を派遣した事業所のうち、「業界団体が行う教育訓練」については74.1%、「その他民間事業者が行う教育訓練」には45.7%といった派遣状況に対し、大学・専修学校における教育訓練に派遣した事業所は、6.4%にとどまっている(1-2-29 1-2-30 )。

1-2-29 ホワイトカラー労働者の自己啓発の方法(平成5年)-自己啓発を行うため大学や専修学校等へ通う労働者は極めて少ない-

1-2-30 社外の教育機関への労働者の派遣状況(平成4年)-教育訓練機関としても大学や専修学校に派遣する割合は低い-

【コラム】ダブルスクールの状況

平成7年度に、大学の学部学生(1年生、3年生)、及び短期大学の学生等を対象に行った文部省委託調査「大学改革の今後の課題についての調査研究報告書」によると、大学の学習以外で専修学校、各種学校や通信教育などで学習するいわゆる「ダブルスクール」を経験したことのある学生は、学部学生について見ると、現在「ダブルスクール」を行っているもの、及び過去に「ダブルスクール」を経験したことがあるものを合わせ21.7%となっている。また、短期大学生について見ると、経験したことのある学生は19.5%となっている。

学習の内容としては、学部学生では「外国語」、「資格取得」、「趣味」、「就職試験対策(公務員試験を含む)」などが多い。短期大学の学生の場合は、これに「コンピュータ」が加わる。

学部学生について学年別に見ると、1年生よりも3年生の方が経験のある学生の比率は大きくなっており、4年生時の就職活動や試験を念頭に置いて学習活動に取り組んでいることがうかがわれる。


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