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1部   生涯学習社会の課題と展望-進む多様化と高度化-
第2章   いま生涯学習は
第1節   だれがどこで何を学んでいるのか
3   学習方法はどうなっているか-学習方法により、内容・目的は多用-



(1) 一般的な学習方法

nhk調査によれば、成人一般の学習の方法については、本・雑誌、グループ・サークル等が上位を占め、カルチャーセンター、自治体の学級・講座等も一定の数字を占めている。これに比し、大学や短大、大学・高校の公開講座の比重は必ずしも高くない状況にある(1-2-4 )。

1-2-4 生涯学習の方法-学習の方法としては、まず本・雑誌-


(2) 学習方法と学習内容

文部省は民間調査機関に委託して、平成8年3月に、何らかの形で体系的・継続的な学習を行っている人々を対象に、最も力を入れている学習について、その学習方法・目的・費用等について調査した(「学習ニーズの高度化と新しい学習課題に関する調査研究」。以下、第I部における「平成8年文部省調査」ないし、「文部省調査」とは、このことを指す。)。

この調査によれば、カルチャーセンター、自治体の講座や教室、グループ・サークルの学習者については、学習活動の分野として趣味・教養を挙げた人の比率が最も高く、同様に専修学校、大学院、大学(注)では、職業関連の比率が高くなっている。自治体の講座や教室とカルチャーセンターは傾向が似ているが、自治体の講座や教室においては、社会問題、福祉、時事問題等を学習する「社会生活」を分野として取り上げる人が比較的多いのが特色である。

また、これに対し、本やビデオ、民間通信教育の学習者では、職業に関連する知識や技能を挙げた人の比率が高いものの、趣味・教養を挙げた人も相当数存在する。

一方、大学・短大の通信教育課程(放送大学を除く。以下同じ。)については、学習活動の内容が職業関連に加え、社会生活や趣味・教養、育児・教育に分散する傾向があり、放送大学も順序は異なるが、活動内容が多岐にわたる基本的な傾向は同じである。大学等の公開講座についても、社会生活、趣味・教養、職業関連に分かれる。(1-2-5 )。


(注)本調査においては、大学、大学院、専修学校等に科目等履修生、研究生、聴講生等としてあるいは正規の学生として在学している社会人を対象としている。

1-2-5


(3) 学習方法と学習内容

学習方法と学習の目的の関係については同調査によれば、グループ・サークル、自治体の講座・教室、カルチャーセンターについては、5割を超える人が「自己の生きがいや楽しみのため」を学習の最も大きな目的としており、カルチャーセンターについては71.4%に達している。これに対し、民間通信教育、大学院、大学、専修学校等では、「職業生活に生かすため」が3割強から5割程度を占め、それぞれ目的の最大値を占めている。一方、大学・短期大学の通信課程では、「自己の生きがいや楽しみのため」と「職業生活に生かすため」が同じ程度になっている。放送大学では、「自己の生きがいや楽しみのため」が43.7%と高いが、「職業生活に生かすため」も約2割と比較的高い数字になっているのが特色である。また、公開講座では、「自己の生きがいや楽しみのため」が約4割と最も多いが、「よりよい社会生活を送るため」、「他者や地域社会に貢献するため」がそれぞれ14.4%、12.6%と他の学習方法に比して高い数字を占めている(1-2-6 )。

1-2-6 学習方法と学習目的


(4) 学習方法と年齢

このように学習方法によって主たる学習内容・目的が異なることにもよるが、学習方法を年齢別に見ると、おおむね、

1) 年齢にかかわらず利用されているもの-グループ・サークル、カルチャーセンター、放送大学、
2) 比較的高齢の人々が利用している比率が高いもの-自治体の講座、大学等の公開講座、
3) 比較的若年の人々の利用の比率が高いもの-本・ビデオ、大学院、大学、専修学校

等というように区分できる(1-2-7 )。

1-2-7 学習方法と学習者の年齢構成-年齢にかかわらず利用されるカルチャーセンターや放送大学-


(5) 学習内容と年齢

上記(4)のような傾向は、学習方法によって主たる学習内容・目的が異なることにもよると考えられる。そこで、学習方法別に主たる学習内容とそれを学習している人の年齢について調べてみると次のようなことが明らかとなった。

1) 本やビデオについては、主な学習内容が職業に関連する知識・技能、次いで趣味・教養となっているが、職業に関連する知識・技能については、20〜40代で全体の9割に達するのに対し、趣味・教養では、学習者は、比較的様々な年齢にわたっている。
2) グループ・サークルについては、学習内容の41.3%を占める趣味・教養では、60代が29.7%で最大の比率となるなど、比較的高齢の人の学習が多く、逆に10.9%で第3位となっている職業に関連する知識・技能等ではほとんどが40代までの学習者で占められている。
3) 自治体の講座や教室については、主な学習内容である趣味・教養、社会生活、健康・スポーツにおいて50代以上の学習者が大半を占めている。自治体の講座や教室において職業に関する知識・技能や育児・教育を学習している人の比率は少ないが、これらの人々は30〜40代が多い。
4) カルチャーセンターにおいては、趣味・教養、健康・スポーツといったものが主な学習内容となるが、これらについては、比較的様々な年齢にわたって学習が行われている。
5) 民間通信教育については、学習内容を職業に関連する知識・技能56.4%と趣味・教養29.5%にほぼ分けることが可能であるが、このうち、職業に関連する知識・技能については、20〜40代で9割近くを占め、趣味・教養では、60代が37.3%で最も多数となるなど、学習内容によって学習者の構成年齢が大きく異なっている。
6) 大学・大学院については、職業に関連する知識・技能が大学院で64.3%、大学で52.7%と学習内容の大半を占めているが、職業に関連する知識・技能以外の社会生活、趣味・教養といった分野においても学習者の年齢が20〜40代に集中する傾向は同じである。
7) 大学等の公開講座については、社会生活、趣味・教養、職業に関連する知識・技能が主たる学習内容であるが、職業に関連する知識・技能が20代、30代合計で5割を占める以外は、比較的、学習者は高い年齢に偏っている。
8) 専修学校については、学習内容の大半を占める職業に関連する知識・技能以外の家庭生活に役立つ知識、趣味・教養といった分野においても学習者の年齢が低くなっている。
9) 放送大学については、職業に関連する知識・技能、育児・教育に関する学習者は、30代、40代に偏るものの、一般的には、学習内容にかかわらず、様々な年齢層によって学習が行われている。

このような結果を見ると、上記(4)における区分けも、むしろ、職業に関連する知識・技能については若年層、趣味・教養、健康・スポーツ、社会生活については中高年層というように、学習内容ごとに主たる学習者の年齢が異なることが大きく影響しているものと考えられる。

しかしながら、その一方でカルチャーセンターにおいては、趣味・教養や健康・スポーツ分野においても比較的若い世代の利用が見られ、また、大学院・大学等では、学習内容にかかわらず、学習者が比較的若い年齢層に偏るなど、これに当てはまらない現象も見られる。


(6) 学習方法の広がり

文部省調査によれば、体系的・継続的に学習を行っている人々の学習方法は、同一人が、主たる学習方法に加え別の方法を利用しているケースがしばしば見受けられる。ここでは学習活動の内容や課題が同一かどうかの確認は必ずしもできないが、個人レベルにおける学習方法の広がりとしてとらえることができよう(1-2-1 )。


(7) 学習方法の選択理由

学習方法の主な選択理由については、「学習内容やレベルがあっている」、「良い指導者がいる」が多くの学習方法において上位に挙げられており、双方を合計すると、大学院、大学、専修学校では5割を超えている。また、このうち、大学院については、「勤務先の許可が得られる」を挙げる人の比率も23.5%と高くなっているのが特色である。

これに対し、自治体の講座や教室、公開講座においては、上記の理由に加え、「授業料や参加費の費用が手頃」を挙げる人の比率が高くなっており、特に自治体の講座や教室の場合は、選択理由として「授業料や参加費が手頃」が31.0%と最も高いものとなっている。

一方、本やビデオ、民間通信教育、大学・短大通信課程、放送大学では「自分の好きな時間にできるから」の比率が最も高くなっている(1-2-8 )。

なお、各理由ごとの年齢差はほとんどないが、「距離的に通いやすいから」を挙げる人は全般的に年齢とともに上昇する。高齢者の学習については、距離的な制約がより大きくなることがうかがわれる(1-2-9 )。

1-2-1 学習方法の広がり(主な学習方法以外に他の学習方法も行っている比率)

1-2-8 学習方法とその選定理由


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