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2部   文教施策の動向と展開
第10章   教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第4節   留学生交流の推進
1   留学生受入れの意義と現状


留学生交流は、我が国と諸外国相互の教育・研究水準を高めるとともに、国際理解・国際協調の精神の醸成・推進に寄与し、特に開発途上国の場合には、その人材養成に協力するなど極めて重要な意義を有する。


(1) 留学生受入れの現状

我が国の大学等で学ぶ外国人留学生は、近年増加しており、平成6年5月1日現在でその数は5万3,787人に上っている。これらの留学生のうち、文部省が直接に奨学金を支給する国費留学生は6,880人で、外国政府がそれぞれの国の人材養成を図るため自国の費用で派遣している留学生が1,330人、それ以外の4万5,577人が私費留学生である(2-10-1 )。これらの留学生はその9割以上がアジア諸国の出身であり、なかでも中国・韓国・台湾の3か国(地域)で全体の78%を占めている(2-10-22-10-4 )。


(2) 留学生受入れ10万人計画

文部省では、昭和58年及び59年に取りまとめられた有識者による二つの提言等に基づき、10万人の留学生受入れを目途に、渡日前から帰国後まで体系的な留学生受入れのための施策「留学生受入れ10万人計画」を総合的に推進している。計画が後期期間に入る平成4年以降は、同4年7月にとりまとめられた有識者による提言「21世紀を展望した留学生交流の総合的推進について」に基づき各種の留学生受入れ施策を推進している。


(3) 短期留学の推進

既に歴史のあるアメリカの ジュニア・イヤー・アブロード・プログラム 【用語解説】をはじめとして、eu諸国の エラスムス計画 【用語解説】、アジア・太平洋地域の UMAP計画 【用語解説】のように、近年、諸外国において、留学先の大学における学位の取得を目的とせず、母国の大学等に在籍したまま1年間程度留学を行う、いわゆる短期留学が活発化している。

また、第16回日米文化教育交流会議会合(平成5年4月)において、ジュニア・イヤー・アブロード・プログラムによる日米間の学部学生交流の推進が取り上げられ、第17回会合(平成7年1月)においても引き続き協議された。さらに、「国際文化交流に関する懇談会」報告(平成6年6月)においても、短期留学制度の創設について提言されている。

このように、新しいタイプの留学制度に対するニーズが高まる中で、文部省としても、これらの動きにこたえるべく施策を推進している。

まず、平成6年6月から「短期留学推進に関する調査研究協力者会議」を開催して、我が国の高等教育機関への短期留学生の受入れ推進方策について検討を重ね、7年3月に報告書がまとめられた。この報告では、21世紀初頭において、学生交流協定に基づく短期留学生を少なくとも5千人程度受け入れることを目途に、

1) 情報提供の充実、
2) 大学間交流協定の整備と活用、
3) 英語等による特別カリキュラムの拡大、
4) 入国時の身元保証に係る機関保証への取組、
5) 奨学金等の充実、
6) ホームステイ先の開拓や留学生宿舎の整備、
7) 地域における受入れ体制の整備、

等に努める必要があるとしている。

次に、平成7年度、戦後50周年を機に策定された「平和友好交流計画」の一事業として、「短期留学推進制度」が創設された。これは、大学・大学院等に在籍したまま、1年間以内の短期間、アジア・太平洋地域から我が国に留学する者及び我が国からアジア近隣諸国等に留学する者を支援する制度である。7年度は、受入れについては1,000名、派遣については100名を予定している。

2-10-1 留学生数の推移(各年5月1日現在)

2-10-2 出身地域別留学生数(平成6年5月1日現在)

2-10-4 出身国(地域)別留学生数(平成6年5月1日現在)


<ジュニア・イヤー・アブロード・プログラム(junior year abroad program)>

ジュニア・イヤー・アブロード・プログラムとは、米国の大学において既に歴史のある短期留学プログラムの総称である。その形態は大学により様々であるが、一般に、主に大学学部3年次を対象として、1学期間若しくは1学年程度の短期間、外国に留学させることによって、異文化体験を深め、視野を広くし、異なる価値観や視点から勉強する経験を与えることを目的とし、留学先で修得した単位は自国の大学での単位に加えることができるように工夫されている。


<エラスムス(The European Community Action Scheme for the Mobility of University Students=ERASMUS)計画>

エラスムス計画とは、eu諸国における各種の人材養成計画、科学・技術分野における加盟国間の人物交流協力計画の一環として行われる、学生交流をも含めた大学間交流の促進計画であり、1987(昭和62)年に創設された。


<UMAP(University Mobility in Asia and the Pacific)計画>

UMAP計画とは、EUにおける「エラスムス計画」をモデルとして、アジア・太平洋地域の大学間の学生・教育者・研究者の交流を促進することを目的に、域内の大学が参加している計画で、1991(平成3)年にオーストラリア大学長会議によって提唱されたものである。

なお、1994(平成6)年12月、大阪において第4回UMAP会議が開催され、UMAP活動の一層の組織化を盛り込んだ「大阪宣言」が採択された。


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