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2部   文教施策の動向と展開
第10章   教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第3節   教育・文化・スポーツにおける国際交流・協力
5   国際機関を通じた協力



(1) ユネスコ事業への参加・協力

ユネスコは、教育・科学・文化の分野における国際協力の促進を通じ、平和に貢献することを目的とする国連専門機関として、昭和20年11月に憲章が採択されて以来、平成7年で50周年を迎える。我が国はその理念を高く評価し、昭和26年の加盟以来ユネスコ関係事業に積極的に参加・協力している(2-10-3 )。特に、平成6年度から、(財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)において「女性のための識字教育モデル事業」を開始した。また、(社)日本ユネスコ協会連盟等において、識字教育協力のための募金活動をはじめ様々な民間レベルのユネスコ活動や国際交流事業を活発に展開している。

女性のための識字教育モデル事業

現在、世界の成人非識字者は9億人を超え、その約3分の2は女性である。開発途上国においては、女性は男性に比べて基礎教育を受ける機会が少ないため、女性の識字率は男性の識字率に比べ低くなっており、そのことが社会発展の障害となっている。

女性の非識字の問題の解決は、地球的規模で取り組むべき緊急の課題であり、1990年(平成2年)の「国際識字年」を契機として、ユネスコ等の国際機関において、識字普及のための各種の協力事業を実施してきている。

我が国は、ユネスコの教育協力事業への参加・協力、ユネスコへの識字教育信託基金の拠出、(財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)による事業等を通じて、アジア・太平洋地域における識字の普及に積極的に協力している。

さらに、ACCUでは、平成6年度から新たに「女性のための識字教育モデル事業」を開始した。この事業は、ACCUが国内外のNGO(民間援助団体)と協力して、アジア・太平洋地域の開発途上国において識字教育モデルセンターを設置し、ハード面で識字教育施設の整備を行うとともに、現地の識字教育指導者の養成や識字教材の製作・配布を通じて、識字教育のソフト面での充実にも協力するものである。平成6年度は、パキスタン、タイ及びベトナムの3か国において本事業を実施した。

(左)女性のための識字教育モデルセンター(タイ北部山岳地帯) (右)識字教室で学習する女性たち(パキスタン)

2-10-3 我が国が協力しているユネスコの主な事業


(2) OECD(経済協力開発機構)事業への参加

OECDは、先進諸国間に共通する政策課題を協議・検討・調整する国際機関であり、経済政策をはじめ、教育、科学技術等の広範な分野について委員会等を設置し、国際的な協力・交流・情報交換活動を行っている。教育分野については、政策課題に関する情報交換を行う「教育委員会」と、比較調査・研究を行う「教育研究・革新センター(CERI)」の二つの組織が設けられている。

文部省では、OECDの教育関係事業に対して、調査・研究活動及び国際会議への参加を通じた協力を図るとともに、平成7年度からは事業費拠出を行っている。また、4年度から毎年度1回、我が国において文部省とOECDとの共催による国際的な専門家会合を開催しており、7年度は「職業教育」をテーマとして開催する。

第3回OECD/JAPANセミナー


(3) APEC事業への協力

APEC(Asia-Pacific Economic Cooperation:アジア・太平洋経済協力)は、アジア・太平洋の18か国・地域からなり、経済問題を中心に、貿易・投資の自由化・円滑化、教育を含めた人材養成や技術協力等の分野で国際的な取組を行っている。

APECの人材養成分野における取組は重要性を増しつつあり、平成6年11月には、閣僚会議において「APEC人材養成枠組み宣言」が採択された。

APECの教育分野における取組は、「人材養成ワーキング・グループ」の下にある「教育フォーラム」において主に行われている。文部省は、「教育フォーラム」において、教員養成や産学協力等のプロジェクトに参加・協力しているほか、我が国の事業として高等教育に関するプロジェクトを実施している。また、教育分野の新たな取組として、平成5年11月の第1回非公式首脳会合の「ビジョン・ステイトメント」において、高等教育における地域協力の発展が謳われたのを受け、6年5月に「教育イニシアティブ会合」が開催された。同会合においては、アジア・太平洋地域における経済協力に焦点を当てた研究を行う「APEC研究センター」の具体化に向けて、各国・地域がそれぞれ取組を進めることとされた。これを受け、我が国においては、国際開発援助に関する大学院研究科を有する国立大学を中心に「APEC研究センター」がコンソーシアム(ゆるやかな連合体)により形成されている。7年3月及び9月には、文部省との共催により「APEC研究センター」に関する国際会議が開催された。


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