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2部   文教施策の動向と展開
第10章   教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第3節   教育・文化・スポーツにおける国際交流・協力
3   世界を結ぶ文化


文化の国際交流・協力は、我が国の文化の発展に役立つのみならず、諸外国との相互理解を進めるためにも極めて重要である。特に近年、世界の人々の日本文化に関する関心が高まってきており、日本に対する理解の増進を図るとともに、日本が文化面でも世界に貢献するため、国際的な文化交流を積極的に進めることが必要である。このため文化庁では次のような事業を行っている。


(1) 国際的芸術文化活動の推進

芸術家の交流については、「芸術フェローシップ」を実施している。舞台芸術交流については、「舞台芸術高度化・発信事業」として

1) 海外フェスティバル等への参加公演、
2) 地域芸術団体の海外公演、
3) 海外の芸術団体の公演への新進芸術家の参加支援

などの事業により、国際的な芸術活動の推進に努めている。また、芸術祭の中で国際公演を開催するとともに、「国民文化国際交流事業」として、地域文化の振興を目的としたアマチュアや高校生などの相互交流を実施している(2部第9章参照 )。


(2)II 文化財保護に関する国際交流・協力
(ア) 在外日本古美術の修復

従来より、米国スミソニアン研究機構・フリーア美術館所蔵の日本古美術品については、文化庁に設置された在外日本古美術品保存修復協力委員会の指導の下に共同研究及び修復を進めてきている。平成6年度からは、対象を米国の他の美術館等にも拡充するとともに、海外の博物館・美術館の学芸員等に対し、日本古美術品の取扱い及び保存・管理等に関する協力を行っている。


(イ) 海外の文化遺産の保護への協力

文化庁では、平成6年8月末の戦後50周年に関する内閣総理大臣の談話を受け、政府として策定した「平和友好交流計画」の一環として、平成7年度に、文化財の分野における国際的な貢献に資するため、東京国立文化財研究所に国際文化財保存修復協力センターを設置した。このセンターは、世界の文化財の保存修復に関する国際協力、資料収集、調査研究とその結果の公表や、専門的・技術的研修を行う拠点となるものである。また、2年度から、アジア・太平洋地域の文化財建造物の保存・修復のための技術協力を行っており、7年度はブータン、ベトナム及びインドネシアに対する協力を行っている。

東京国立文化財研究所では、従来から、中国の敦煌における文化遺産の保存修復についての研究協力をはじめ、日本の和紙を用いる保存技術についての国際修復研修事業、文化財に関する国際シンポジウムや文化財保存セミナー等を実施している。平成7年度からは、新たに韓国・中国と共同で、文化財における環境汚染の影響と修復技術の国際共同研究を行っている。

奈良国立文化財研究所では、カンボジアのアンコール文化遺産の保護に関する研究・協力を行っており、カンボジア人の研究者を日本に招聘して保存修復・環境整備等を中心とする共同研究を実施している。また、南アジア仏教遺跡の保存整備に関する共同研究も実施している。

さらに我が国は、政府間国際機関である文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)に加盟し、国際的な研究事業等に協力を行っている。


(ウ) 世界遺産条約

平成5年12月、

1) 文化遺産「法隆寺地域の仏教建造物」「姫路城」、
2) 自然遺産「屋久島」「白神山地」の4件

が我が国として初めて世界遺産条約に基づき世界遺産一覧表に記載された。また6年12月には「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」が記載され、さらに同年9月、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」を推薦している。


(エ) 海外展

従来から諸外国において、国宝・重要文化財を中心とする日本古美術展を開催しており、平成7年度は、イタリアのローマ市立展示館において「信仰と美 日本美術4000年の歴史を辿る」展を開催する予定である。

また、平成5年度より我が国と諸外国の博物館・美術館との間で、それぞれが所蔵する日本古美術・東洋美術を中心とする「博物館等海外交流古美術展」を実施している。5年度にベルギー王立美術歴史博物館において東京国立博物館の所蔵品の展覧会を開催し、6年度は、ベルギー王立美術歴史博物館の所蔵品の展覧会を東京国立博物館において開催した。7年度は、サンフランシスコ・アジア美術館の所蔵品の展覧会を京都国立博物館で開催している。


(オ) 無形の文化財保存・振興に向けての国際協力

文化庁では、外務省及びユネスコとの共催で、平成7年度に、「アジア太平洋の無形の伝統文化の保存に関する国際会議」を東京において開催した。専門家会議、公開シンポジウムを通して、アジア諸国等における無形の文化財についての現状や保存振興のための課題とその方策等について意見交換を行った。


<世界遺産条約>

世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約。文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として、損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要との観点から、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする。1972(昭和47)年の第17回ユネスコ総会で採択され、我が国は平成4年に締結した。7年4月現在、締結国は142か国。本条約に基づきユネスコに設置されている世界遺産委員会が、基準に従い世界遺産一覧表等を作成するとともに、国際的援助等を行う。


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