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2部   文教施策の動向と展開
第9章   新しい文化立国を目指して
第7節   文化財を後世に伝えるために
3   史跡等の保存・整備



(1) 指定

文化財保護法上、貝塚・古墳・城跡等の遺跡、庭園・峡谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質鉱物を総称して記念物という。国は、記念物のうち重要なものをそれぞれ史跡、名勝又は天然記念物に指定し、そのうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物に指定し、その保護を図っている。

現在、史跡は新発見の遺跡、中世の城郭、産業・交通関係の遺跡を中心に、名勝は庭園を中心に、天然記念物は動植物の全国実態調査により保存すべきであるとされたものなどを中心に指定を進めている。平成7年1月に近代の文化遺産の保存と活用に関する調査研究協力者会議の報告(記念物分科会関係)がなされ、同年3月史跡の指定基準の改正が行われたことを受けて、同年5月に旧横浜正金銀行本店(神奈川県)、琵琶湖疏水(京都府・滋賀県)及び原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)(広島県)の近代の文化遺産3件について初めて史跡指定の答申を受けた。


(2) 史跡等の保存

史跡等に指定された地域等については、現状を変更し、あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合、文化財保護法により、文化庁長官の許可を要することとされている。文化財保護と開発事業等との調整が困難である場合には、国庫補助により対象の土地等を公有化することによって、史跡等の保護を図るとともに、所有者の経済的損失の実質的な補てんに配慮している。


(3) 史跡等の整備・公開

国は、史跡等を将来にわたって保存するとともに広く活用を図るため、国庫補助によりその整備を行っている。文化庁では、新たな観点からの史跡の活用整備を進めるため、「ふるさと歴史の広場」(史跡等活用特別事業)を平成元年度から、国分寺・国府等の史跡を地域の中核史跡として整備活用する「地域中核史跡等整備特別事業」を4年度から実施している。7年度からは大規模な遺跡等の全容を再現し、往時の人間生活の全容を学び体験できる施設として、遺跡の復元的整備、学習施設等の整備を行う「古代ロマン再生事業」(大規模遺跡総合整備事業)を実施している。

また、平成5年度から毎年5月を中心に、全国各地で、我が国の歴史を理解する上で極めて重要な古道など、いわゆる「歴史の道」を歩き、周辺の史跡等文化財に触れる事業(歩き・み・ふれる歴史の道事業)を文化庁の主唱で行っており、7年度は奈良で中央大会を行った。さらに、天然記念物について、野外観察施設や学習施設を設置し、その有効活用を図る天然記念物整備活用事業を6年度から実施している。


(4) 埋蔵文化財の保護

近年、開発事業等に伴う埋蔵文化財の発掘件数が急増していることを背景として、平成5年11月に発掘調査の届出に関する事務処理の迅速化及び発掘調査の円滑化について都道府県教育委員会に対し通知を行った。また、6年度から発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究を行うとともに、地方公共団体の「埋蔵文化財調査センター」及び「出土文化財管理センター」の建設に対し、引き続き補助を行っている。

さらに、平成7年度から、近年新たに発掘された出土文化財を全国7か所で巡回展示する「新発見考古速報展」を開催している。


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